研究者業績

奥田 亮

オクダ アキラ  (Akira Okuda)

基本情報

所属
大阪樟蔭女子大学 学芸学部 心理学科 教授
学位
修士(教育学)(1996年3月 京都大学 大学院)

J-GLOBAL ID
200901098827872898
researchmap会員ID
1000258269

主要な論文

 59
  • 奥田 亮
    心理臨床学研究 37(4) 363-373 2019年10月  査読有り
    本研究では,バウムテストにおける描画体験過程について,特に幹の描画体験に焦点 をあてて検討し,その解釈仮説に対して理論的な基礎づけを行うことを目的とした。 まず描画行為自体に含まれる基礎的な体験として,情動の表出と関連する「痕跡を生 み出すこと」,その統制と関連する「形をとること」,描画への同一化と関連する「 形への自己投映」について考察された。これらを基にして,幹が描かれていく過程に 沿って,その体験が記述された。すなわち,バウムを描き出す位置,側線によって幹 の長さ・幅を決める過程や,それらが描かれる中で生じている体験を省察し,先行研 究の知見と二つの実例を踏まえながら,バウムの諸テキストにおいて述べられている 解釈仮説は,その体験過程によって基礎づけられることを示した。そして描画体験過 程を基に解釈を考えるという視点が,描かれたバウムおよび描画者を臨床的に理解す ることに役立つ,と論じられた。
  • 奥田 亮
    臨床描画研究 33 68-82 2018年7月  査読有り
    本論文では,バウムを描き始める前の描画者のバウムイメージとその後のイメージの変容を含む描画体験に焦点を当て,描画前のバウムイメージはどのように・どの程度思い浮かべられているのか,そのイメージはどの程度「正確に」描かれどの程度変容するのか,を調査し,それらについてバウムの部位やバウムテストの経験の有無を含めて分析した。その結果,バウムイメージは多くの場合,描く前にある程度思い浮かべられていること,描画を進めると,描かれたバウムに何らかの違和感を感じたり,付加して描きたくなったりする場合がほとんどであり,描画前のバウムイメージが最終的にそのまま紙面に示されるとは,多くの場合言えないこと,バウムを描く回数を重ねる中で,内的イメージの表現がより活性化され,バウムテストの治療的側面が高まる可能性があること,幹先端処理は,特に未経験者にとってバウムを描く上での課題となるポイントであること,などが示され

MISC

 4

書籍等出版物

 1
  • 編者, 山中康裕, 皆藤 章, 角野善宏, 分担執筆, 奥田 亮 (担当:共著)
    創元社 2005年3月
    心理臨床で用いられているバウムテスト,あるいは技法としてのバウムに関して,思想的考察・基礎的研究・臨床的研究に区分して論じた。 全365頁 担当部分:「第2章バウムの基礎研究 序,2」(単著) 第2章の「バウムの基礎研究」では,バウムの描画およびその解釈において,第一に描かれたバウムをそのバウム自身の論理に沿ってみること,第二にバウムを描く際に何が起こっているかを問うこと,を目的とした。まず序では,第2章の基本的なオリエンテーションが示され,さらに2においては,幹先端処理が描画者に引き起こすであろう体験について,分化と包冠という観点から考察された。

講演・口頭発表等

 45

担当経験のある科目(授業)

 4

Works(作品等)

 8
  • 監訳者, 角野善宏, 共同翻訳者, 今西 徹, 奥田 亮, 小山智明
    2004年7月 その他
    C.G.ユングのタイプ理論について,まずフォン・フランツが心的機能および各タイプに関する豊富な事例を挙げながら,特に劣等機能の重要性を強調しつつ解説を行っている。一方ヒルマンは,元型派の立場から感情機能に焦点を当て,感情内容と機能の差違や母親コンプレックス,アニマ・コンプレックスによって生じる問題についてさまざまな角度から省察している。 担当部分:第1部1・4章,第2部6・7章
  • 監訳者, 山中康裕, 共同翻訳者, 國吉知子, 伊藤真理子, 奥田 亮
    2003年4月 その他
    ジョエル・ライスーメニューヒンによる箱庭療法に関する論述の翻訳である。本書では,イギリス・ユング派の立場から箱庭の理論及び実践について語られている。巻末には,箱庭療法の誕生に関わったカルフとローエンフェルトの往復書簡が収められている。また,あとがきの形式をとって,箱庭療法に対するメニューヒンと訳者らの見解の相違についてまとめている。 担当部分:「4.箱庭療法室 4.アグネスの物語」以降の翻訳部,及びあとがき
  • 2002年10月 その他
    ドゥニーズ・ドゥ・カスティーラ著『バウムテスト活用マニュアル』の書評を行なった。その中で,150にのぼる樹木画が掲載されたこの本の有効な活用法として,各々の樹木画に対する解釈を読む前に自ら各描画に対して感じ取ったことをできる限り書き留め,その後著者の解釈と呼応させて,読み取りの感覚を深めていく,という手法が提案された。
  • 2002年10月 その他
    大阪樟蔭女子大学カウンセリングセンターが開設され,その施設の内装を作ることに関わった経緯から,心理相談機関が新しく施設を作る際に留意すべき点について考察を行った。その結果,治療機関として利用者である来談者の観点を大事にすることだけでなく,治療者が治療関係を結ぶ上での基盤となる器作りを,施設作りに関与していく中で達成していくことが,重要であると考えられた。

共同研究・競争的資金等の研究課題

 1

教育方法の実践例

 6
  • 件名
    人格心理学personalityシート/personalityノートの活用
    年月日(From)
    2002/04
    概要
    大阪樟蔭女子大学講義科目「人格心理学A」「人格心理学」(心理学科基幹科目)において講義者として自己内省用のプリントを活用しつつ,授業を進めた。人格心理学における様々な研究内容や知見が,単なる知識として受講生に消化されるだけに留まるのではなく,自らに照らし合わせながらより深く吟味して理解することをねらい,作成されたシートである。このシートに,毎授業開始時に与えられる「問い」(これは,その授業ごとのテーマに関連した,受講生自身のpersonalityに向けられた問いである)に対する答えを書き込むことで,授業内
  • 件名
    基礎演習における文献講読意識の向上
    年月日(From)
    2002/04
    年月日(To)
    2005/03
    概要
    大阪樟蔭女子大学演習科目「基礎演習」(心理学科2回生対象)において演習担当者として以下の内容が実践された。「基礎演習」は,心理学を専門的に学ぶためのリテラシーを身に付けることを目的に,心理学の諸領域の文献を講読して学ぶ授業である。しかし,課題として扱うテキストが教員から一方的に与えられるものであると,学生の学問に対する積極的な姿勢を促し難いことも多々見られる。一方で,テキスト選択を学生の完全な任意にした場合,専門的なリテラシーを身に付けるという目標に適わない本が選ばれたりする。そこで,一定数の文献を教員側
  • 件名
    人格検査法実習・臨床心理査定実習における投映法施行態度の映像教材
    年月日(From)
    2003/04
    概要
    大阪樟蔭女子大学人間科学部心理学科の「人格検査法実習」(3回生以上対象,平成17年4月からは「臨床心理査定実習」に科目名変更)において,実習担当者として人格検査(特に投映法)を施行する際の検査者の姿勢を学ぶためにビデオ教材を利用した。人格検査の,特に投映法のような熟練を要する検査では,検査者の検査態度や被検査者との関係性が,検査結果に影響を与えることが知られている。そこで「緊張の高い検査者」「マニュアルにこだわる検査態度」「被検者とのラポール形成に努める検査態度」などいくつかの具体的な例を示したビデオ教材
  • 件名
    人格心理学personalityシート/personalityノートの活用
    年月日(From)
    2002/04
    概要
    大阪樟蔭女子大学講義科目「人格心理学A」「人格心理学」(心理学科基幹科目)において講義者として自己内省用のプリントを活用しつつ,授業を進めた。人格心理学における様々な研究内容や知見が,単なる知識として受講生に消化されるだけに留まるのではなく,自らに照らし合わせながらより深く吟味して理解することをねらい,作成されたシートである。このシートに,毎授業開始時に与えられる「問い」(これは,その授業ごとのテーマに関連した,受講生自身のpersonalityに向けられた問いである)に対する答えを書き込むことで,授業内
  • 件名
    基礎演習における文献講読意識の向上
    年月日(From)
    2002/04
    年月日(To)
    2005/03
    概要
    大阪樟蔭女子大学演習科目「基礎演習」(心理学科2回生対象)において演習担当者として以下の内容が実践された。「基礎演習」は,心理学を専門的に学ぶためのリテラシーを身に付けることを目的に,心理学の諸領域の文献を講読して学ぶ授業である。しかし,課題として扱うテキストが教員から一方的に与えられるものであると,学生の学問に対する積極的な姿勢を促し難いことも多々見られる。一方で,テキスト選択を学生の完全な任意にした場合,専門的なリテラシーを身に付けるという目標に適わない本が選ばれたりする。そこで,一定数の文献を教員側
  • 件名
    人格検査法実習・臨床心理査定実習における投映法施行態度の映像教材
    年月日(From)
    2003/04
    概要
    大阪樟蔭女子大学人間科学部心理学科の「人格検査法実習」(3回生以上対象,平成17年4月からは「臨床心理査定実習」に科目名変更)において,実習担当者として人格検査(特に投映法)を施行する際の検査者の姿勢を学ぶためにビデオ教材を利用した。人格検査の,特に投映法のような熟練を要する検査では,検査者の検査態度や被検査者との関係性が,検査結果に影響を与えることが知られている。そこで「緊張の高い検査者」「マニュアルにこだわる検査態度」「被検者とのラポール形成に努める検査態度」などいくつかの具体的な例を示したビデオ教材

実務経験を有する者についての特記事項(教育上の能力)

 28
  • 件名
    大阪中学生サマー・セミナー講師
    年月日(From)
    2015/08/03
    概要
    大阪中学生サマー・セミナーにて「クラブ活動に活かす!効果的なココロのトレーニング」と題して、身体感覚への気付きを促しリラクゼーションをもたらすようなボディワークの講師を務めた。
  • 件名
    平成27年度小阪ママっコラボ講座「子どもの遊びと心の世界」講師
    年月日(From)
    2016/01/07
    概要
    子どもの遊びやお話(物語)などに現れる豊かなイメージの世界は,現実と幻想の間にある,人の心にとって大切な世界であり,子どもが成長して大人になってからも,心の健康や人同士のつながりにおいて重要であり続ける。そのような遊びとイメージの世界について,子どもを持つ母親らに理解を深めてもらうため,ワークを交えながらレクチャーを行った。
  • 件名
    大阪樟蔭女子大学心理学科連続講座 心理学の世界パート?「心とコンプレックス」講師
    年月日(From)
    2016/06/04
    概要
    一般の方々を対象に,「心とコンプレックス」というテーマで,「コンプレックスとは何か」(分析心理学におけるcomplexの定義)、「コンプレックスをどう捉えるか」(言語連想検査について),「コンプレックスをどう扱うか」(JungやAdler等の著述の紹介)といった内容の講義を行った。
  • 件名
    ひょうご講座2016 「絵本」や「ものがたり」を通じて「魂」に触れる 〜続編〜 第9回 講師
    年月日(From)
    2016/11/10
    概要
    「『絵本』や『物語』を通じて『魂』に触れる」というテーマの下,一般の人々を対象にグリム童話を題材として,臨床心理学に関わるの講義を行った。グリム童話における,いわゆる訓話的でない残酷な話が,心のある「真実」を顕わにしていることから,グリム童話を素材に若者たちが創作した物語を紹介しつつ,「対立と統合」を生み出す魂の働きについて,解説を行った。
  • 件名
    東大阪市教育センター 教育相談担当者研修会 講師
    年月日(From)
    2016/12/12
    概要
     
  • 件名
    大阪樟蔭女子大学心理学科連続講座 心理学の世界?「しがみつく心、距離をとる心」 講師
    年月日(From)
    2018/06
    概要
     
  • 件名
    東大阪市教育センター 教育相談担当者研修会 講師
    年月日(From)
    2018/12/18
    概要
     
  • 件名
    二上幼少育友会主催教育講演会 講師
    年月日(From)
    2019/11/07
    概要
     

資格・免許

 2
  • 件名
    臨床心理士
    年月日
    1998/03
    概要
    (取得した免許に係る職務先・勤務期間等は以下に記載)
  • 件名
    公認心理師
    年月日
    2019/02
    概要
     

実務経験を有する者についての特記事項(職務上の実績)

 9
  • 件名
    佛教大学学生相談室 臨床心理士
    年月日(From)
    1996/10
    年月日(To)
    2002/03
    概要
    臨床心理士として,5年6ヶ月,学生相談活動に従事した。 職務内容は,主に学生生活上で心理的に問題・悩みを抱える学生に対し,カウンセリングやガイダンス等の援助活動を行う。また,相談以外でも希望する学生には人格検査(YG性格検査・バウムテスト・TAT)を実施し,結果をフィードバックしながら面接し,学生が自己認識を深めるための援助を行った。
  • 件名
    京北町保健センターなかよし教室 臨床心理士
    年月日(From)
    1997/10
    年月日(To)
    1999/03
    概要
    臨床心理士として,1年6ヶ月,親子教室の集団活動を指導した。 なかよし教室では,過疎化・少子化により幼児及びその母親同士が交流する機会の少ない地域で,複数の母子達にコミュニケーションの機会を提供する為,20名程度の集団活動を行い,心理・社会的にサポートする。特に,母子間の非言語的コミュニケーションや遊戯活動について,指導・援助を行った。また,教室スタッフとのミーティングでは,臨床心理学的観点からスーパーバイザーとしての役割を果たした。
  • 件名
    大阪工業大学 情報科学部 カウンセリングルーム 臨床心理士
    年月日(From)
    1999/04
    年月日(To)
    2004/03
    概要
    臨床心理士として学生相談活動を学内にあるカウンセリングルームで行なった。主に学生生活で心理的な問題を抱える学生に対してカウンセリングやガイダンス等の援助活動を行なうのが主な職務内容である。時には事務職員や教員との連携を取り,学生の親との面談も行なった。就任後の学生相談活動の結果,年毎に来談件数が増加し,開室日数,人員などが補強され,対学生へのサービスが充実することとなった。
  • 件名
    大阪樟蔭女子大学カウンセリングセンター 臨床心理士
    年月日(From)
    2001/11
    概要
    臨床心理士としてカウンセリング・心理療法を行なう。対象は児童から成人まで,言語的な対話精神療法と絵画や箱庭などの非言語的心理療法を用いて治療を行ない,低年齢のクライアントにはプレイセラピーも行なう。これまで,適応障害や緘黙の児童,青年期の同一性障害,不登校児の母親など,幅広い年齢層のケースを担当している。
  • 件名
    大阪樟蔭女子大学カウンセリングセンター開設記念 第1回心の相談コロキアム『現代のストレス対処法について』ディスカッサント
    年月日(From)
    2002/03
    概要
    大阪樟蔭女子大学に新たに開設されたカウンセリングセンターの記念行事として,センターに関わる臨床心理学関連のスタッフによるコロキアムが,一般向けに公開され,そこで行なわれたストレス対処法についての講演に対するディスカッサントの一人として,討論を行なった。
  • 件名
    大阪樟蔭女子大学カウンセリングセンター第2回心の相談コロキアム『現代人の心と自己コントロール』ディスカッサント
    年月日(From)
    2003/02
    概要
    平成14年度に引き続き開かれた,大阪樟蔭女子大学カウンセリングセンターのコロキアムに,ディスカッサントとして参加し,討論を行った。講演者の泉田玉堂老師の講演に対し,臨床心理学の立場から,特に自己コントロールを失ったクライエントの欠如感と,それに呼応する治療者の無力感について,J.ヒルマンの言を紹介しつつ,コメントを行った。
  • 件名
    大阪樟蔭女子大学カウンセリングセンター第6回心の相談コロキアム『子育てにおける男性の役割』シンポジスト
    年月日(From)
    2007/01
    概要
    平成18年度に開かれた大阪樟蔭女子大学カウンセリングセンターのコロキアムにおいて,シンポジストとして講演および討論を行った。前半に『男性心理学者の子育て』というテーマで講演を行い,子育てに関わる中で生じる心理的な葛藤や愛着関係が父親にもたらす基本的信頼感について論じた。後半は他シンポジストと共に,フロアからの質疑応答に答えた。
  • 件名
    医療法人竹村診療所 非常勤カウンセラー
    年月日(From)
    2010/04
    概要
    臨床心理士として、京都市山科区にある医療法人竹村診療所にて心理療法面接に従事した。診療所には様々な精神疾患を有した人々が診察を受けに訪れるが、その中からカウンセリングを行うのが適切であると考えられた人に対し、主治医からの要請で心理療法面接を行っている。
  • 件名
    心理学科小阪キャンパス移設記念プレ・シンポジウム『地域と連携する心理学』話題提供者
    年月日(From)
    2015/03
    概要
    心理学科小阪キャンパス移設記念プレ・シンポジウム『地域と連携する心理学』に話題提供者として、香芝市で実施されている小・中学校保健室登校児童・生徒への「心のケア支援事業」についての報告を行った。