菊川 楓月, 大藪 崇司, 田邉 晋治, 藤原 道郎, 山本 聡
日本緑化工学会誌 47(1) 219-222 2021年8月31日
根上がりなど都市に起こる樹木の生育不良の問題を解消する手段として,ポーラスコンクリート製の植栽枡の利用が考えられる。その植栽枡での樹木成長と土壌環境の変化を定植1年目のアオダモの材積量,土壌pH値・EC値,土壌水分量の計測から評価した。その結果,アオダモの材積量は全て増加した。しかし固相の割合が高く有効水分量が少ない枡は,他の枡に比べ上昇率が悪かった。植栽枡内土壌のpH値は,ポーラスコンクリートや周囲の舗装下の路盤から流入した水や土壌中に混入したコンクリートガラの影響を受け当初高いアルカリ性を示していたが,3か月後にはpH8.0・EC0.4 mS/cmに収束した。高いアルカリ,高いEC値の収束には灌水が有効であると推測される。