小林 佑衣, 中島 ともみ
愛知作業療法 30 55-59 2022年3月
先行研究では,脳血管疾患患者の清拭動作獲得の難易度は高いとの報告がある.今回,回復期リハビリテーション病棟に入院した脳出血重度右片麻痺患者に対して,作業療法士による機能訓練に加えて,家族に同意をいただいた上で家族参加型の自主訓練を導入した.その結果,退院時の洗体動作が監視に至った症例を経験した.セラピストが運動学,生理学的エビデンスを踏まえた機能訓練を積極的に進め,さらには患者教育,家族教育と職種間連携により十分な自主トレーニングが確保できたことが機能回復につながり,退院時の洗体動作の改善につながったのではないかと考える.(著者抄録)