研究者業績

小澤 京子

オザワ キヨウコ  (Kyoko OZAWA)

基本情報

所属
和洋女子大学 人文学部 日本文学文化学科 文化芸術専攻 教授
学位
博士(学術)(2014年9月 東京大学)

連絡先
k-ozawawayo.ac.jp
研究者番号
40613881
J-GLOBAL ID
200901006829544713
researchmap会員ID
6000013126

外部リンク

論文

 46
  • 小澤京子
    ユリイカ 820(56-6) 155-164 2024年5月1日  招待有り筆頭著者
  • 小澤京子
    武蔵大学人文学会雑誌 55(2) 303-319 2024年3月1日  招待有り筆頭著者
  • 小澤京子
    講談社「攻殻機動隊」グローバルサイト内「攻殻機動隊 M.M.A. - Messed Mesh Ambitions」 2024年2月7日  招待有り筆頭著者
  • 小澤京子
    Fashion Talks…(京都服飾文化研究財団研究誌) (15) 6-13 2023年11月30日  招待有り筆頭著者
  • 小澤京子
    現代思想(10月臨時増刊号) 51(13) 51-59 2023年10月2日  招待有り筆頭著者
  • 小澤京子
    和洋女子大学紀要 (64) 13-27 2023年3月28日  査読有り筆頭著者
  • 小澤京子
    ユリイカ 55-3(800) 170-176 2023年2月1日  招待有り筆頭著者
  • 小澤京子
    ユリイカ 54-12(795) 103-113 2022年9月27日  招待有り筆頭著者
  • 小澤京子
    poison rouge 4:現代社会における〈毒〉の重要性 2021(吉岡洋編、京都大学こころの未来研究センター発行) 4 93-111 2022年3月  招待有り筆頭著者
  • 小澤京子
    ユリイカ 53-8(776) 194-207 2021年7月  招待有り筆頭著者
  • 小澤京子
    poison rouge 3:現代社会における〈毒〉の重要性 2020(吉岡洋編、京都大学こころの未来研究センター発行) 3 93-112 2021年3月  招待有り筆頭著者
  • 小澤京子
    和洋女子大学紀要 62 13-24 2021年3月  査読有り筆頭著者
    フランス啓蒙主義時代の哲学者ドゥニ・ディドロは、その絵画批評のなかでたびたび、「絵画のなかに入り込み、歩き回る、あるいは旅をするという体裁で描写する」ことを行なっている。それは、読者の想 像力と趣味(goût)を通して、情景を再構成せしめるための修辞法であった。本論文では、ディドロによ る「サロン評」のうち、とりわけ風景画の記述における「絵の中に入り込」み、「絵の中を歩く」描写に着目し、分析と考察を行う。これを、18世紀のテクストと絵画経験における「散歩」や「歩行」というテーマ系の中に位置づけることが、ここでの目的である。 まず、ディドロ「サロン評」の風景画記述の総体を踏まえて、特徴的と思われる部分を抽出する。次に、 「歩行」をめぐる同時代の特徴的なテクストとの比較を行う。エクフラシス(視覚芸術の言葉による描写) という修辞学的伝統をはみ出して、「テクスト内空間の想像的な歩行」を行うディドロの絵画批評がその特徴的な一例をなすような、18世紀の思想的基盤を明らかにするのが、本論文の目的にして意義である。
  • 小澤京子
    ユリイカ(特集:ぬいぐるみの世界) 53-1(769) 231-237 2021年1月  招待有り筆頭著者
  • 小澤京子
    ユリイカ(特集:女オタクの現在――推しとわたし) 52-11(763) 336-342 2020年8月  招待有り
  • 小澤京子
    ユリイカ(特集:地図の世界) 52-7(759) 183-195 2020年6月  招待有り筆頭著者
  • 小澤京子
    poison rouge 2:現代社会における〈毒〉の重要性 2019(吉岡洋編、京都大学こころの未来研究センター発行) 2 77-95 2020年3月  招待有り筆頭著者
  • 小澤京子
    和洋女子大学紀要 (61) 35-48 2020年3月  査読有り筆頭著者
  • 小澤京子
    明治大学文芸研究 (141) 87-100 2020年3月  招待有り筆頭著者
  • 小澤京子
    立教大学フランス文学 (49) 99-129 2020年3月  招待有り筆頭著者
  • 小澤 京子
    現代思想(総特集=磯崎新) 48(3) 178-191 2020年2月  招待有り
  • 小澤京子
    poison rouge:現代社会における〈毒〉の重要性 2018(吉岡洋編、京都大学こころの未来研究センター発行) 1 66-81 2019年3月  招待有り筆頭著者
  • 小澤京子
    和洋女子大学紀要 58 37-48 2018年3月  査読有り
  • 小澤京子
    「ファッション史の愉しみ」読本 32-42 2016年2月  招待有り
    展覧会「ファッション史の愉しみ」(世田谷美術館、2016年2月13日-4月10日)に関連して刊行された小冊子への寄稿。
  • 小澤京子
    現代思想(特集:人工知能――ポスト・シンギュラリティ) 43(18) 198-209 2015年12月  招待有り
  • 小澤京子
    ユリイカ(総特集:金子國義の世界) 47-9(663) 170-176 2015年6月  招待有り
  • 小澤京子
    ユリイカ(特集:ゴダール2015) 47-1(655) 217-224 2015年1月  招待有り
  • 著者:リピット水田堯, 訳者, 小澤京子
    思想 (1088) 279-311 2014年12月  招待有り
  • 小澤京子
    ユリイカ(特集:サド――没後200年・欲望の革命史) 46-12(650) 141-154 2014年8月  招待有り
    リベルタン文学で名高い文筆家マルキ・ド・サドに顕著でありつつ、これまでほとんど論じられてこなかったその「建築志向・嗜好」を、サド自身による建築計画・改善案、彼のテクストにおける仔細な建築物描写の特徴、またそのナラティヴが持つ空間性の三つの次元に分類し論じた。牢獄・城塞・地下牢・病院といった空間の持つユートピア的隔離性、空間継起がもつモンタージュ性と死への通過儀礼としての性質、さらに放蕩の場が特異な劇場空間としての性質を有することを明らかにした。
  • 小澤京子
    ユリイカ(臨時増刊号 特集:イケメン・スタディーズ) 46-10(648) 199-207 2014年7月  招待有り
    男性ジェンダーの容貌・外観の美的規範がいかに構築され、ずらされ、さらにずらされたものが典型化・形骸化・陳腐化されていくのかを、「見る/見られる」、「欲望する/される」という主客構造とジェンダーとの連関の変容も踏まえつつ、昨今の「イケメン」とそれ以前の「美しい男」概念とを対比する形で論じた。
  • 小澤京子
    ユリイカ(特集:ウェス・アンダーソン) 46-7(645) 167-176 2014年5月  招待有り
    「ファッション・コンシャス」な映画監督ウェス・アンダーソンの映画作品における服飾の機能を、ヴィスコンティやグリーナウェイら旧世代と比較しつつ、キャラクターへの記号性の付与や人間関係の示唆、背景となる空間との調和・反発関係、徹底した軽さとコミカルさという観点から分析した。
  • 小澤京子
    埼玉大学紀要 教養学部 49(1) 21-36 2013年10月  
    フランス革命期の建築家ルドゥの著作『芸術・慣習・法制の下に考察された建築』(1804年刊)において、イメージとテクストの連続体により擬似的な空間性が生じていること、一人称の旅行者を主体とする語りにより、運動性や身体感覚、臨場感が喚起されることを示した。そして同時代の書物と比較しつつ、この書物の特性は「語り」が時間性と同時に空間性をも持つ点、図面と文章の配置が書物を「建築の博物館」たらしめていた点にあることを明らかにした。
  • 小澤京子
    ユリイカ(特集:中原淳一と少女イラストレーション) 45-16(637) 75-85 2013年10月  招待有り
    第二次大戦前から1960年代に掛け少女向け雑誌を中心に活躍したファッション・デザイナー中原淳一が、「少女」という趣味の共同体においていかなる位置を占めたか、彼がとりわけ服飾において体現した「子供でも大人でもない特権的存在としての少女らしさ」が、今日まで続く日本特有の少女文化の特性に、いかに数々の基盤を提供したかを論証した。
  • 小澤京子
    ユリイカ(特集:クリストファー・ノーラン) 44-9(614) 212-219 2012年8月  招待有り
    映画監督クリストファー・ノーランによる映画作品に固有の性質を、時間的・空間的メタ構造と自己言及性という観点から分析したもの。
  • 小澤京子
    魔術/美術——幻視の技術と内なる異界(同名の展覧会カタログ) 55-57 2012年4月  招待有り
    版画家谷中安規の都市表象における「幻想性」(異界の出現)を、同時代の絵画作品や文学作品(特に内田百閒)と比較しつつ、当時の東京の都市構造や、新しいテクノロジーがもたらした知覚・認識の変化と照らし合わせて分析した。<br /> <br /> 2012年4月13日-6月24日に愛知県美術館で開催された展覧会「魔術/美術——幻視の技術と内なる異界」(http://www-art.aac.pref.aichi.jp/exhibition/history/2012_01.html)に際して刊行された展覧会カタログへの寄稿
  • 小澤京子
    fashionista (1) 197-203 2012年3月  招待有り
    東京コレクションで評価の高い日本のファッション・ブランドである「シアタープロダクツ」に関する批評。このブランドの特性である「服を取り巻く生産の過程を、スペクタクルとして提示する」、「過去のモチーフや、一種の紋切り型を引用としてデザインの中に取り込む」といった性質を、芸術や舞台表現についての批評体系と比較しつつ分析した。
  • 小澤京子
    表象 (5) 263-289 2011年3月  査読有り
    フランス18世紀の建築家ルドゥの作品(建築計画図面、建築物、建築思想)を、同時代の観相学や自然史の分類概念との関連性・通底性においてとらえ、この時代の重要語である「カラクテール(性格・特徴・文字といった含意をもつ)」や「モンストル(キメラ的畸形・怪物)」、また彼の建築構想における「性的身体の解放と管理」の契機という、三つの鍵概念を導き出した上で、彼の作品と思想が内包する撞着構造を明らかにした。
  • 小澤京子
    超域文化科学紀要 (14) 105-122 2009年11月  査読有り
    建築家・版画家ピラネージの古代ローマ表象を「イメージによる考古学」と規定し、その特質をコラージュ/モンタージュ性とキマイラ(異種混淆)性に求め、これが「起源」としての「古典古代」イメージが内包していた多重性・不純性を反映していることを明らかにした。
  • 小澤京子
    思想 (1026) 50-80 2009年9月  招待有り
    フランスの建築家ルドゥー(1736-1806)が晩年(1804年)に刊行した建築書『芸術・慣習・法制との関連の下に考察された建築』が「語る」もの、すなわちナラティヴの特性、イメージとテクストの関連性、反復的に登場する幾何学的図形というテーマの象徴性、そして建築意匠の「図像としての文字記号」という性質を明らかにした。
  • 小澤京子
    表象文化論研究(東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学表象文化論コース) (6) 36-60 2008年3月  査読有り
    日本での本格的な西洋美術史研究の祖である矢代幸雄の業績を、三つのフェイズに分け、ボッティチェッリ論に現れ出た眼差しのあり方(「部分図」の使用)と絵画的細部による東西美術史の接合という特異性、また戦中の植民地構想および戦後の「文化国家論」に見られる政治性を論じた。
  • 小澤京子
    UTCP研究論集 (9) 42-58 2007年3月  査読有り
    従来は版画家・建築家として論じられることの多かったピラネージを、古代ローマの都市・建築イメージを断片や痕跡から再構築しようとした「考古学者」として捉え、彼特有の「異時間混淆的」な作画法を分析した。
  • 小澤京子
    SITE ZERO/ZERO SITE (創刊0) 278-316 2006年8月  招待有り
    明治中期に神話的古代、歴史的古代としての天平時代、そして西洋の古典古代のイメージが混淆したキマイラ的な古代表象が、絵画、美術史・建築史記述、広告などの大衆的図像表現、国土論、日本人の民族的起源についての言説、政治小説など広範囲に渡って現れたことに着目し、日本に西洋を重ね焼きする「古代」像の想像が、近代国家の正統性を担保するために要請されたものであることを、豊富な事例とともに実証した。
  • 小澤京子
    超域文化科学紀要 (10) 161-179 2005年9月  査読有り
    修士論文の一部を加筆修正したもの。
  • 小澤京子
    10+1 (40) 218-232 2005年9月  招待有り
    ピラネージら「幻視の建築家」たちに通底する「表層とその侵犯」というテマティックから、彼らの廃墟イメージを分析したもの。考古学者であった廃墟画家たちの分析的な眼差し、廃墟の荒れた表面に美的価値を見出す風潮、「切断面」を強調する当時の画風と、皮膚を剥がし隠された内奥を覗こうとする解剖学的な視線(18世紀固有の認識を体現)とが通底することを明らかにした。
  • 小澤京子
    第55回美学会全国大会若手研究者フォーラム論文集 89-99 2005年5月  
    修士論文の一部を加筆修正したもの。18世紀イタリアの画家カナレットの「ヴェドゥータ(都市景観画)」が複数の視点から眺めた実景を「コラージュ」したものであること、またカプリッチョと呼ばれる想像上の都市景観画も、異なる場所に点在する実在の建築物のコラージュから成立していることを、複数の作品から分析し、画家自身のヴェネツィア観との通底性を論じた。
  • 小澤京子
    Resonances 東京大学大学院総合文化研究科フランス語系学生論文集 (3) 2005年3月  査読有り
    フランス19世紀の文学者ゴーティエの随筆『スペイン紀行』に体現されている視覚の特徴を、当時の視覚装置(銀板写真、オペラグラスなど)が可能にした認識との関連において、また「表層への眼差し」という観点から分析した。

MISC

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  • 小澤京子
    同時代 4(10) 97-104 2024年10月25日  招待有り筆頭著者
  • 小澤京子
    和洋女子大学紀要 65 211-223 2024年3月1日  筆頭著者
    フランス18世紀の哲学者ドゥニ・ディドロは、啓蒙主義の思想家として、『百科全書』の編纂者として知られているが、また美術論や演劇論も執筆し、さらに当時の王立絵画彫刻アカデミーによる展覧会「サロン」の批評も手がけた。これは、近代的な芸術批評の嚆矢であり、また市民階級に属する鑑賞者が芸術へと向けた新しい視点を示すものである。しかし、彼の「サロン評」には、いまだ体系的な邦訳が存在していない。本稿では、1759年から81年まで9回にわたり『文芸通信(Correspondance littéraire, philosophique et critique)』に掲載された「サロン評」のうち、1769年のサロンについての部分(絵画全般についての前文、およびブーシェ、シャルダン、モーリス・カンタン・ド・ラ・トゥール、ヴェルネについて言及した箇所)の訳出を試みる。 翻訳の底本としてはミシェル・ドロンによる抄録版(Diderot, Salons, textes choisis, présentés, établis et annotés par Michel Delon, Paris, Gallimard, 2008)に立脚し、適宜Hermann版(Diderot, Héros et martyrs (Salons de 1769, 1771, 1775, 1781 ; Pensées détachées sur la peinture), textes établis et présentés par Else Marie Bukdahl, Michel Delon, Didier Kahn, Annette Lorenceau et Gita May, Paris, Hermann, 1995)を参照した。
  • 小澤京子, 佐藤淳一, 間淵洋子, 吉井美弥子, 松崎夏実, 吉山さやか, 小堀洋平, 梅山聡, 小野真嗣
    和洋女子大学紀要 65 317-334 2024年3月1日  筆頭著者
    本教育振興プログラムは、日本文学文化学科の核である「文学、芸術、文化」を軸に、学生たちが表現や創作を通じて地域社会に参画し、協働・連携関係を築くための教育スキームの開発と実施を目的としていた。さらに、地域社会の発展と課題の発見・解決に資する企画立案とその実践を、学生主導で遂行することを通して、従来、日本文学文化学科の各専攻・各教員がこれまで個別に実施してきた活動を、統一的な理念と目的に基づいた総合的な制度に整備するためのものでもあった。 本稿では、本教育振興プログラムの目的と概要及びプログラムの着想に至った経緯や予測される効果を述べた上で、実際に実施された各プロジェクトの概要と成果を主担当者が報告し、さらに本教育振興プログラム全体の成果と課題について論じた。
  • 小澤京子
    同時代 (4(8)) 87-94 2023年10月  筆頭著者
  • 小澤京子
    ねむらない樹 (9) 124-126 2022年8月20日  招待有り筆頭著者

書籍等出版物

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  • 福島知己編 (担当:分担執筆, 範囲:「フーリエの理想建築構想とその変貌」105-136ページ)
    水声社 2024年7月30日 (ISBN: 9784801008175)
    奇抜な理論とユートピア的な実践でもって、一部の熱心な弟子たちをのぞいては同時代人に理解されず、後年、空想的社会主義者として学説史の端に置かれたシャルル・フーリエの思想は、20世紀後半になってその全容を現し始めた。壮大な歴史観のもとに、種々の造語,奇想天外なエピソードを交えて、理想の共同体の建設を唱える彼の著述は、労働、産業、経済、婚姻、家族、道徳をめぐって、現代社会を根底から覆すアイディアの宝庫であった。 フーリエの著作群に通底する思考の力学を浮き彫りにし、その秘められた可能性を浮上させる14の読解。
  • 蘆田裕史, 藤嶋陽子, 宮脇千絵編 (担当:分担執筆, 範囲:「第1部 理論編 7. 身体」94-106ページ)
    フィルムアート社 2022年3月 (ISBN: 9784845921096)
  • 渋谷哲也 (担当:分担執筆, 範囲:ストローブ=ユイレ、量塊的映画(69-94ページ))
    森話社 2018年1月 (ISBN: 9784864051255)
    「文学・音楽・演劇・美術・歴史・思想・政治など、広範なモチーフを作品に取り入れながら、なお「映画」でしかありえない特異な演出法において極北の存在である映画作家ジャン=マリー・ストローブとダニエル・ユイレ。多言語を駆使し、説明性を排除した難解さゆえ、ときに観客を尻込みさせる彼らの作品を、その背景や原作との関係から多角的に読み解く」。(出版社サイトより) 小澤担当部分では、ストローブ=ユイレの映像における「場所」や「空間描写(テクストから映像への翻訳に際して、その何が変容するのか)」の特異性を論じた。 http://www.shinwasha.com/125-5.html https://www.amazon.co.jp/dp/4864051259/
  • 小澤京子
    法政大学出版局 2017年7月 (ISBN: 9784588786099)
    ルドゥの建築と都市をめぐる構想は、「文字」と「言語」、「語り」についての方法論の模索でもあった。幻視的や奇矯といった形容とともに《呪われた建築家》とされてきた従来の像を刷新し、その特異性の本質を明らかにする。建築の起源としての幾何学性志向、都市構想と性愛、性的建築と身体管理、書物の構造が出来させる仮構的な都市空間──。新たな言語創造者による「都市の書法」の追究とともに、時代の認識と欲望のあり方を炙り出す。
  • 神奈川大学人文学研究所編, 熊谷謙介編著 (担当:分担執筆, 範囲:「瞬間と持続、暴力と審美化の間で:リスボン大震災からフランス革命にいたる時期の廃墟イメージ」80-111ページ)
    青弓社 2017年3月 (ISBN: 9784787234124)

講演・口頭発表等

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  • 小澤京子
    KOSS公開イベント「人形と〈少女〉のあわいで:身体、性、言葉」 2024年10月20日  招待有り
  • 大久保美紀, 加藤有希子, 小澤京子, 吉岡洋
    IAMAS OPEN HOUSE 2024年7月21日 情報科学芸術大学院大学(IAMAS)  招待有り
    「ファルマコン:現代社会における〈毒〉の重要性研究」は、2018年より4年間実施された吉岡洋・加藤有希子・小澤京子・大久保美紀による連携研究を引き継ぎ、本研究を発展・展開を目指す。記録誌『ポワゾン・ルージュ』の続編(第5号)に向け、2年半ぶりのアップデート・シンポジウムを開催する。
  • 福島知己, 小澤京子, 藤田尚志, 逆卷しとね
    『シャルル・フーリエの新世界』(水声社、2024年)刊行記念トーク「フーリエを笑いものにするとき、われわれは何を犠牲にしているのか?」 2024年7月15日 本のあるところajiro  招待有り
    猫と花を愛し、狭いアパートで生涯を孤独に過ごした独居老人。海水がレモネードに変わり、五つの月によって夜の闇が照らされ、敏捷かつしなやかに動いて生活の利便を増進させる第五の肢が臀部に生えてくると予言した超絶奇人。教えを乞う弟子たちに決して心を許さず、自分の計画を実現してくれる篤志家をただひたすらに待ちながら無為に生涯を終えた頑迷固陋の人。ありあまる才気をもちながら、現実的な改革手段を何ひとつ提案できなかった空想的社会主義者。——シャルル・フーリエのイメージには、われわれが「世間並み」に生きようとすれば隠し通したい悪評が詰め込まれている。けれどもそれは、悪評であることだけが共通している、否定的イメージでしかない。結局フーリエとは誰なのだろうか。フーリエの統一的イメージは、どうすれば形成できるだろうか。逆に考えてみよう。なぜフーリエはバルザックやボードレールに賞賛され、シュルレアリストから先駆者と崇められ、クロソウスキーによって資本主義を乗り越える方途と目されたのか。彼の思想は、どのようにわれわれの想像力を刺激し、人間と社会についてのわれわれの理解を深化させるのだろうか。近刊『シャルル・フーリエの新世界』の執筆者二人が、フーリエを縦横無尽に論じる。
  • 小澤京子
    VerbFes #2 2024年7月14日 逆巻しとね  招待有り
    VerbFes manifesto ------------------------------- 学術界のPDCAサイクルは名詞を回す。学者の固有名、著作名、論文、概念、ネイティヴ・インフォーマントの仮名、仮説、物質、実験器具、環境要因、種、薬剤、数式……。入門書で紹介されている専門用語に一般動詞が含まれることは稀だ。知の主役の座にはいつも名詞が座っているから、名詞をたくさん記憶しているのが知識人、という通念は世人の松果体まで侵食している。知を獲得し蓄積するためには名詞を知らなければならない。だがそもそも知(knowledge)とは名詞の蓄積なのだろうか? フェミニズムSTSの論者ダナ・ハラウェイは、知を実践として語る。いくら研究者が奮戦しようが、観察系のなかで当のチンパンジーが行為をしなければチンパンジーの知は生まれないし、文字の羅列に読み手が意味を認めなければ解釈のしようがない。さまざまなアクションが入り乱れるなかで知は創発する。既知の知も状況に応じて、以前とは質の異なる知へと刻々と生成する。物識りや博覧強記に抱く世間のイメージに反して、知は誰にも所有できない。角が立つのを恐れず断言するなら、知は働く。 働く知が呼び寄せる出来事について思考を巡らせた先人は多い。たとえば、生成の思想家ジル・ドゥルーズは『意味の論理学』のなかで、動詞を元手に主部をつくる不定詞や動名詞に出来事を表出させる力を認めている。坂部恵は動詞「あう」が名詞化することによってできた言葉「あわい」に注目し、それが(主語の論理ではなく)矛盾や背反の存在しない述語の論理を構成すると論じている。宮野真生子の『出逢いのあわい』が、あわいという出逢いの場に生じる偶然性や出来事に肉薄しようと建てられた仮小屋であった点を思い返してもよいだろう。フェミニズムの政治や脱構築の中心概念であり続けてきた、J・L・オースティンの言語行為論とそれに類する行為遂行性の議論もこの列に連なる。所与のコンテクストに主体や客体を乗せるのではなく、アクターによる行為がコンテクストもろとも状況を編み上げていくさまを追うアクター・ネットワーク・セオリー(ANT)の貢献も見逃すことはできない。だがこれらはすべて、名詞に潜む動的なポテンシャルを汲み上げはしても、動詞の名詞化、あるいは動詞の概念化を志向する点において、依然として主体/主語の形而上学に与している。名詞の造語による概念は増殖をやめる気配はなく、動詞への関心はまだ貧しい。 世界には動詞が溢れかえっている。血管を破れば血はどくどくと吹き出し、シナプスはぷすぷすと結合し、がん細胞はがんがん増える。生きていないものさえ動詞に貫かれている。風が吹き、岩は風化し、マイクロプラスチックは分解され、PCは壊れる。動詞がつくる不安定な世界を御そうと、学術の徒は名詞と共に仮小屋を建てる。そして仮小屋に安住し、そのそばで営まれている、残酷でどこまでも開かれた動詞の世界に参加することを忘れる。学術論文に敷き詰められた文の末尾に座る「である」「だ」「なのである」は、「主語の論理」に仕え、働く知や出来事には頓着しない。学術の対象、あるいは学術実践自体に宿る、「主語の論理」では記述できない動詞の働きに対する、研究者の感度は鈍い。 何ごとにも例外はある。京都大学学術出版会から刊行されている「生態人類学は挑む」シリーズ(https://www.kyoto-up.or.jp/series.php?id=154)の論集「SESSION」は、動詞を問いとして掲げる先駆的な仕事かもしれない。各論の記述はさておき、「動く・集まる」、「わける・ためる」、「病む・癒す」、「関わる・認める」、「たえる・きざす」、「つくる・つかう」と並ぶ動詞群は「主語の論理」の末端へと分け入る手がかりを与えてくれる。 名詞の大樹の陰に寄り世界を把握しようとする知識人をきどるのはやめ、働く知が逆巻く動詞の渦の中に飛びこみ世界の制作に与する、VerbFeSをここに開催する。 逆卷しとね(学術運動家/野良研究者) 今回の登壇者: 木田 真理子 (コンテンポラリーダンス) 古怒田 望人/いりや (哲学) 小澤 京子 (表象文化) 福田 貴成 (聴覚文化) かふね (俳優・モデル・Ziner) なす (不気味の谷) 風味や (💩鑑定家) 神谷徹石 (哲学・倫理学) 室賀千草 (通訳)
  • サトウアヤコ, 三村尚央, 小澤京子(企画・司会)
    表象文化論学会第18回大会(関西学院大学) 2024年7月7日
    記憶と忘却と想起、記憶の共有可能性、場所と記憶といったテーマについては、メモリー・スタディーズの領野で、すでに一定の言説が蓄積されてきた。本ワークショップパネルは、アーティストのサトウアヤコが開発した方法「日常記憶地図」の共同的な実践──実際に手を動かし、自身の記憶を想起し、会場に居合わせた人々で語りあうという経験とその共有──を通して、上掲のテーマ系に新たな視点からの思考をもたらすことを目的としている。 まず、サトウのファシリテーションにより、参加者全員で「日常記憶地図」のワーク(*)を実践する。過去に住んでいた場所の地図を用意し、よく行った場所や日常通った道を赤ペンでなぞり、思い出したことを語り合う。次に、「記憶」をキーワードに文学研究を行う立場から、三村尚央が解説と考察を行う。最後に、参加者全員でディスカッションを実施する。 「日常記憶地図」では、地図が記憶のリリーサーとなり、“弱い記憶”が半ば無意志的に想起される。そこでは、物語のナラティヴを構成する以前の──この点で「証言」ともオーラル・ヒストリーとも少し異なる──場所についての記述が、個人的で断片的な語りとしてやり取りされる。ワークショップ形式により、このプロセスを参加者各々が実際に体験することを通して、“誰か”の記憶について論ずるのでも、記憶にまつわる既存の言説の再解釈でもないやり方で、個別具体的な記憶と場所の結びつきにアプローチしてみたい。

担当経験のある科目(授業)

 21

所属学協会

 4

Works(作品等)

 1

主要な共同研究・競争的資金等の研究課題

 8

社会貢献活動

 9