古家 聡
異文化コミュニケーション学会2006年度年次大会 2006年7月
本発表は、他者との「平等性(同質性)」を重視する場合を「水平的」とし、「不平等性(異質性)」を認める場合を「垂直的」として、個人主義と集団主義をさらに分割して考えているTriandis(1995)の公開されている質問の一部を援用して、日本・アメリカ・中国・韓国の大学生を対象にアンケート調査を行ない、その結果を実証的に分析した古家(2006)の研究結果にもとづくものである。現代の大学生は、自己と他者をどのように捉えているのか、家族や集団の仲間とはどのような関係性を持っているのか、こうした大学生の規範意識や生活意識、さらには彼らのコミュニケーション・スタイルとも関連する価値観の分析によって、少なくとも大学生に関しては、これまで言われてきたような「日本人は集団主義的で、アメリカ人は個人主義的である」という通説は当てはまらないということを論じた。