基本情報
- 所属
- 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 宇宙機応用工学研究系 准教授東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻 准教授
- 学位
- 博士(科学)(2005年3月 東京大学)
- 研究者番号
- 90415894
- ORCID ID
https://orcid.org/0000-0002-0140-8820- J-GLOBAL ID
- 200901096574214055
- researchmap会員ID
- 5000089715
- 外部リンク
プロフィール
何をしてる人? 宇宙電子デバイスの研究をしています。宇宙線によって生じる半導体の誤動作「ソフトエラー」が特に専門です。JAXA宇宙研と東大院電気系専攻の准教授として研究室を運営しています(本ポータルが研究室HPを兼ねています)。
どうやって? 実験して新現象を発見したり、シミュレーションをして解析したりしていますが、一番力を入れているのは現象を簡単な方程式で書く「モデリング」です。今、注目しているのは、下の3方程式を基本とする「ソフトエラー信頼性方程式」です(変数の説明は省略しますが、見た目通り簡単な式です)。
$ \sigma = \sigma_\infty \exp{\left(-\frac{L_e}{L_\mathrm{eff } }\right)} $
$ \Phi_\mathrm{eff} = \frac{K_\mathrm{eff } }{L_\mathrm{eff}^2}$
$ \lambda = 2K_\mathrm{eff}\frac{\sigma_\infty}{L_e^2}$
なぜ? 地上では加速器を使って宇宙線を再現して、それを半導体に当てて何が起きるか調べます。「当てて調べる」は王道で、特に信頼性保証には欠かせないのですが、加速器は数が限られているためそこでの実験は貴重です。「さっきの実験から半導体の電圧をちょっと下げたらどうなる?」といった条件ぶりを良くするのですが、その条件ぶりに意味があるとはいえ、ほとんど同じような内容を加速器実験で繰り返すのはもったいない気がします。簡単な方程式でどのパラメーターがどう結果に影響するかを記述できれば、当てなくてもわかることが増えて貴重な加速器を別のことに使えるようになります。つくった半導体を検査するために加速器の空きを待つようなもったいない時間も減らせるでしょう。どうぜ減らすなら目標はゼロ回!一回も宇宙線を当てずに「この半導体は大丈夫」と言える魔法のような方程式を作ろうとしています。
最近の様子
2026/03/17 論文が採択されました。簡単な方程式で宇宙と地上のソフトエラー頻度を予測できそうです。
2026/03/13 M2の山藤さんが電子情報通信学会総合大会で発表します。
2025/09/09 M2の山藤さんと私がソフトエラー勉強会で発表します。
2025/09/01 M2の山藤さんが電子情報通信学会ソサイエティ大会で発表します。
2025/05/30 和訳を公開しました。デジタル集積回路のソフトエラーについてスケーリング傾向を調査し、物理メカニズムに照らし合わせながら解析したものです。
研究キーワード
12主要な経歴
8-
2023年4月 - 現在
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2019年11月 - 現在
主要な学歴
2委員歴
1-
2013年 - 2020年3月
受賞
9論文
47-
2026年 査読有り筆頭著者責任著者半導体デバイスのシングルイベントアップセット(SEU)頻度を予測することは、それらを宇宙空間および地上の宇宙線環境で用いるために不可欠である。この目的のためにさまざまなSEU頻度方程式が導出されてきた。重イオンSEU断面積曲線の近似の仕方に違いがあるが、指数関数近似を用いた例はない。本研究の目的は、この指数近似からSEU頻度方程式を導出し、その妥当性を評価することである。導出された方程式は簡単な閉形式であり、物理的に直観的でわかりやすい3つのパラメータだけから成る。この方程式には、静止軌道での銀河宇宙線(重イオン放射線)および地上での大気宇宙線(中性子放射線)に対するデバイスのSEU頻度を、統一的、すなわち係数を換えるだけで予測できる可能性がある。250 nmから7 nmのテクノロジーノードで製造されたデバイスの実験データでこの方程式を検証したところ、銀河宇宙線についてはファクター2以内、大気宇宙線についてはファクター3以内の精度でSEU頻度を推定した。これは著名なPetersenの性能指数(FOM: figure of merit)公式と同程度の精度であった。さらに我々の方程式とPetersenの公式との類似性を詳しく調べた結果、両者は単に似ているだけでなく、むしろ同一であることが示唆された。すなわち現在のPetersenの公式は、その予測精度を高めるために後から校正をしている(*)。この校正は指数関数近似によって説明することができる。 (*和訳にあたっての筆者注:Petersenの公式では、別の方法で求めたSEU頻度を再現するようにパラメータが調整されている。)
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IEEE Transactions on Nuclear Science 70(4) 707-713 2023年4月 査読有り筆頭著者責任著者
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IEEE Transactions on Nuclear Science 68(3) 232-240 2022年3月 査読有り筆頭著者責任著者
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IEEE Transactions on Nuclear Science 68(6) 1222-1227 2021年 査読有り
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68(2) 124-148 2021年 査読有り筆頭著者責任著者集積回路の開発史は人類の宇宙への挑戦のもう一つの記録である。集積回路をシングルイベント効果(SEE)による突然の誤動作から守る努力が続いている。シングルイベント効果はたった一発の粒子放射線が当たることで生じる。この粒子放射線は、例えばアルファ線や宇宙線といったものであり、太陽活動や銀河で事象(超新星爆発など)に由来する。本記事ではシングルイベント効果が、初期のミクロン世代から現在のナノメーター世代に至る相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デジタル集積回路技術の発展、すなわちデバイススケーリングに伴って、どのように変化してきたか探求する。そのために、インバーターやSRAM と言った基本的なデジタル回路要素に焦点を当てて、シングルイベント・アップセット(SEU)とシングルイベント・トランジェント(SET)に関する4 つの特徴パラメーターを100以上収集した。SEUとSETはどちらもデジタル論理状態の反転であり、本来起きてほしくないものである。調査結果から、SEU臨界電荷量など調査した全てのパラメーターが、デバイスの技術寸法の減少に沿って小さくなってきたことがわかる。構造による分類(バルク基板か絶縁体上シリコン(SOI)基板か、プレーナー型チャネル構造かフィン型チャネル構造か)などを用いて解析し、調査したシングルイベント効果のパラメーターが電源電圧のようなデバイスの特徴量とどのような関係にあるか示す。将来の集積回路信頼性の探求に役立つよう本調査で収集した全てのデータは表にまとめてある。
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Japanese Journal of Applied Physics 59(10) 106501-106501 2020年10月1日 査読有り
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Quantum Beam Science 4(1) 15 2020年3月4日 査読有り
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IEEE Transactions on Nuclear Science 67(1) 328-335 2020年1月 査読有り筆頭著者責任著者
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IEEE Transactions on Device and Materials Reliability 19(4) 751-756 2019年12月 査読有り
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IEEE Transactions on Nuclear Science 66(1) 155-162 2019年1月 査読有り筆頭著者責任著者
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IEEE Transactions on Device and Materials Reliability 18(4) 574-582 2018年12月 査読有り
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IEEE Transactions on Nuclear Science 65(8) 1900-1907 2018年8月 査読有り
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Physica B: Condensed Matter 532 99-102 2018年3月 査読有り
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IEEE Transactions on Nuclear Science 65(1) 346-353 2018年1月 査読有り
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IEEE Transactions on Nuclear Science 65(1) 523-532 2018年1月 査読有り筆頭著者責任著者
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Japanese Journal of Applied Physics 56(8) 0802A5-0802A5 2017年8月1日 査読有り
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Japanese Journal of Applied Physics 56(8) 0802B3-0802B3 2017年8月1日 査読有り
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Japanese Journal of Applied Physics 56(8) 0802B4-0802B4 2017年8月1日 査読有り筆頭著者責任著者
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Japanese Journal of Applied Physics 56(4S) 04CD16-04CD16 2017年4月1日 査読有り
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Journal of Applied Physics 121(8) 085501-085501 2017年2月28日 査読有り
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IEEE Transactions on Nuclear Science 64(1) 406-414 2017年1月 査読有り
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IEEE Transactions on Nuclear Science 61(4) 1710-1716 2014年8月 査読有り筆頭著者責任著者
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IEEE Transactions on Nuclear Science 59(4) 707-713 2012年8月 査読有り
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Japanese Journal of Applied Physics 51 04DA07-04DA07 2012年4月20日 査読有り
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IEEE Transactions on Electron Devices 58(8) 2362-2370 2011年8月 査読有り
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IEEE Transactions on Nuclear Science 58(3) 800-807 2011年6月 査読有り筆頭著者責任著者
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Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A: Accelerators, Spectrometers, Detectors and Associated Equipment 636(1) S31-S36 2011年4月 査読有り
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Journal of The Electrochemical Society 158(5) R27-R36 2011年 査読有り
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IEEE Transactions on Nuclear Science 57(4) 1811-1819 2010年8月 査読有り
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IEEE Transactions on Nuclear Science 56(6) 3180-3184 2009年12月 査読有り
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IEEE Transactions on Nuclear Science 56(6) 3043-3049 2009年12月 査読有り筆頭著者責任著者
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IEEE Transactions on Nuclear Science 56(4) 1958-1963 2009年8月 査読有り
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IEEE Transactions on Nuclear Science 56(4) 2014-2020 2009年8月 査読有り
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IEEE Transactions on Nuclear Science 56(1) 202-207 2009年2月 査読有り
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IEEE Transactions on Nuclear Science 55(6) 2872-2879 2008年12月 査読有り筆頭著者責任著者
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IEEE Transactions on Nuclear Science 55(6) 2842-2853 2008年12月 査読有り
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Applied Physics Letters 93(19) 193503 2008年11月10日 査読有り
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IEEE Transactions on Nuclear Science 55(4) 1947-1952 2008年8月 査読有り
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IEEE Transactions on Nuclear Science 54(6) 2347-2354 2007年12月 査読有り筆頭著者責任著者
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Journal of Physics: Conference Series 83 012011-012011 2007年10月1日 査読有り
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IEEE Transactions on Nuclear Science 54(4) 1037-1041 2007年8月 査読有り筆頭著者責任著者
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Time-domain component analysis of heavy-ion-induced transient currents in fully-depleted SOI MOSFETsIEEE Transactions on Nuclear Science 53(6) 3372-3378 2006年12月 査読有り筆頭著者責任著者
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IEEE Transactions on Nuclear Science 53(6) 3575-3578 2006年12月 査読有り
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Applied Physics Letters 89(15) 154103-154103 2006年10月9日 査読有り
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IEEE Transactions on Electron Devices 52(10) 2188-2197 2005年10月 査読有り筆頭著者責任著者
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Journal of Micromechanics and Microengineering 14(9) S76-S81 2004年9月1日 査読有り筆頭著者責任著者
主要なMISC
6主要な書籍等出版物
3講演・口頭発表等
214-
International Display Workshops (IDW) 招待有り
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IEEE International Reliability Physics Symposium (IRPS)Presentation 4C.4
主要な担当経験のある科目(授業)
2所属学協会
5主要な共同研究・競争的資金等の研究課題
8産業財産権
5主要な学術貢献活動
18メディア報道
8-
IEEE @Press 2023年7月31日 インターネットメディア
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D. Kobayashi, K. Hirose, and H. Saito SPIE Newsroom 2013年6月 インターネットメディア
● 専任大学名
1-
専任大学名総合研究大学院大学(SOKENDAI)