飯田 和也, 西澤 達治, 吉本 充宏, 福之上 嘉刀
理科教育学研究 66(3) 531-544 2026年3月31日 査読有り筆頭著者責任著者
本研究では,高等学校地学基礎において,以下の2点の目的を設定した。1点目は,富士山における地層3DCG(3 Dimensional Computer Graphics/3次元コンピュータグラフィック)教材を開発し,災害的な視点を組み込んだ地層の授業実践を開発することである。2点目は,開発した教材および授業実践が,生徒に与える影響を検討することである。生徒に与える影響を分析する視点として,本研究では以下の3つを設定し,授業実践により検討を行った。1点目の分析の視点は,地層の識別の難易度である。授業実践の結果から,層の色調の複雑さが,難易度に影響を与える可能性が示唆された。2点目の分析の視点は,授業全体に対する生徒の評価である。授業実践に対する生徒の記述に対して計量テキスト分析を行ったところ,3DCG教材の利用と関連した評価が多く見られた。また,岩屑なだれの被害の実感に関するコードも抽出された。3点目の分析の視点は,地層の知識の有用性に対する生徒の認識への影響である。事前調査と事後調査を比較すると,地層の知識の有用性に関して生徒の評価が有意に向上していることが明らかとなった。