山本摂子, 小町美由紀, 後藤優子, 町田貴絵, 石橋タミ, 大和田信行, 三好しのぶ, 金アンナ, 栃原綾, 増田道生, 三橋久美子
武蔵野大学看護学研究所紀要 (14) 19-25 2020年3月 査読有り筆頭著者
国連による持続可能な開発目標(SDGs)が目指す「誰一人取り残さない」社会の実現に向けて、全員参加型の「共生社会」の実現が望まれている。総合大学である本学において、2019年度から教養教育プログラム'武蔵野BASIS*の1科目として「共生社会」が複数教員の乗り合い(オムニバス)形式で開講され、「病や障害のある人の体験から共生社会を考える」ことを目的に看護学科教員が授業の一部を担当し、113名の学生に看護学科演習科目における体験型の取り組みを用いた授業を実施した。学生たちは妊婦、高齢者、肢体不自由、内部障害等を持つ人の健康体験から、不自由さや制限を素直に実感し、生活上の困難や障壁について学びを得ていた。看護学科教員が担当した体験型授業は、学生が想起する健康とは異なる健康体験にある人の生活を考え、その人らしく生を全うすることの理解の一端となることに貢献したと思われ、学生たちは全員参加可能な「共生社会」目指す学びを得たと考えられた。(著者抄録)