研究者業績

榎田 二三子

エノキタ フミコ  (ENOKITA FUMIKO)

基本情報

所属
武蔵野大学 教育学部 幼児教育学科 教授
学位
学士(お茶の水女子大学)
修士(明星大学通信制大学院)

J-GLOBAL ID
200901013850741460
researchmap会員ID
5000024098

研究キーワード

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論文

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MISC

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  • 武蔵野教育学論集 2017年3月  
    私立幼稚園では、8割近い園で2歳児保育が実施されている。2歳児保育は子育て支援の一環として位置づけられているが、どのようなことに重点が置かれているかはさまざまであり、実施の形態も多様である。そのような2歳児保育で、幼稚園教諭はどのようなことを重視しているのか調査した。その結果、「保育者との信頼関係」、「安心でき安全な環境」、「子どもの発達」が重視されていることが明らかになった。一方で、子どもの遊びや保護者支援は重視されていない。合わせて2歳児の春の様子を調査したところ、「身辺自立」、「遊び」、「言葉」の発達がゆっくりである現状、個人差が大きい様子が明らかになった。この二つの調査から、保育者としては、2歳児保育についての年間計画の必要性、保護者支援の必要性、3歳未満児の特性への理解の必要性が示唆された。
  • 榎田 二三子
    婦人之友 110巻(3号) 62-65 2016年3月  
    3歳から5歳の就学前の幼児を育てるとき、どのようなことに配慮したらよいのか、生活で遭遇する具体的な事例を通してわかりやすく伝えた。公園での遊び、生活リズムつくり、片づけのときの親の関わり方のポイントを子どもの発達を踏まえて述べている。
  • 滝村雅晴, 津村典子, 市川美穂
    婦人之友 109(5) 64-78 2015年5月  
    子どもが笑顔で育つために、家庭や社会でどう子どもと関わり、何を大切にしたらよいのか。<br /> 子どもと一緒に家族が食卓を囲むこと、子どもの話を聞くこと、大人が子どもの側から考えられるようになることなど、夫婦を基にして相手のことを思い暮らす大切さを具体的事例から語り合った。
  • 武蔵野大学教職研究センター紀要 (第3号) 19-25 2015年3月  
    幼稚園における2歳児保育は、子育て支援として位置づけられ、私立幼稚園の78%で実施されている。<br /> 担当者は幼稚園教諭の免許状を取得しているが、保育士資格を取得していないため、2歳児について学んでいないものも多くいるのが現状である。2歳児保育はどのように実施され、幼稚園教諭の専門性に関する研究が行われているのだろうか。論文の分析を実施した結果、経年的研究内容の変化が見られたこと、保育内容や保育者の援助についての研究が多く実施され2歳児保育について試行錯誤している状況が認められたこと、保育者の専門性についての研究はこれから進められる分野であることがわかった。また2歳児保育の特性についての理解や保護者支援が今後の課題として明らかになった。
  • 婦人之友 乳幼児だより 5月号 2014年5月  
    2番目の子どもは生まれたときは、家族にとっても上の子にとっても危機的な状況となりがちである。上の子はとても誇らしい気持でいる反面、母親に気にかけてもらいたいと思い困ったこともする。大人にとっては辛い状況だが、子どもは笑顔に愛を感じ、誰かのためになにかする幸せな気持ちがかんじられるよう育てたい。
  • 婦人之友 2014年「5月号 108(5) 70-74 2014年5月  
    自由に歩けるようになった子どもが、2歳前後の時期になんでもイヤと拒否するようになる。これは主体としての自己が形成され始めたことによるものであり、だれでも通る道である。子どもは何でもできると思っており、自分でなんでも決め、自分の生活の主人公でいたい。けれども、技量は伴わず、泣くことや甘えることも、1歳よりは増える。自立の時期は、強い自己主張とともに甘えもみられるが、甘えさせるのではなく甘えを受け止めたい。子どもの意思を尊重しながらも、社会的なルールを伝え、気持ちを立て直す援助をする時期である。イヤイヤ期は、子どもの発達と共に終わりを迎える。
  • 婦人之友 乳幼児だより 3月号 2014年3月  
    乳幼児を育てる母親は、話し合い手もなくイライラが募ることが多い。誰とどのようなことをいつ話したいと思っているのか、夫と話したいと思ったらどのように話す場をつくったらよいか、話し相手を見出すためのヒントを伝えた。
  • 武蔵野大学教職研究センター紀要 (2) 2014年3月  
    1~2歳の子どものいたずらと捉えられがちな探索行動について、保育園での観察を通して、社会性の発達への関連を明らかにしようとしたものである。探索行動から子ども同士の緊張関係と親密さが生じる場面があること、自分の主張の強い1歳クラスであるが、2歳クラスになると自分と他者との満足を目指すような行動をとること、そのとき子どもは行動を見て他者の気持ちを理解していること、身体動作のコントロールもできるようになってくること、社会的存在の自己への気づきがあることなどが明らかになった。このような現象が循環して社会性の獲得が行われる。
  • 若江恵利子
    婦人之友 乳幼児だより 11月号 2013年11月  
    現代の核家族の子育てにおいて、テレビやビデオなしでは生活できないだろう。しかし使い方には注意が必要である。子どもが集中しているように見えるが、ひきつけられているのであり、大人による視聴時間の調整が必要である。子どもは直接体験を通して、言葉や概念を獲得するため、そのような経験ができる時間をつくることを同時に心がけたい。
  • 婦人之友 乳幼児だより 7月号 2013年7月  
    乳幼児の子どもは、遊びのきっかけを偶然見つけます。幼児期後期の子どもと違い、3歳未満の子どもは、自分から遊びをイメージしその材料を探すことができないため、どのような環境が用意されているかが重要になる。周囲のものや人に誘われ、行きつ戻りつしながら、おもしろいと思うことを見つけ遊んでいる。
  • 婦人之友 乳幼児だより 2013年5月号 2013年5月  
    子どもの成長記録を書く時間が持てることで、子どもの成長に気づく機会となる。しかし忙しい子育て期には、なかなか記録ととることが難しい。自分なりのスタイルで、1行でも、まずは心に残ったことから書き始めるとよいことを示唆した。成長記録を書き続けることで、子どものよいところにまなざしを向けられるようになり、大人も成長する機会となる。
  • 婦人之友 乳幼児だより 2012年5月号 2012年5月  
    「子どもを人として尊重する」とは、具体的にどのようなことであるのか、日常生活と結び付けて述べた。心配したくなるときにも大丈夫と信じて待ち、子どもの様子からその気持ちを感じとること、そして子どもの力の芽吹きを感じ取り、任せてみると豊かな可能性が開花する。このような過程は、親にとって葛藤を生じつものであるが、子どもを信じることで、親も育つのであり、この姿勢は子どもだけでなく誰に対しても共通のことである。
  • 武蔵野大学教育研究所紀要 2012年3月  
    探索行動から社会性への発達過程に関する研究の一部であり、社会性における親密さの萌芽についてまとめたものである。笑いを伴って子ども同士の間で交わされる親密さの様子は、行動の追随性、同時性、模倣など多様である。1~2歳児という時期は、大人から子どもへ興味が広がる時期であり、誰とでも笑い合える関係をつくることができる。笑いは、他者に受容される経験であり、探索行動は、その核となっている。
  • 婦人之友 乳幼児だより 2012年3月号 2012年3月  
    近年ひとりっこの家庭が増えつつある現在、子どもが子どもと共にある意味を保護者に理解してもらうように書いたものである。混沌さ共有できる子ども同士、友達に助けられ満たされる心、笑い合い真似し真似される関係が育む他者との親しみの交流など、そこには社会性の育ちに必要な経験がある。ひとりっこの場合には、家庭での大人集団の力が強くなり、子どもの世界が軽く扱われがちであることを注意しなくてはいけない。
  • 婦人之友 2012年2月号 2012年2月  
    ハイハイや歩行で移動できるようになった子どもは、あちこちに触り探索行動をする。大人にとってはいたずらに思える探索行動も、そこでものごとの意味や人の気持ちへの気づきが生まれ、体と心が育つ経験となる。このような子どもの様子に対して、しつけをしようと叱り続けると、子どもは受け入れられないと感じ、気持ちを引こうとさらに叱られるようなことをし悪循環となる。子どもの遊びの世界に少し寄り添いながら、先の見通しが持てるようにかかわるとよい。子どもは失敗を含め、自分のやりたい思いがかない、自分の生活の主人公として自信をもち、楽しく生活していく。(P83~87)
  • 婦人之友 乳幼児だより 2011年11月号 2011年11月  
    2~3歳の子どものイヤイヤ期、どのように対応したら良いか親は迷う。この時期は第一次反抗期と呼ばれ、大人と子どもの意図がぶつかり、大人の思うように事が運ばなくなるが、子どもの思いを尊重することがそれまで以上に求められる。子どもの思いをわかろうとしながら、大人の思いを伝えていくことで、子どもは折り合いをつけ、立ち直ろうとする。反抗期は自立と甘えの間を揺れ、甘えを止めてもらうことでエネルギーをため育っていく。(2頁)
  • 婦人之友 乳幼児だより 2011年9月号 2011年9月  
    子どもは自然のリズムを体内に持っている。早寝早起きをし、遊ぶ、食べる、寝るという生活の基本を核にしたい。家族それぞれの生活があるなかで、どうしたら子どもの生活リズムをつくれるのだろうか。そのためには、家族皆がほどほどに不自由さを分け合うとよい。毎日同じ生活リズムは、大人にとってはメリハリがないが、子どもは見通しを持ち、安心して過ごせる元となる。(2頁)
  • 婦人之友 2011年9月号 2011年9月  
    下の子が生まれたときのきょうだいの様子、とくに上の子どもが赤ちゃん返りといわれる現象を通してどのように育っていくのか、具体的に分かりやすく述べた。上の子は、新しい生活を受け入れようと葛藤をしながら、上の子であることを誇らしく思ったり、赤ちゃん返りをしたりしながら、自分づくりを新たにしている。きょうだいの間でもめ事は日常茶飯事であるが、きょうだいがお互いを良き存在として受け入れられように親は仲をつなぎ、人と共にある原点となる経験をつくる。(p83~87)
  • 婦人之友 乳幼児だより 2011年7月号 2011年7月  
    歩き始めた子どもは、探索行動をする。それらは、大人の意に反することもあり、子どもは親に叱られ受け入れられないことを経験する。子どもは言葉で表現できない気持ちを、投げたり叩いたりなどで表現するので、行動の裏にある気持ちを読む必要がある。子どもは、自分の意思を強く表すが、この強さは生きる原動力となるものである。(2頁)
  • 婦人之友 乳幼児だより 2011年5月号 2011年5月  
    入園してしばらく泣いていた子どもも、自分の心と格闘し、大人の励ましや期待を感じながら乗り越えていく。子どもは集団の中で頑張って生活しているためくたびれ、家庭では甘える。甘えることで元気になり、また次の日一人で歩んでいく。支えてもらい、元気になり立ち直る体験は、人生を生きる礎となる。(2頁)
  • 婦人之友 乳幼児だより 2011年3月号 2011年3月  
    幼稚園や保育園入園をまじかに控えた子どもは、楽しみにしている反面、不安も抱え揺れることがある。自分の気持ちを言葉でうまく表せないため、機嫌が悪くなることもある。集団生活で困らないようにと身支度など練習させるとさらに緊張が高まるので、やりたいという子どもの気持ちをたらえ、できたという自信を持てるようにしたい。困難は成長のときである。(2頁)
  • 婦人之友 乳幼児だより 2010年12月号 2010年12月  
    現在地球規模で持続可能な開発が問われている。教育界では、そのための教育が論議されているが、子どもが価値観を育み、行動の仕方を身につける時期である幼児期が重要である。この時期は、野性の心を発揮し無駄を体験してこそ、社会の中で生きることを理解していくため、性急に求めすぎないことである。そしてまず、大人が利便性を求めた生活を改め、次世代へ環境という贈り物を残していこうと伝えた。
  • 婦人之友 乳幼児だより 2010年10月号 2010年10月  
    近年子どもが母乳を卒業する時期が遅い親子が散見される。おっぱいは子どもにとって心の栄養であると考えているようだが、子どもが育つ時期にはそれぞれなすべきことがある。卒乳できなくて食事が進まなかったり、くじけたときにおっぱいで紛らわすなどマイナスもあることを伝え、母親にとっては至福の時であるが、思いきることが必要であること、おっぱいでない方法で愛していることを伝えて方法を見つけることが、子離れしていくプロセスである子育てでは必要であることを示唆した。
  • 婦人之友 乳幼児だより 2010年6月号 2010年6月  
    1~2歳の子どもは、生活の中でやってよいことといけないことを区別し、自分の行動をコントロールする力を習得する過程にある。しだいに理解するようになると、自分の思いを強く主張するようになる。大人の都合だけを伝えても子どもは動かないが、子どもの世界を共有することで、大人の思いを受け入れてくれることがある。子どもは自分の持っている力を使って、友達や大人とのかかわりを通して複雑な力を獲得する。大人は子どもの気持ちを読み手助けをしていく必要がある。
  • 婦人之友 乳幼児だより (2010年4月号) 3 2010年4月  
    大人は子どものすることを全て見ているわけではなく、けんかの場面で話を聞いても本当のところはよくわからないこともある。何もしていないように見えても、じっと見ていた子どもは、内面の世界を広げている。子どもは自分の思うようにやってみて、その結果を体と心に刻み込み、主体的に生きていく。子どもの様子から気持ちを読み取り、余裕を持ってかかわる必要がある。
  • 婦人之友 乳幼児だより (2010年2月号) 2 2010年2月  
    障碍をもつ子どもが生まれた時、その存在を受け入れ難く思う場合もあるが、自分たち家族を選んで生まれてきたのであれば、できる限りのことをしてあげたいと思うであろう。障碍をもつ子どもが育つ基本は同じであり、育てにくさの問題は周囲の環境にある。悩みつつ持ちこたえ、大人が知恵を出し合い、寛容な社会を作っていかなくてはならない。
  • 婦人之友 乳幼児だより (2009年11月号) 3 2009年11月  
    きょうだいが新しく生まれてしばらくは、上の子だけでなく、父親をはじめ家族みんながどうにか新たな生活をうまく進めようと一生懸命である。母親はイライラしがちであるが、夫婦で話し合う良い機会でもある。そしてきょうだいのかかわりの中で、子どもは切磋琢磨し仲間として育つ。
  • 婦人之友 乳幼児だより (2009年9月号) 2 2009年9月  
    子どもが愛されていると実感するのは、日常的なささいなことからである。自立の過程にある小さい子どもを育てていると、甘えさせていいのか悩み見極めが難しい。子どもが自立し諸能力を獲得することに親の関心が向くと、子どもは毎日頑張ることだらけになり、親から愛されているという実感を持てず求め続けることになる。親も人を気遣う余裕ある生活を送れることが大切である。
  • 婦人之友 乳幼児だより (2009年7月号) 3 2009年7月  
    現代では1歳代の子どもから習い事へ通うことが増えている。子どもとどのように過ごし遊んだらたらよいのか、わからない親が多くなっていることも一因だろう。子どもにはその育ちにあった生活が必要であり、習い事を子どもが好んでいるからと通わせることは、予定に合わせて進める生活が子どもに無理を強いている場合もあり注意が必要である。
  • 婦人之友 乳幼児だより (2009年5月号) 2 2009年5月  
    子どもが物の取り合いなどでトラブルになりそうな時、最近では大人が間に入りとりなしたり、「かして」、「入れて」、「一緒に」など人とのかかわり方を伝えようとする場面がみられる。子どもが育つ上では、そのまえに友達と一緒に遊びたいという気持ちや自分のやりたいことを見つけてじっくり遊ぶ経験が必要であり、「仲良く」と育て急いではいけないことを示唆した。
  • 武山隆子, 滝川孝子, 高橋一行, 榎田二三子, 義永睦子
    武蔵野大学人間関係学部紀要 (第6号) 229-243 2009年3月  
    現在子育て支援としてのひろばや就労支援、レスパイト・ケアのための保育などが展開されているが、養育力エンパワーメントの視点での援助は開拓途上である。武蔵野大学子育て支援室で行われている養育力エンパワーメント活動を分析し、活動を展開する上で必要な要件を明らかにした。その結果ゆっくり、じっくりできる物的、人的環境が必要であること、集うことで人との関係、興味・視野、生活が広がること、日常生活から離れリフレッシュ、エンパワーされ日常生活にもどることが見出された。(共同研究につき本人担当部分抽出不可能)
  • 婦人之友 乳幼児だより (2009年3月号) 2 2009年3月  
    はいはいや歩ける様になった子どもは、何にでも触りたがりいたずらをする。大人は困るが、獲得した力を日常生活のあちこちで使っている姿が子どものいたずらである。人や物をその子なりのやりかたで探索することで、体を通して周囲への認知や理解の体験を積み重ねている。
  • 婦人之友 乳幼児だより (2008年12月号) 3 2008年12月  
    子どもは気持ちを体全体で表現する。うれしい、楽しい気持ちだけでなく、悲しい、淋しい気持ちを体験しても、それを表現する言葉をまだ持たない場合には、泣いたりだだをこねたりして表現する。大人は泣くことを回避したくなるが、よく感じるから泣くのであり、どのように乗り越えたらよいのか学んでいるといえる。形容詞で表現できるような感じる生活を子ども達に与えることを心がける必要がある。
  • 婦人之友 乳幼児だより (2008年10月号) 3 2008年10月  
    母親は子育てで忙しく過ごしているが、児童文学は自分自身の子ども時代を思い出させてくれるものである。日常や親からはなれた所で、子ども同士の密度の濃い心満たされる経験をしている児童期の子ども達。児童文学には希望や共感、自律、悲しみ、寂しさなどこれから経験することが取り上げられ、子ども達は力づけられたり世界が広がったりする。
  • 婦人之友 乳幼児だより (2008年8月号) 2 2008年8月  
    「失敗は成功のもと」と言うが、失敗すると子どもは泣いたり怒ったりするので、大人は失敗を経験させたくないと思う。幼い子どもは多くが初めての体験、だからこそ自分でやってみたいと思う。そこでの集中や戸惑い、喜びなどが子どもの体に刻み込まれる。失敗しながら育った子は、新たなことに挑戦する。大人の気苦労は子どもの成長の土壌作りと言える。
  • 婦人之友 乳幼児だより (2008年6月号) 3 2008年6月  
    1歳くらいの子どもは、大人が反応してくれることを期待し何度も同じことをしたり、要求したりする。大人はうんざりするが、期待したことがかなう経験は、希望へと続くものである。子どもの意思をないがしろにし、大人が規制したり、指示を出し続けていると、子どもは無力感を経験することになり、自分の行動で未来が変わるという希望を持つことができない。子どもは大きい子どもや大人と共に過ごす生活から希望を持つ様になる。
  • 月刊子どもを学ぶ (6月号) 19-22 2008年6月  
    現代ではさまざまな要因で母親がストレスを感じている。夫や祖父母との関係作りや協力の得方、言うことを聞かない子どもへの対応の仕方などを提示し、息抜きをしながらストレスを抱え込まないように子育てする方法を示唆した。
  • 婦人之友 乳幼児だより (2008年2月号) 2 2008年2月  
    人生において、ポジティブに対処する傾向の強い人の人生経験の一つに「幼児期の安定性」というものがある。具体的には、自分の世界が頼れると確信できる、周りで起こることをそれなりに把握し対処できる、愛を感じながら育ち、自分を意味ある存在と認められるなどの内容である。愛され、支えられ、気持ちを分かち合う経験が、子どもの生きる力の根となり、困難なことを乗り越えていく力となる。
  • 婦人之友 乳幼児だより (2007年12月号) 2 2007年12月  
    友達と一緒が楽しい時期であるが、たくさんの子どもや強い子どもがいるとしり込みする場合もある。気の合う子と一緒に遊べていればよい。3歳で幼稚園へ入園する子どもが多く、子どもは園でよい子や大きい子になりたいと頑張る。しかし家庭では、素の自分を出し、甘える場合もある。入園すると親から見えない生活が増えるが、子どもの力を信頼し見守ることが大切である。
  • 婦人之友 乳幼児だより (2007年10月号) 7 2007年10月  
    2歳代の子どもの内面的成長には著しいものがある。対比的認識や2段階思考ができるようになり、見通しや自分のつもりを持てるようになる。またイメージ豊かにごっこ遊びもするが、一方では甘える様子が見られるようになるのも2歳の子どもである。このような子どもの成長の基盤となっているのは、子どもの日常生活であり、そこで一緒に気持ちを共有してくれる大人の存在である。
  • 婦人之友 乳幼児だより (2007年9月号) 3 2007年9月  
    かわいい赤ちゃん時代を過ぎ、子どもの意思がはっきりと感じられるようになると、親の役割も変化し始める。子どもを受容するだけでなく、子どものしつけや社会性を育てる役割が加わる。子どもの思いと親の思いがずれることも多々生じ、親はイライラ感を強める。時には一番弱者である子どもに、そのイライラをぶつけ悩む。しかし悩まない親はいない。悩むことで親は親として育っていくのである。
  • 婦人之友 (8月号) 2007年8月  
    どのように卒乳を進めたらよいのか、悩みは人それぞれである。小児科医である共著者と保育学の著者が、母親から寄せられた事例に対して、また卒乳の進め方についてアドバイスした。授乳をやめられない理由は、子どもの問題ではなく、子どもから離れがたい母親の気持ち、生活リズムや生活環境の問題によるものが多い。<br /> 若江 恵利子<br /> (P117~P123)
  • 婦人之友 乳幼児だより (2007年8月号) 7 2007年8月  
    1歳代の子どもたちは、信頼する大人を安心の基地として探索行動が盛んになる。また有意味語が増え、言葉の習得が進むが、個人差も著しい。発語が少ない子どもも、自分の思いを身振りで伝えようとする。この時期にはいたずらと思えることが増えるが、意思をもつ自己が形成されつつあるので、子どもの気持ちをできるだけ尊重していくことが望ましい。心を育てるには、大人が子どもをどのように理解するかが重要であることを述べた。
  • 婦人之友 乳幼児だより (2007年6月号) 3 2007年6月  
    父親が家庭で過ごす時間が少ない家族の場合には、母親が育児の負担感や不安を抱えがちである。何でも完璧にやろうとするのではなく、親子の時間、夫婦の時間、自分自身の時間など、バランスよくとれるようにし、家族の気持ちの安定を図りたい。父親の子育てへの参加を求める場合には、親として父親自身が楽しめることを探し、普段から離れて暮らす家族の気持ちをつなぐ工夫をするとよい。
  • 婦人之友 乳幼児だより (2007年4月号) 2 2007年4月  
    歩き始めた子どもは、自由に使えるようになった手で、探索行動を始める。周囲の状況を把握せずに、他者のモノにも手を伸ばす子どもは、大人にその行動を止められがちであるが、子どもは何だかよくわからない混沌とした状況の中で、次第に社会的なルールを見出していく過程にある。社会的な行動をとれるようになるためには、人と共にいることが心地よいという体験が基礎となる。子どもは、自らこのようなことを見出す力を持っている。
  • 婦人之友 乳幼児だより (2007年2月号) 2 2007年2月  
    家庭においては、引っ越しや親の仕事復帰など子どもの生活が変化する時がある。子どもにとって引っ越しは、大人の引っ越し体験とは意味が異なり、全ての生活空間や基盤の喪失体験である。また新たに保育所へ入った子どもにとっては、家庭の持つ自分自身が生活の主人公となれる時空間の意味合いが増す。そのような機会には、早く新しい生活の場が安心できるものになるよう、家庭や地域での生活を子どもの視点で作ってあげることが大人の役割であることを示唆した。
  • 婦人之友 乳幼児だより (2006年12月号) 2 2006年12月  
    物の取り合いなどからきょうだいげんかが始まる家庭では、分け隔てなくと思い、きょうだいを何でも同じようにあつかってしまう。けれども子どもが育つプロセスでは、何でも同じがよいのは一時のことであり、子どもは一人一人意思を持つ個別の存在である。大人はそのことを意識し、きょうだいそれぞれの思いに向き合い、その子どもが必要としている時に必要な助けができるようにすることが大切であることを述べた。
  • 婦人之友 乳幼児だより (2006年10月号) 2 2006年10月  
    きょうだいげんかは親にとって悩みの種であるが、子どもは不快な気持ちや一緒に楽しく遊ぶ充たされた思いのどらも経験しながら、他者を受け入れることとその喜びを感じ取っていく。それは平和の原体験といえる。きょうだいは、お互い自分の鏡やあこがれの対象でもあり、成長の原動力になる。けんかをする素の自分を表せる家庭で子どもが育つことを述べた。
  • 榎田二三子, 武山隆子, 義永睦子, 滝川孝子, 大戸美也子
    武蔵野大学人間関係学部紀要 (第3号) 49-62 2006年3月  
    親の養育力をエンパワーする環境を構成するために、本学附属幼稚園の保護者に対して子育てや養育力についての意識調査を行った。その結果、幼稚園児を育てる親の年齢が中年になっており、子育てが身体的に大変な仕事になっていることや、保護者が欲しい養育力は、体力、寛容、忍耐力であることが明らかになった。これらの養育力について保護者はある程度持っていると意識しており、子育て生活を通して力を培ってきたことが推察される。子育てという生活をどのように過ごし、エンパワーしていくかが今後の課題である。

書籍等出版物

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  • 榎田二三子, 大沼良子, 増田時枝, 石井雅, 小倉常明, 木村英美, 小泉裕子, 竹石聖子, 塚田幸子, 永倉みゆき, 浜口順子, 嶺村法子, 室久智雄, 矢田美樹子, 渡辺佳子 (担当:共著, 範囲:p89-93、p180-192)
    建帛社 2016年6月
    子ども・子育て支援新制度の施行にあわせ改訂したものである。新しい時代に求められる多様な教育職・保育者の役割について、学生が実際に働くことをイメージしやすいように書かれている。保育者としてこのような能力が必要であるということは述べずに、学生が自ら課題を見出すことをねらいとしている。本書で学ぶことにより、実践しつつ学び教育職・保育者として成長する基本的な姿勢を獲得できることが意図されている。担当部分:小学校や専門職間の連携における教育職・保育者の立場、家庭的保育者への指導的立場となる保育所保育士など新しく求められる役割について概観した。また少子化、地域の教育力の低下、特別支援教育、多文化に生きる子どもなど、近年子育てを取り巻く環境の変化が著しい。そのような変化に焦点をあて、なぜそのような変化が生じてきたのかについて説明しながら、子ども・子育て支援新制度を踏まえ教育職・保育者に求められる役割はど
  • 榎沢良彦, 大沼良子編著, 松浦浩樹, 永倉みゆき, 榎田二三子, 豊田和子, 小泉裕子, 安見克夫 (担当:共著, 範囲:p63-79)
    建帛社 2016年3月
    教育・保育の基本・基礎について学ぶ教育・保育原理の教科書である。新しい時代のニーズに対応する教育・保育といつの時代にも変わらない教育・保育の基本や歴史についてわかりやすくまとめられている。分担部分:「保育の計画と実践」について分担執筆。計画、実践、記録、評価という教育・保育の循環におけるそれぞれの意義と考え方の基本について述べた。(総ページ数174頁中、担当63~79頁)
  • 吉川はる奈, 岡野雅子, 篠原久枝, 武田京子, 入江礼子, 金子省子, 浜口順子, 吉澤千夏, 榎田二三子他 (担当:共著, 範囲:p180-181)
    丸善 2016年1月
    日本家政学会児童部会が中心となって、「子ども」を切り口に、発達、保育、教育、福祉、看護、医学、心理学などの学問分野における事項を解説するために作成した事典である。担当部分:豊かな育ちを保障する日本家政学会が編集した児童学事典である。「子ども」を切り口に、発達、保育、教育、福祉、看護、医学、心理学など多くの学問分野における関心事項、重要事項を解説した事典である。執筆担当:環境づくり(1)―保育ニーズの多様化ーについて執筆した。保育の基本である保育ニーズをとらえる視点として、子どものニーズと保護者のニーズがある。子どものニーズには、豊かな経験を通して健やかにしあわせに成長するというどの子どもも共通にもつニーズがあり、また一人一人の子どもによって個別のニーズ、障害や国籍によるニーズなどがある。保護者のニーズが子どものニーズと等しいわけではなく、保護者が自覚していない潜在的なニーズもあるため、社会
  • 米山岳廣, 金子晃之, 上岡学, 高橋貴志, 由田新, 神永直美, 小山千幸, 宮川三平, 榎田二三子, 鳥海順子, 金森三枝, 高牧恵理, 田中利則 (担当:共著)
    文化書房博文社 2013年4月
    近年女性の就労、虐待など子どもを取り巻く状況の変化が著しく、保育の制度も時代の求めに応じ変化している。 そのようなときに、保育の原理、各分野、技術についてその基本と展望をまとめたものである。筆者は、9章乳児保育と12章子育て家庭支援を担当し、その基本と現状および課題について解説した。 (総ページ数214 頁、141~145頁、175~183頁)
  • 小原敏郎, 神蔵幸子, 義永睦子, 榎田二三子, 岸井慶子, 永倉みゆき, 西村美紀, 宮川萬寿美, 矢萩恭子 (担当:共著)
    2013年2月
    教育職の必修科目である教育実践演習、および保育実践演習の教科書として書かれたものである。理論編、方法・技法編、実践・演習編で構成され、これまでの学習を振り返りながら、教育者としての実践力と豊かな人間性を備えた人材育成を目指している。担当部分:教育実践演習の教材として、事例研究の方法と意義、演習方法について解説した。また演習教材を提示し、学びを深められるよう解説を執筆した。(総頁数117頁中、P61~66、P93~P96を担当

講演・口頭発表等

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Works(作品等)

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  • 2008年4月 その他
    人生において困難に直面すると、気持ちをコントロールし、解決策を見出そうと情報を集め、模索しながら行動する。子どもは日常生活の中で、泣いている時に大人に励まされて落ち着き、何が嫌なのか聞いてもらうなど、同様の経験をして育つ。小さいからといって大人が手伝ってしまうのではなく、大人に見守られつつ、子どもが自分で判断し、行動する経験が、ものごとのへの見通しをもつことや、やってみようという意欲、そして自信へとつながる。
  • 2006年8月 その他
    自分の思いをまだ言葉で伝えきれない時期の子どもたちも、次第に周囲の状況が把握できるようになる。その過程ではものの取り合いも多発するが、友達と一緒に過ごすことも好むようになる、そして年長児にあこがれを持ち、年長児や大人と遊ぶことを通して、人との関わり方を習得していくという成長過程をを示唆した。
  • 2006年6月 その他
    子育ては、365日子どもと一緒の生活を求められる。悩みがあったり、忙しかったりすれば、イライラすることもつのり、つい怒りやすくなる。専業主婦の場合は、1日中子どもから離れられなく、親が一人になってゆっくりものを考えることもできない。そのような時に、どうしたいのか、何を変えたいのか、まず一つ考え、やってみるとよい。喜怒哀楽を伴うのが人生であり、治めたり続けたりする大人の姿を見て、子どもは育つことを示唆した。
  • 2006年6月 その他
    幼い子どもを育てていると、時には離れて過ごしたいと思うこともあるが、実際に流産などで子どもと離れる生活を余儀なくされると心配が生じて来る。子どもが母親のいない間を楽しそうに過ごしていても、子どもなりに頑張っている姿であり、子どもや家族との繋がりを作る方法を新たに考え関係を維持していくことが必要である。そして家族がまた一緒に生活できるようになったときには、子どもの甘えを受け止め関係を新たに作っていくよう教示した。
  • 2006年4月 その他
    どのようなこどもでも、どのような年齢でも、子育てに悩みはつきものである。悩むと親は自分の子育てが間違っていたのではないかと自分を責めたくなるが、過去に原因を探すのではなく、これから意味あることにしていくことが重要である。よくわからないことが度々あるのが子育てである。子どもの気持ちがわからないときにも、子どもの行為から感じ取ろうとする姿勢が親に求められることを示唆した。