竹端 寛
福祉社会学研究 15 49-65 2018年 招待有り
<p> 本稿では,社会福祉の仕組みを批判的に分析することによって,ソーシャル</p><p>ワーカーの理論や実践の発展に役立つ「ソーシャルワーカーの社会学」を提起</p><p>する.ソーシャルワーカーは自らの権力性を用いて,対象者を支援も支配もで</p><p>きる裁量を持つ存在である.地域変革を実現したソーシャルワーカーは,個人</p><p>の問題の背後にある構造変動やその力学を見抜くという「社会学的想像力」を</p><p>活かして,自らの実践を変容させてきた批判的実践者でもある.福祉社会学や</p><p>社会福祉学の研究者は,批判的実践やその実践者を支える実践的批判者である</p><p>ことが求められている。これらの整理を通じて,「ソーシャルワーカーの社会学」</p><p>の可能性を提起した.</p>