大月 恵理子, 林 佳子, 坂上 明子, 平石 皆子, 林 ひろみ, 高島 えり子, 森田 亜希子, 松原 まなみ
母性衛生 63(1) 138-145 2022年4月
母体・胎児集中治療室(MFICU)に勤務する看護職者に必要な能力を獲得するための学習項目案の妥当性を明らかにすること目的に、デルファイ法により調査した。研究者間で検討・作成した学習項目案に対する合意の程度について、全国の総合周産期母子医療センターのMFICU管理者を対象に、2回の質問紙調査を行った。数値での回答は記述統計で、自由記述部分は内容分析を行った。なお、合意は『絶対必要』『望ましい』『できれば必要』『不要』の4段階で確認し、合意率は『できれば必要』までの累積で95%とした。回収数は、第1回目31部(回収率29.8%)であり、第2回目40部(回収率38.5%)であった。1回目の調査で合意率の低かった項目を見直し、2回目の調査ではほとんどの項目で合意を得た。合意の得られた学習項目案は、大項目《ハイリスク妊娠の看護》<産科救急》《ハイリスク妊娠分娩後の看護》《MFICUにおける倫理調整》<NICUとの連携》《多職種連携》《コミュニケーション能力》《ストレスマネジメント》の8、小項目51であった。作成した学習項目案はおおむね妥当であり、今後のMFICUでの研修企画の一助となると考える。(著者抄録)