牧野 高紘, 柳川 善光, 小林 大輔, 福田 盛介, 廣瀬 和之, 池田 博一, 齋藤 宏文, 小野田 忍, 平尾 敏雄, 大島 武, 高橋 大輔, 石井 茂, 草野 将樹, 池淵 博, 黒田 能克
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス 108(100) 67-72 2008年6月19日
放射線によって論理LSI内に誘起されるスパイクノイズがソフトエラー源として顕在化してきている.論理LSIはチップ内部に多数のフリップフロップ(FF)やラッチ回路を保持しており,その記憶データが反転するとソフトエラーが起きる.論理LSIでは,放射線がFFやラッチ回路に当たってソフトエラーが起きるだけでなく,組み合わせ論理回路に当たって発生するスパイクノイズによってもソフトエラーが起きる.発生するスパイクノイズの長さが長くなるとソフトエラーの発生率が増加してしまう.そのため,スパイクノイズの放射線入射空LET依存性を測定した.また,放射線がFFやラッチ回路に当たって発生するソフトエラーだけでなく,組み合わせ論理回路に当たって発生するソフトエラー両方の影響をそれぞれ評価する必要がある.さらに各FFでどれだけデータが反転,すなわちソフトエラーが起きたか知る必要がある.これらの要求を満たす新しいLSIテスト技術を開発し,その妥当性を実証した.