研究者業績

辻 弘美

ツジ ヒロミ  (Hiromi Tsuji)

基本情報

所属
大阪樟蔭女子大学 学芸学部心理学科 教授
学位
Ph.D.(2004年7月 University of London UCL Institute of Education)

通称等の別名
辻弘美
研究者番号
80411453
J-GLOBAL ID
200901019659781736
researchmap会員ID
5000094983

論文

 56
  • Hiromi Tsuji
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 14 38-46 2024年1月  筆頭著者
  • 辻 弘美, 古賀 章広, 岳川 有紀子, 鈴木 直人
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 13 55-64 2023年1月  筆頭著者
    本研究は、花火体験(花火を見た時や行った時)が、人間の心身にいかなる影響を与えるかをとらえることを 目的とし、心理尺度の作成にむけた構成概念の検討を行った。花火体験を通して生じる心身の反応として、大きく感 情的な反応側面と身体的な反応側面の両面を測定できる内容を想定し質問項目を作成した。10 歳から 80 歳代までの 年齢層を対象に家庭用手持ち花火、家庭用打ち上げ花火、花火大会の打ち上げ花火を想起させ、6 件法のオンライン アンケート方式で回答を求めた。花 火に対する身体反応は、ポジティブ感情、ネガティブ感情とそれぞれ独自に関係する主観的な身体的反応を生じさせ ている可能性が示唆された。想起した花火の種類によっても、ポジティブ感情得点や身体反応得点が異なる一方で、 ネガティブ感情得点に違いがみられないことなどが示唆された。これより、今後の花火体験が心身にあたえる影響の 主観的、客観的に捉える上での、基礎資料としての情報が得られた。
  • Hiromi Tsuji
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 13 47-54 2023年1月  筆頭著者
    The present study used an eye-tracking technique to measure attentional control. It examined whether early executive attention had a longitudinal relationship with a child’s performance on executive function tasks. 60 four-year-old children participated in this longitudinal study of executive functions (EFs). At time 1, attentional controls were measured with a modified flanker task in which eye-tracking was used in identifying correct anticipatory eye-movements. For the developmental outcomes, EFs (working memory, inhibition, shifting) were measured by eliciting verbal or touch responses at time 1, time 2 and time 3, with an interval between times of 12 months, including a flanker task with touch responses at time 3. The eye-tracking flanker task was associated with working memory and with the conventional flanker task 12 and 24 months later. This result demonstrated the validity of a new measuring technique using the eye-tracking method for studying attentional control for young children.
  • 辻弘美
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 12 39-48 2022年1月  筆頭著者
    クリエイティブな思考は、地域社会、グローバル社会レベルで、さらに注目をあつめている。ここでは、心理学におけるクリエイティビティ研究を紐解く足 がかりとして Rhodes(1961)による 4 つの視点(4Ps:Product, Person, Process, Press)に注目し、それぞれの意 味づけと、関連研究のレビューをする中で、本稿のねらいであるクリエイティビティ思考を育てるための取り組みへ のヒントについて議論した。
  • 辻 弘美
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 11 61-66 2021年1月  筆頭著者責任著者
    In two studies, the Japanese adaptation of a scale for measuring mindful conversational competence was examined in a preschool population. Study 1 examined the reliability and validity of using the Japanese translation of Mindful conversational difficulties scale(Peterson, Garnett, Kelly, & Attwood, 2009). Cronbach’s alpha indicated a good internal consistency. This scale was associated with the social skills, such as cooperation and self-control. Study 2 had a larger sample size and replicated the good internal consistency, suggesting that the current Japanese adaptation accurately reflects the original scale in terms of internal reliability and validity of social skills measurements..

MISC

 13
  • Ann Dowker, Douglas Frye, Hiromi Tsuji
    Frontier in Psychology Section of Cognitive Science 13 2023年1月  招待有り
    心の理論にかかわる研究論文を、広い視点から集めて編集した特別号の編集のeditorialである。
  • 企画者, 辻弘美, 近藤龍彰, 林創, 国際研究交流
    2022年2月25日  責任著者
    このワークショップでは,ピーター・ミッチェル氏の進行で,英国および日本で発達支援の実践を行っている実践者および研究者ら3名による話題提供を踏まえて,それぞれの国の実践の有効性や背景にある文化的違いなどを参加者とともに議論した。
  • 辻 弘美, 企画, ファシリテーター
    発達心理学会32回年次大会発表論文集 2021年3月  責任著者
    発達心理学会第32回年次大会(オンライン開催)のプレカンファレンス企画として実施した。英国Nottingham大学との共同研究(Economic and Social Research Council UK-Japan SSH Connection )への資金を活用した活動の一つである。オンラインで英国の心理学会発達部門との共同オンライン開催を通して,コロナ禍における課題とその対応について未来志向で参加者とともに議論できる機会を企画した。
  • 辻 弘美
    2021年3月  責任著者
    英国Nottingham大学およびCardiff大学からElizabeth Sheppard,Amy Paine,Sarah Cassidyによる話題提供とPeter Mitchellに指定討論により,以下の内容について議論した。 Our struggle to adapt to a new-normal environment under the recent pandemic reflects both the flexibility and rigidity of human nature. Challenges are mounting in adapting to the new environment for families, schools, work places and social circles. However, little attention has been given to human diversity in making such an adaptation. This symposium subtitled “Diversity matters” has two meanings. One is that diversity matters in modern societies, with an emphasis on respecting the differences between people. The other is a focus on what we need to be concerned about in our societies. This symposium sheds light on “matters” that have yet to be addressed in understanding and acting on issues related to “diversity”. This symposium explores the issues of adapting to the social arena in which an individual’s self-concept and ultimately their mental health is liable to be influenced considerably by how they are perceived by other people. If social factors threaten self-concept, then perhaps resilience against poor mental health can be conferred when children feel able to engage in humour. Amy Paine will report on how children’s burgeoning humour can confer resilience in the face of threats to mental health. Elizabeth Sheppard will report on a new perspective on autism, concerning how autistic people are (negatively) perceived and (mis)understood by others to a degree that could harm their mental health. Sarah Cassidy reports the scale of mental health issues in autism and explores relevant factors, particularly ‘camouflaging.’ Peter Mitchell will discuss the research collectively and articulate a synthesis to conclude the session with a coherent and over-arching view of the topic by addressing how and why diversity matters. This symposium is prerecorded and available for viewing by the participants at their convenience. The audience comments are welcome by messaging in the designated area.
  • 辻弘美
    2020年(90) 14-16 2020年6月  招待有り筆頭著者
    2019 年の英国心理学会発達部門の年次大会プレカ ンファレンス・ワークショップに続き,日本発達心理 学会第31回大会では,英国心理学会発達部門(BPS)と日本発達心理学会(JSDP)の合同企画を 3 本用意したこと,招待講演をケンブリッジ大学から Clair Hughes 先生によるビデオ講演と,ノッティンガム大学から Peter Mitchell 先生と Elizabeth Sheppard 先生の講演が予定されたこと,シンポジウム企画は,英国から 来日された先生方を中心に 4 本の話題提供と Mitch- ell 先生による指定討論を予定していたこと報告した。 心理学会発達部門の年次大会プレカンファレンス・ワークショップでの受賞者 Yvonne Skipper 先生 (グラスゴー大学)にも話題提供をお願いしました。 ワークショップ企画は,2019 年のプレカンファレン ス・ワークショップを発展させた研究方法をテーマと しました。発達心理学に関連する 5 つの研究領域を 設定し,領域ごとに 2 名のエキスパートからの話題 提供をもとに深い議論を一般参加者とともにすすめて いくという企画でした。20 名の一般参加予定者が事 前登録くださいました。これらの BPS-JSDP 合同企 画が可能となりましたのも,本大会の運営にかかわる関西学院大学の成田健一先生をはじめ皆様のご理解と ご支援があってのことでした。ありがとうございまし た。 大変残念ながら,新型コロナウィルス感染拡大に伴い,大規模の集会は実現しませんでが,そのような 状況にもかかわらず,冷静なご判断の上,来日してく ださった先生方には感謝しております。企画の一部でも共有し次に向けた示唆を得る機会を持ちたいと考え,3 月 2 日に大阪樟蔭女子大学にて小規模のセミ ナーを開催したことについても報告。

書籍等出版物

 3
  • 松川利広, 横山真貴子, 編著, 分担執筆, 福田きよみ, 神戸洋子, 辻弘美, 八幡真由実, 永渕泰一郎, 畠山寛, 吉田ゆり, 平野知見, 滝浪常雄 (担当:共著)
    保育出版 2010年4月
    2章2節「目とことば」(p49〜52) 執筆担当 乳幼児期の視知覚の発達について,具体的な例を示しながらわかりやすく解説するとともに,子どものこのような育ちと言葉とのかかわりを示す中で,保育者がどのような支援を子どもにすることができるかを示唆した。 7章3節「伝え合う力を育むために保育者はどう支援すべきか」(p122〜124)執筆担当 乳幼児期のコミュニケーションの基盤とその発達を解説するとともに,コミュニケーション障害にかんする知識も踏まえながら保育者がいかに子どもの年齢を考慮しながら,支援のありかたを考えていけるかを記述した。
  • 菊野春雄, 編著, 分担執筆, 橋本典尚, 箱井英寿, 中村健, 辻弘美 (担当:共著)
    創元社 2007年4月
    第2章(p27~39) 2章-2節:乳児の認知 乳幼児期の知覚および認知的能力の発達について概説した。 2章-3節:養育と愛着行動 愛着の概念と愛着行動の発達について概説するとともに最近の実証研究についてわかりやすく解説した。 第5章(p105~122) 5章-1節:言語習得理論 言語習得にかかわる諸理論(生得論、学習論など)についてのべ、それらの問題点について指摘した。 5章-2節:言語習得の過程 日本語の言語習得過程に焦点をしぼり、詳しく記述した。 5章-3節:読みの発達 読む活動に必要となる心理的能力について詳しく解説し、読む力がどのように発達的に変化していくのかについて述べた。 第6章(p130~135) 6章-2節:認知発達理論からみた教育PiagetとVygotskyの認知発達の理論について解説を行い、これらの理論が教育にどのように実践として適用されているかについて解説した。 トピック(p40~42)赤ちゃんとのコミュニケーション、スティル・フェイス実験を紹介しなが
  • 甲斐睦朗, 松川利広, 横山真貴子, 編著, 分担執筆, 生田貞子, 稲垣由子, 野村勝彦, 吉見昌弘, 古茂田貴子, 吉岡真知子, 三浦正雄, 冨田久枝, 坂田和子, 辻弘美 (担当:共著)
    保育出版 2005年3月
    「外国の保育に学ぶ-イングランドの4歳児の保育の場合」を執筆担当(単著) 英国教育コンサルタントが報告する事例研究をもとに、イングランドナショナルカリキュラムがどのように実際の保育現場で実施されているかを具体的に概観できるようにした。また日本との違いが伝わるように、イングランドにおける言葉の保育を特徴付ける内容を重視しながら、カリキュラム・実践・評価が関連性を持っていることが明確になるような構成の工夫をした。(全212頁)

講演・口頭発表等

 133
  • Hiromi Tsuji
    Gentle Teaching International Conference, Porto, Spain 2009年11月4日
    平成21年11月4〜6日。知的障がいをもつひととのかかわりにおいて,基礎研究の知見がどのように関連づけられるかについて述べた。具体的な研究例(still-face paradigm)を呈示しながら,乳児期の養育者とのコミュニケーションにおいて,かかわる側の敏感性や応答性が子どもや,障がいをかかえる人とつながりあうために大きな支援となることを提言した。
  • Hiromi Tsuji
    ポルトガルAveiro大学招待講義 2009年10月  招待有り
    Aveiro大学 教育科学部の心理学修士コース長Professor Anabela Maria Sousa Pereiraより、院生対象の講義を「Early communication and meeting of minds」と題して行った。ジェントルティーッチング国際学会のプレワークショップの一環として招待された。
  • Hiromi Tsuji
    英国心理学会発達心理学部門University of Nottingham 2009年9月9日
    平成21年9月9〜11日。人間の認知スタイルは文化によって異なるとされていることから,視覚情報の統合的処理においても,包括的な認知スタイルをもつ東洋人と分析的な認知スタイルをもつ西洋人の違いがみられるのではないかという仮説を検証した。異なる発達段階の対象者を総合的に比較すると文化間の違いが仮説を指示する方向でみられた。
  • 辻弘美
    日本心理学会73回大会 2009年8月26日
    平成21年8月26〜28日。視覚情報の統合的処理能力について,エビングハウス大きさの錯視図形を用いた課題を幼児から老年期の協力者に実施した。幼児期においては錯視量は顕著にみられないものの,児童期から青年期にかけて大きく錯視量が増加した。一方老年期の錯視量は,幼児期程度に減少することがわかった。しかし,比較されず図形の大きさの程度によっては,用心のみに錯視がみられる条件もあることから幼児期と老年期の錯視がまったくではない可能性が示唆された。
  • 辻弘美
    文部科学省教育研究補助事業 高等専修学校新任教員研修講師 2009年8月
    学生・教員のための実践心理という枠組みの中で、学習という概念を心理学的に説明した。また、教員が学習をどのようにとらえるかで、授業の運びかたや課題の与え方が異なることを、学生の動機付けとの関連から理解できるようにした
  • 川上正浩, 辻弘美
    日本認知心理学会第7回大会 2009年7月19日
    平成21年7月19〜20日。大学生を対象に大域—局所の2階層ひらがな文字の読みにおける大域優先性の可能性と,ひらがなの音韻および形態情報がどのように大域—局所間の干渉に影響を及ぼすかを検討した。形態情報に着いては,大域から局所方向のみならず,局所から大域への干渉が生起することが認められた。
  • 辻弘美, 川上正浩
    言語科学会第7回年次大会、 2009年7月4日
    平成21年7月4〜5日。子どもと大人における,大域—局所の2階層ひらがな文字の読みにどのような違いがあるのかについて,知覚から読み反応までの時間を計測する事によって,大域から局所情報への,もしくは局所から大域情報への干渉がみられるかについて,Navon (1977)の知見に照らし合わせて検討した。
  • 辻弘美
    教員免許状更新講習 2009年7月
    幼稚園教諭を対象とし、「絵本の共有から記号の共有へ:その発達を考える」と題した講義を行う。コミュニケーション発達の基礎について理解するための講習1コマと話し言葉からリテラシーへの移行とその発達について講義する1コマをとおして、乳児期のコミュニケーションとリテラシーの基礎となる共有の概念の関連性についての理解を深めてもらった。
  • 辻弘美
    日本ジェントルティーティング研究会 2009年3月
    日本ジェントルティーティング研究会の講師として「子どもと哲学」と題したベルギーの実践家Goedele De Swaef氏との対談を行った。また,香芝市教育委員会と共同で真美ケ丘東小学校および中学校においてGoedele De Swaef氏を講師として企画された「子どもと哲学」の授業実践にかかわった。
  • 辻弘美
    日本心理学会72回大会 2008年9月19日
    平成20年9月19〜21日。視覚情報の統合的処理能力が4歳児においては未発達であるという先行研究を受け、その発達過程を検討するために、幼児4歳から6歳を対象にエビングハウス大きさの錯視図形を用いた課題を実施した。4歳から6歳にかけ、錯視量は増えるもの、大人のそれとは有意に異なり、幼児期においては6歳であっても視覚情報の統合的処理は未発達であることが確認された。
  • Hiromi Tsuji
    英国心理学会発達心理学部門University of Oxford Brookes 2008年9月1日
    平成20年9月1〜3日。老年期の視覚情報の統合的処理が成人のそれとどのように異なるかを検討するため、エビングハウス大きさの錯視図形を用いて錯視量の違いを測定した。日本人成人において錯視量が大きく認められる課題において、65歳以上の老人では、錯視量は有意に少ないことが確認された。
  • 辻弘美
    平成20年度文部科学省「社会人学びなおしニーズ対応教育推進委託事業」 2008年8月
    「コミュニケーションと教育」と題し、コミュニケーションとしての言葉の発達から、書き言葉の理解の発達に至るまでを具体的に説明するとともに、ブックスタート研究のデータを呈示しながら、幼少期のコミュニケーションの重要性について講義を行った。
  • Hiromi Tsuji
    20th Biennial International Society for the study of Behavioral Development meeting, July,WÜRZBURG 2008年7月13日
    平成20年7月13〜17日。乳児のbiological motionをとおした情動の知覚判断について検討を行った。喜びと悲しみを動作表現したbiological motion と対応する音声情報のmappingの可能性を、選択的注視法を用いて注視時間の測定を行った。表情画像の場合にみられる乳児の情動理解の発達の研究結果とは異なり、1歳以下の乳児において、biological motionから派生する情動的情報をもとに情動理解には至らないことが示唆された。
  • 辻弘美
    教員免許状更新講習 2008年7月
    一般教員対象の心理学の授業として、「自尊感情をとらえる:発達と教育の視点から」という表題で授業を行った。受講生に、自尊感情とは何かについて再考するきっかけを提供するとともに、教育の場面で、この概念をどのように活用できるかについて考えてもらった.
  • 辻弘美
    ジェントルティーチングワークショップ 2008年3月  招待有り
    日本ジェントルティーティング研究会の講師として「絵本の共有をとおした親子のコミュニケーション」と題した招待講演を行う。初期のコミュニケーションについて,発達的な視点からそのメカニズムについて説明し,ハンディキャップの有無にかかわらず,これらの基盤は共通していることについて述べた。
  • 辻弘美
    尼崎市市民大学 2008年1月
    尼崎市市民大学(大庄公民館にて)の講師として「自分をみつめることと生きがいの発見」と題し、アイデンティティの発達の様相について基礎的な講義を行うとともに欧米の老年期の市民の生きがいについての記事を紹介し、文化的な際について考察を行う。
  • 辻弘美
    大阪樟蔭女子大学オープンカレッジ講師 2007年10月
    香芝市によって実施されているブックスタート事業の中で、母子の絵本を介したコミュニケーションに関する研究を行った成果についての報告を行った。子どもと養育者のコミュニケーションの基礎的な枠組みを呈示するとともに、香芝市の母子のデータに基づく分析結果について考察を行った。
  • 辻弘美
    日本心理学会第71回大会 2007年9月18日
    平成19年9月18~20日。ブックスタート体験をする261名の乳児の絵本への反応行動を7つのカテゴリーについてその頻度を分析した。乳児の主な絵本への反応行動は、絵本への注視、絵本への働きかけ、および読み手への注意であった。また、注視には2種類のタイプがあることが示唆されるとともに、これらと乳児の絵本の共有環境や、気質的な特徴との関連性もみられた。
  • Hiromi Tsuji
    英国心理学会発達心理学部門University of Plymouth 2007年8月29日
    平成19年8月29~31日。生後4ヵ月児の絵本の共有場面の観察データをもとに、乳児の注視の個人差について検討した。Exploratory type のほうがFocused typeに比べてより家庭での絵本の共有経験をもっていること、またExploratory typeの乳児は、Focused typeほど外界からの刺激に対して強い反応を示さないことが示唆された。これらの個人差を注意能力の発達と関連して考察した。
  • Hiromi Tsuji
    19th Biennial Meeting International Society for the study of behavioural development 2006年7月2日
    平成18年7月2~6日。共同注意を伴う親子の相互交渉中に、親はどのような言語を用いているのかを語用論的な視点から検討した。親子の遊び場面の観察をもとに、親の言語使用を共同注意がおこったエピソードとおこらなかったエピソードにおいて比較したところ、共同注意が起こったエピソードにおいて、親は多くの叙述的な談話が多く指示的な談話は少ないことが統計的に示された。
  • Hiromi Tsuji, Haruo Kikuno
    19th Biennial Meeting International Society for the study of behavioural development 2006年7月2日
    平成18年7月2~6日。乳幼児を抱える養育者のメタ認知的知識とスキルについて養育メタ認知尺度を元に検討を行った。また、養育のメタ認知を活性化させることによる、養育者の子育て支援のあり方についての提案を行った。
  • 辻弘美
    滋賀県安土町ボランティア講座 2006年7月
    地域のボランティア登録者向けの講習会10回シリーズの1回の講義を「子どもの心と発達」という表題で担当した。子どもとかかわる機会も多いボランティアの方々に、基本的な子どものこころの発達についての知識を理解してもらうことにより、子どもへの適切なかかわりについてあらためて考えてもらう機会をもうけた。
  • Hiromi Tsuji, Haruo Kikuno
    The fifteenth International Conference on Infant Study、Kyoto 2006年6月20日
    平成18年6月20~22日。生後4ヶ月児とその母親の相互作用における、乳児の社会的コミュニケーション能力について検討した。Still-faceパラダイムを用い、乳児の社会的随伴性のきっかけとなる情報として、乳児はコミュニケーションのパートナーとなる母親の顔表情の目と口のどちらを重視しているのか、それぞれの統制条件における乳児の注視・微笑の時間的な長さの違いをもとに検討した。
  • Hiromi Tsuji
    The fifteenth International Conference on Infant Study、 Kyoto 2006年6月20日
    平成18年6月20~22日。生後12ヶ月から24ヶ月齢の子どもの共同注意能力の発達を縦断的に検討した。異なるレベルの共同注意的行為を伴う行動をコーディングしその成長曲線をマルチレベルモデリングによる分析をもとに表現した。また、共同注意の長さと言語運用能力についても正の関連性が見られることがわかった。
  • 菊野春雄,辻弘美
    日本発達心理学会 2006年3月20日
    平成18年3月20~22日。自己の養育の限界を認識する能力、自分の養育の問題点を明確にする能力、養育の問題に対する適切な解決法に気づき解決策を建てる能力、自分の養育を点検しモニタリングする能力、養育の続行や中止を判断する能力など子育てにとって重要な要因である養育者のメタ認知と体系的に検討するために、養育メタ認知尺度を作成し、本尺度を通して見られた養育のメタ認知の構造について検討した。
  • Hiromi Tsuji, Rhona Stainthorp
    International Congress for the Study of Child LanguageFree University, Germany 2005年7月25日
    平成17年7月25~29日。縦断的観察データをもとに13ヶ月から24ヶ月児の会話表現の変化を分析し、欧米の先行研究と対照を行った。会話文脈・発話行為レベルの検討から、どの幼児も養育者と共有した核となる会話文脈の種類には文化間の違いは見られないが、日本人会話特有の相槌的な行為が早い時期から見られることが明らかになった。解釈可能な発話の増加期と2語文の萌芽期において、幼児の会話表現の種類に関の個人差はそれぞれ異なった特徴がみられた。
  • Hiromi Tsuji, Rhona Stainthorp
    言語科学会第7回年次大会、 2005年6月25日
    平成17年6月25~26日。幼児期の子どもとの関わりを、養育者の会話スタイルの視点で、談話レベルと発話行為レベルにおいて検討した。子どもの月齢とともに、会話文脈レベル、発話行為レベルともに変容が見られるとともに、指示的よりも話し合い的会話スタイルをとる母親ほど子がより多種の発話行為を表出していることが明らかになった。
  • Hiromi Tsuji, Rhona Stainthorp
    Child Language Seminar, Bristol university 2004年7月12日
    平成16年7月12~14日。1977年(昭和52年)設立。言語発達・障害および言語獲得に関する最新の研究結果を発表する国際学会での発表。 乳幼児のコミュニケーション初期に特有なジェスチャーの特性について、言語との同時性、機能、形態の関係について分析・考察。Pointing, showing などの指示的ジェスチャーが会話ジェスチャーの大半を占めた。描写ジェスチャーは指示的ジェスチャーに比べて少ないものの、文化・社会的に頻用される慣用的なものが多くみられた。指示的ジェスチャーにおける機能と形態の関係性は、原命令的機能ではgivingが、原叙述的機能では、pointingやshowingが頻繁に用いられる傾向がみられた。
  • Hiromi Tsuji
    School of Psychology & Human Development, Institute of Education 2004年6月3日
    ロンドン大学教育研究所、人間発達心理学科主催の研究セミナー発表。 ジェスチャー、音声・言語の2種類のモダリティとそれらの同期における一定の発達順序を縦断データより検討した。10名の縦断データから、2種類のモダリティの発達過程には、音声とジェスチャー同期の初期、意味発話から音声への移行期、ジェスチャーと意味発話の同期の充実期、2語発話期と変化していくことが見出された。
  • Hiromi Tsuji
    Doctoral School Winter Conference, Institute of Education 2003年12月12日
    ロンドン大学、教育研究所主催の学会発表。 前言語期の親子のコミュニケーションのやり取りでは、どのような会話的表現(発話・ジェスチャー)が一般的に使われているか縦断データをもとに検討した。前言語期の子のコミュニケーションの特徴としては、言葉遊び的な文脈では、言葉を使って親とのやり取りができるものの、一般的な文脈では、ジェスチャーやジェスチャーに音声を付加した形の発話行為的な試みが多く見られた。
  • Hiromi Tsuji
    言語科学会第5回年次大会、 2003年7月5日
    平成15年7月5~6日。乳幼児のコミュニケーション発達を縦断観察データにもとづいて、会話行為を発話と会話文脈の2レベルから分析。発話行為の多様性においても個人差や発達パターンが見出されることをジェスチャー・言語の両モダリティの発達との関連から考察した。発話行為の多様性はジェスチャーと言語の同期が頻繁になる時期やや2語文の萌芽期において個人差がみられ、その発達パターンについては、語の急増期にみられるような表現型・指示型的な発達との類似を示唆するものが見出された。
  • Hiromi Tsuji
    Doctoral School Summer Conference, Institute of Education 2003年6月20日
    平成15年6月20~21日。ロンドン大学、教育研究所主催の学会発表。 縦断観察データをもとに、養育者と子の共同注意を伴うエピソードの発達について、その継続時間やエピソードの成立過程について検討した。13ヶ月から24ヶ月にかけての共同注意を伴うエピソードの発達は線形的な増加が見られた。親や事物への非関与時間は月齢とともに減少したものの、事物のみへの関与期間は一定であるという特徴が見られた。発話行為の多様性にみられる言語発達と共同注意の関係について考察した。
  • Hiromi Tsuji
    Doctoral School Winter Conference, Institute of Education 2001年12月14日
    ロンドン大学、教育研究所主催の学会での研究発表。予備調査で収集した横断データをもとに母親と子のそれぞれの発話行為の種類と会話エピソードについて分析。母親の発話行為の種類は平均して安定しているものの、子のそれについては年齢による違いが見られた。各エピソードは年齢とともに、子によるイニシエーションが多くなり、発話行為だけでなく会話の開始においても発達的変化が見られた。

担当経験のある科目(授業)

 16

Works(作品等)

 1

主要な共同研究・競争的資金等の研究課題

 17

学術貢献活動

 14

メディア報道

 2

教育方法の実践例

 2
  • 件名
    個の能力に併せた学修プログラム
    年月日(From)
    2015/04/01
    年月日(To)
    2021
    概要
    外国語(英語)の文献を読むにあたり、英語力の個人差や学習スタイルの違いにあわせて、自分のペースで学びが進められ、そのプログレスを可視化し、授業内でフィードバックができるシステムをLMSのmanabaを通して作成した。自分の
    ペースで学修がすすめられ、対面でのフィードバックを得られるとともに、最新の心理学の研究内容について解説が聞けることから、外国語文献を読むことへのモチベーションが高まり、15回の演習終了後には英語文献への抵抗が少なくなり卒論プロジェクトに英語論文を読む学生が出てきた。
  • 件名
    学習者による評価を通した学びの深化
    年月日(From)
    2015/04/01
    年月日(To)
    2017/03/31
    概要
    受講生が他の受講生に学びを効果的に伝達することで学びを深める取り組みを行った。コミュニケーションの心理学で学んだ内容を活かして、他者につたわっているかを評価する過程で、修得内容が深まった。受講生による評価基準の議論から評価の共有、自分に向けられた評価をもとに振り返る過程をデザインすることで、学びが深めることができた。

作成した教科書

 1
  • 件名
    保育者養成課程テキスト 子どもの育ちと「ことば」
    概要
    2章2節「目とことば」(p49〜52) 執筆担当
    乳幼児期の視知覚の発達について,具体的な例を示しながらわかりやすく解説するとともに,子どものこのような育ちと言葉とのかかわりを示す中で,保育者がどのような支援を子どもにすることができるかを示唆した。
    7章3節「伝え合う力を育むために保育者はどう支援すべきか」(p122〜124)執筆担当
    乳幼児期のコミュニケーションの基盤とその発達を解説するとともに,コミュニケーション障害にかんする知識も踏まえながら保育者がいかに子どもの年齢を考慮しながら,支援のありかたを考えていけるかを記述した。

教育上の能力に関する大学等の評価

 1
  • 件名
    教員活動評価(2020年度 懸賞対象者)

その他(教育上の能力)

 22
  • 件名
    英国ロンドン大学教育研究所博士課程入学セミナー
    年月日(From)
    2003/09
    概要
    英国ロンドン大学教育研究所博士課程入学セミナーのプログラムの一つとして、在学生による博士課程新入生へのガイダンス(スライドによる博士課程での研究生活についてのプレゼンテーション)を行い、新入生との情報交換の場を提供した。
  • 件名
    Advanced Diplomaコース学位認定試験論文の採点
    年月日(From)
    2004/06
    概要
    心理学コースの学位認定試験で設定された論文の採点および成績評定を行う。
  • 件名
    発達障害をもつ学生の特別支援の一環としての個別指導
    年月日(From)
    2005/05
    年月日(To)
    2006/03
    概要
    心理学実験レポート作成のための個別指導を週1回単位で設定し、レポートの書き方についての指導を中心に行う。関連領域の学習の仕方についても必要に応じて指導するとともに、大学教職員との連絡を密にとりながら、当該学生が、無理なく大学生活に適応できるように支援を行う。
  • 件名
    滋賀県安土町ボランティア講座講師
    年月日(From)
    2006/07
    概要
    地域のボランティア登録者向けの講習会10回シリーズの1回の講義を「子どもの心と発達」という表題で担当した。子どもとかかわる機会も多いボランティアの方々に、基本的な子どものこころの発達についての知識を理解してもらうことにより、子どもへの適切なかかわりについてあらためて考えてもらう機会をもうけた。
  • 件名
    大阪樟蔭女子大学オープンカレッジ講師
    年月日(From)
    2007/10
    概要
    香芝市によって実施されているブックスタート事業の中で、母子の絵本を介したコミュニケーションに関する研究を行った成果についての報告を行った。子どもと養育者のコミュニケーションの基礎的な枠組みを呈示するとともに、香芝市の母子のデータに基づく分析結果について考察を行った。
  • 件名
    尼崎市市民大学講師2008
    年月日(From)
    2008/01
    概要
    尼崎市市民大学(大庄公民館にて)の講師として「自分をみつめることと生きがいの発見」と題し、アイデンティティの発達の様相について基礎的な講義を行うとともに欧米の老年期の市民の生きがいについての記事を紹介し、文化的な際について考察を行う。
  • 件名
    日本ジェントルティーチング研究会ワークショップ講師
    年月日(From)
    2008/03
    概要
    日本ジェントルティーティング研究会の講師として「絵本の共有をとおした親子のコミュニケーション」と題した招待講演を行う。
  • 件名
    教員免許状更新講習講師
    年月日(From)
    2008/07
    概要
    一般教員対象の心理学の授業として、「自尊感情をとらえる:発達と教育の視点から」という表題で授業を行った。受講生に、自尊感情とは何かについて再考するきっかけを提供するとともに、教育の場面で、この概念をどのように活用できるかについて考えてもらった。
  • 件名
    平成20年度文部科学省「社会学びなおしニーズ対応教育推進委託事業」、夏季講座講師
    年月日(From)
    2008/08
    概要
    「コミュニケーションと教育」と題し、コミュニケーションとしての言葉の発達から、書き言葉の理解の発達に至るまでを具体的に説明するとともに、ブックスタート研究のデータを呈示しながら、幼少期のコミュニケーションの重要性について講義を行った。
  • 件名
    日本ジェントルティーチング研究会ワークショップ講師
    年月日(From)
    2009/03
    概要
    日本ジェントルティーティング研究会の講師として「子どもと哲学」と題したベルギーの実践家Goedele De Swaef氏との対談を行った。また,香芝市教育委員会と共同で真美ケ丘東小学校および中学校においてGoedele De Swaef氏を講師として企画された「子どもと哲学」の授業実践にかかわった。
  • 件名
    教員免許状更新講習講師
    年月日(From)
    2009/07
    年月日(To)
    2009/07
    概要
    幼稚園教諭を対象とし、「絵本の共有から記号の共有へ:その発達を考える」と題した講義を行う。コミュニケーション発達の基礎について理解するための講習1コマと話し言葉からリテラシーへの移行とその発達について講義する1コマをとおして、乳児期のコミュニケーションとリテラシーの基礎となる共有の概念の関連性についての理解を深めてもらった。
  • 件名
    文部科学省教育研究補助事業高等専修学校新任教員研修講師
    年月日(From)
    2009/08
    概要
    学生・教員のための実践心理という枠組みの中で、学習という概念を心理学的に説明した。また、教員が学習をどのようにとらえるかで、授業の運びかたや課題の与え方が異なることを、学生の動機付けとの関連から理解できるようにした。
  • 件名
    ポルトガルAveiro大学招待講義
    年月日(From)
    2009/11
    概要
    Aveiro大学 教育科学部の心理学修士コース長Professor Anabela Maria Sousa Pereiraより、院生対象の講義を「Early communication and meeting of minds」と題して行った。
  • 件名
    ベルギー Koninklijk Lyceum 25周年記念 Invitational Conference(招待講演)
    年月日(From)
    2010/03
    概要
    ベルギー国 ゲント市の中等学校における職業訓練コース開設25周年を記念してオランダ,ベルギー,デンマーク,日本,アメリカ合衆国から学識者が招聘され学会が開かれた。招待講演者の一人として参加し,現地の教員や学識者を対象に,初期コミュニケーション発達の介入の1つとして日本のブックスタートについて紹介し,これらの取り組みがどのように初期コミュニケーション発達をうながすかについて講演した。
  • 件名
    ベルギーChildren’s Rights Commissionerおよび ベルギー読書協会(Stichting Lezen)の代表者とブックスタートの取り組みについての情報交換会に招待
    年月日(From)
    2010/03
    概要
    ベルギーのブックスタート(BoekBaby)の取り組みについての概要と関連研究について検討するとともに,日本のブックスタートの取り組みについての詳細について説明を行った。
  • 件名
    日本ジェントルティーチング研究会ワークショップ講師
    年月日(From)
    2010/03
    概要
    日本ジェントルティーチング研究会ワークショップの講師として,本部発表「Early Intervention with Gentle Teaching」において指定討論を行った。毎年講師として、発達心理学の視点から講話を行う。
  • 件名
    教員免許状更新講習講師
    年月日(From)
    2011/08
    年月日(To)
    2012/08
    概要
    一般教員対象の心理学の授業として、「自尊感情をとらえる:発達と教育の視点から」という表題で授業を行った。受講生に、自尊感情とは何かについて再考するきっかけを提供するとともに、教育の場面で、この概念をどのように活用できるかについて考えてもらった。
  • 件名
    神戸大学人間発達環境学研究科高度教員養成セミナー 外部講師
    年月日(From)
    2012/12/20
    年月日(To)
    2012/12/20
    概要
    高度専門職としての教員養成講座の一つとして、発達研究をどのように教育実践と結びつけているかについて、実証研究事例を用いて説明を行う。
  • 件名
    環太平洋乳幼児教育学会(PECERA)日本支部研究会 シンポジウム話題提供
    年月日(From)
    2013/02/23
    年月日(To)
    2013/02/23
    概要
    保育実践と保育研究のつながりー各国の事例から学ぶー においてイギリスの保育改革とそれに関連した実証研究について紹介し話題提供を行った。
  • 件名
    神戸大学人間発達環境学研究科高度教員養成セミナー 外部講師
    年月日(From)
    2013/05/18
    年月日(To)
    2013/05/18
    概要
    高度専門職としての教員養成講座の一つとして、発達研究をどのように教育実践と結びつけているかについて、実証研究事例を用いて説明を行う。

資格・免許

 3
  • 件名
    中学校教諭一級普通免許(数学 昭六二中一普 第197号)
    年月日
    1988/03
    概要
    滋賀県教育委員会
  • 件名
    中学校教諭一級普通免許(理科 昭六二中一普 第196号)
    年月日
    1988/03
    概要
    滋賀県教育委員会
  • 件名
    小学校教諭一級普通免許(昭六二小一普第116号)
    年月日
    1988/03
    概要
    滋賀県教育委員会