研究者業績

古谷 英恵

フルヤ ハナエ  (FURUYA HANAE)

基本情報

所属
武蔵野大学 法学部 法律学科 教授
学位
学士(明治大学)
修士(明治大学大学院)
博士(明治大学大学院)

研究者番号
20453954
J-GLOBAL ID
201701021249915767
researchmap会員ID
B000271467

論文

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  • 古谷英恵
    武蔵野法学 (20) 572-550 2024年3月  最終著者
    近時、台湾の半導体製造会社TSMCが熊本県に工場を設置する等、日台間の国際取引はますます活発に行われている。しかしながら、日本において得られる台湾の司法制度に関する情報は、日台間の国際取引の重要性に比して少ない。さらに、台湾で民事訴訟を掌る最上級審裁判所裁判官の任用・育成とその補佐体制に関する情報は、ほとんど皆無といってよい状態にある。 本稿は、以上のような観点から、民事訴訟における最上級審裁判所であるところの最高法院と同裁判官の任用・育成方法とその補佐体制を明らかにすることを目的として、第一に台湾法の歴史を辿ることにより台湾法と日本法との接点を明らかにし、第二に台湾の司法制度とそこにおける最高法院に位置づけを概説し、第三に最高法院裁判官の任用とその後の育成方法、及び最高法院裁判官の補佐体制を論じることとする。最後に、筆者は女性初の最高法院院長に面会し、司法における女性活躍について懇談する大変貴重な機会に恵まれたため、その際の懇談内容について紹介することとする。
  • 古谷英恵
    不法行為法研究④ 59-91 2023年12月  招待有り最終著者
    近時、メタバースにおいてアバターによる痴漢行為や不同意わいせつ(以下、「同意なき性的行為」という)が発生し、「被害者」となったアバターを操作していた人間が精神的苦痛を被る事例が報告されている。 本稿は、身体的接触を伴う同意なき性的行為を分析対象として、それによって被る精神的損害の具体的内容を分析することにより、アバターに対する同意なき性的行為による被害ユーザーの被侵害利益を明らかにすることを目的とする。 以上のような観点から、本稿では、第一にメタバース及びアバターの定義について論じ、第二に、具体的設例に基づき問題の所在を明らかにする。第三に、被侵害利益への各アプローチについて概観する。そして、最後に、前記各アプローチの批判的検討及び人格権における精神と身体の乖離と接合の検討を通じて、メタバースにおけるアバターに対する同意なき性的行為の被侵害利益とは何かを考察する。
  • 古谷英恵
    法律論叢 95(1) 279-304 2022年7月  査読有り最終著者
    東京地判平成31年2月27日金法2138号100頁の判例研究。【研究内容】完全合意条項は米国契約法に由来するものであり、口頭証拠排除準則を理論的背景として裁判所に当事者意思を尊重することを要請するものである。それに対して、口頭証拠排除準則を持たない日本法において、完全合意条項はどのような機能・効果を有するのかを研究した。【研究成果】日本法においても、完全合意条項は、当事者意思を尊重することを裁判所に要請するために規定されるものの、従来の裁判例の中には、契約書に規定されていない要件を付加して同条項の効果を妨げるものがあった。本判決は、完全合意条項に要件を付加することなく効果を認めた点において、実務上意義があることを明らかとした。また、同条項は、補充的解釈のみならず契約条項に対して両当事者が付与した意味が一致していない場合にも効力を有し、この点において米国法とは異なる効果を有することを明らかとした。
  • 古谷英恵
    不法行為法研究 2 81-110 2021年11月  招待有り最終著者
    今日、様々なメディア媒体が発達したことにより、風評被害(損害)の発生が顕著となっている。そして、風評被害(損害)について、そもそも法学上どのような概念であるのか、純粋経済損失とはどのような関係にあるのか、課題となっている。上記問題については、従来、原子力損害賠償法をめぐって断片的に言及されることが多く、民法の次元で包括的に論じられることは極めて限定的であった。そこで本稿では、第一に風評被害(損害)概念とその発生メカニズムを検討した後、第二に風評被害(損害)と純粋経済損失の異同について論じ、第三に、従来、風評損害の賠償に於いて裁判例が消費者等の心理的要因や損害の波及をどのように捉えてきたのかを考察した。
  • 古谷英恵
    武蔵野法学 (12) 336-286 2020年3月  
    【本稿の目的】民法上の錯誤要件に内在する問題として、伝統的に、①錯誤要件の構成(二元的構成か一元的構成か)、及び「動機錯誤」の判断基準、②「動機錯誤」を顧慮する追加的要件、③「要素」概念の判断基準、が論じられてきた。平成29年民法改正は、上記の問題に対して一定の解決を示したものの、依然として多くの議論を内包している。上記の問題は「いずれの錯誤が救済に値するのか」という判断基準をめぐるものである。他方で英米契約法は大陸法に由来する意思理論をもとに形成されたことから、大陸法における錯誤法理と多くの問題を共有するものである。そして、アメリカ契約法は、その後、独自の視点から「錯誤のリスク負担」要件を確立した。そこで本稿では、アメリカ契約法上の「錯誤のリスク負担」要件の史的展開をたどり、その内在的理解を行い、我が国の錯誤要件との異同を明らかとすることで、上記①~③の問題の解決への示唆を得ることを目的とする。 【研究内容】①我が国の錯誤要件をめぐる議論状況、②アメリカ契約法上の錯誤法理におけるリスク負担、③錯誤主張要件の日米法比較、④日本法への示唆 【研究成果】①アメリカ契約法上の「錯誤のリスク負担」要件は、「本質性」要件に代わるものとして採用されたこと、②「錯誤のリスク負担」要件は、錯誤を意思決定の基礎となる情報の収集・分析の失敗から表意者を救済する制度と捉える見解から分析すると、情報収集の失敗に関する責任負担を判断する要件であること、③日本法においては、動機錯誤の追加的要件、「要素」要件のうち客観的重要性要件、及び無重過失要件において、諸般の事情を総合的に規範的評価しており、その中で情報収集の失敗に関する責任負担を判断していること、④動機錯誤の追加的要件、客観的重要性要件、及び無重過失要件において「錯誤のリスク負担」要件の量的判断基準を参考に判断することで、より明確な評価が可能となりうること、が明らかとなった。

書籍等出版物

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  • 新美, 育文, 浦川, 道太郎, 古谷, 英恵 (担当:編者(編著者))
    成文堂 2023年12月 (ISBN: 9784792327996)
  • 池田, 真朗 (担当:分担執筆, 範囲:気候変動訴訟とESG)
    武蔵野大学出版会 2023年3月 (ISBN: 9784903281599)
    民事上の気候変動訴訟の究極の目的は、企業に対して温室効果ガス排出量削減という行動変容を求めることにある。 本稿は、企業を被告とする民事上の気候変動訴訟が企業へどのような影響を及ぼし、企業に行動変容を求めることができるのかという点を明らかにするため、日本における民事上の気候変動訴訟として2022年12月現在、唯一確定している仙台パワーステーション訴訟を分析対象として、本件が気候変動訴訟という文脈において有する機能について、気候変動訴訟の戦略とESGという二つの視角から分析する。
  • 古谷英恵
    成文堂 2022年3月
    本書は、アメリカ契約法上の「錯誤のリスク負担」要件の史的展開を辿り、どのような問題点を解決するためにアメリカの錯誤法理に「リスク」概念を導入するに至ったのかを明らかとし、何を基準としてだれにどのような「リスク」を負担させるのか、その理論的根拠は何かという点を中心として、その内在的理解を行い、我が国の錯誤要件との異同を明らかにすることで、我が国の動機錯誤要件の判断基準への示唆を得ることを目的としている。
  • 片山, 直也, 北居, 功, 武川, 幸嗣, 北澤, 安紀, 古谷英恵 (担当:分担執筆, 範囲:「表明保証条項違反に基づく補償合意に対する錯誤の適用可能性について」(393-425頁))
    慶應義塾大学出版会 2020年2月 (ISBN: 9784766426571)
    【本稿の目的】アメリカ法に由来する表明保証条項に基づく補償合意につき、日本法上の位置付けを明らかにしたうえで、当該合意に対して錯誤の適用が可能であるか否かを検討する。 【研究内容】①問題の所在、②契約実務における表明保証条項とその違反に基づく補償に関する合意、③アメリカ法における表明保証条項違反に基づく補償の法的構成、④日本法における法的性質論、⑤考察―表明保証条項違反に基づく補償合意と錯誤の関係性、⑤結語 【研究成果】①アメリカ法上、表明保証条項は契約の締結に当たって何が真実であるのか、その対象を合意により特定するために規定するのに対して、補償条項は表明保証条項違反の効果として金銭賠償を定め、その範囲を合意により特定するために規定されている。②日本法上、表明保証条項は損害担保契約と構成され、表明保証条項違反に基づく補償合意はその履行責任を規定するものと構成されることが、日本の契約実務に適う。③裁判例においては、動機錯誤の追加的要件に関する見解の不統一とも相まって、表明保証条項違反と錯誤の関係の理論構成は統一されていない。④表明保証条項違反に基づく補償合意は、動機錯誤の取り扱いに関する合意と位置付け、表明保証事項が真実でなかったばあい、そもそも動機錯誤に当たらないと解することが、契約実務に沿う。
  • 古谷 英恵 (担当:分担執筆, 範囲:43内縁配偶者の扶養利益喪失による損害賠償請求、100示談と後遺症)
    第一法規 2018年1月
    内縁配偶者につき扶養利益喪失を理由として損害賠償請求権を認めた最判平成5年4月6日民集47巻6号4505頁、および示談終了後に明らかとなった後遺症につき損害賠償請求権を認めた最判昭和43年3月15日民集22巻3号587頁の判例評釈。

講演・口頭発表等

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担当経験のある科目(授業)

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  • 2020年9月 - 現在
    日本法  (慶應義塾大学大学院法務研究科グローバル法務専攻)
  • 2018年4月 - 現在
    民法特講(法律行為)  (武蔵野大学大学院法学研究科)
  • 2016年4月 - 現在
    法律学文献講読(英語)  (武蔵野大学法学部)
  • 2007年4月 - 現在
    民法総則  (武蔵野大学法学部, 政治経済学部、現代社会学部)
  • 2016年9月 - 2017年3月
    英米法  (武蔵野大学法学部)
  • 2008年4月 - 2016年3月
    物権  (武蔵野大学政治経済学部)
  • 2008年4月 - 2016年3月
    債権総論  (武蔵野大学政治経済学部)
  • 2007年4月 - 2015年3月
    家族法  (武蔵野大学現代社会学部、政治経済学部)
  • 2007年4月 - 2015年3月
    債権各論  (武蔵野大学現代社会学部、政治経済学部)

所属学協会

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共同研究・競争的資金等の研究課題

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教育内容・方法の工夫

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  • 件名
    民法I〜V ? 前回の講義内容に関する口頭テスト ? 板書と図式を用いた講義
    年月日(From)
    2007/04
    年月日(To)
    2007/04
    概要
    【目的と内容】
    ?について前回の講義内容を前提とした上での講義を行うため、講義時間の最初の10分間を用いて、指名した学生に口頭テストを行う
    ?について学生の理解を促進するため、法制度の意義・要件・効果等を体系的に板書した上で、事例を図式化したものを用いて説明を加える。
  • 件名
    民事訴訟法学生の学習促進のため、 ? 裁判傍聴 ? 模擬裁判 ? 裁判関連の映画鑑賞等
    年月日(From)
    2008/04
    年月日(To)
    2009/03
    概要
    【目的】
    ・法律が日常生活と密接に関係するものであることを理解するため(?)
    ・私法と公法の相異を理解するため(?、?、?)
    ・裁判制度を理解するため(?、?、?)
    ・総則・物権・債権の要件・効果に関する理解を促進するため(?)
    ・立証責任に関する理解を促進するため(?、?、?)
    【実践内容】 平成20年度。交通事故訴訟に関する模擬裁判。映画「訴訟」の観賞と法的観点からの映画解説、およびアメリカ民事訴訟制度とわが国の民事訴訟制度の相違に関する説明。
     平成21年度。最高裁判所見学。製造物責任
  • 件名
    民事訴訟法学生の学習促進のため、? 裁判傍聴? 模擬裁判? 裁判関連の映画鑑賞等
    年月日(From)
    2009/04
    年月日(To)
    2010/03
    概要
    【実践内容】
    ・最高裁判所 見学
    ・製造物責任訴訟に関する模擬裁判
    ・映画「訴訟」の観賞と法的観点からの映画解説、およびアメリカ民事訴訟制度とわが国の民事訴訟制度の相違に関する説明

    【参考文献ほか】
    ? 井上薫『法廷傍聴へ行こう(第四版)』
    (2005年、法学書院)
    ? 小島武司ほか編『民事模擬裁判のすすめ』
    (1998年、有斐閣)
    ? 本谷康人『契約書作成の手引』
    (1980年、日本経済新聞社)
    ? 映画「ヒマラヤ杉に降る雪」、「それでもボクはやっていない」「訴訟」等。

その他(職務上の実績)

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  • 件名
    リサーチ・アシスタント
    年月日(From)
    2005/04/01
    年月日(To)
    2006/03/31
    概要
    【期間】1年間。
    【担当教員】明治大学 村上一博教授(日本法制史)。
    【職務内容】旧民法成立にかかわるフランス語文献の日本語翻訳・電子データ化。
    【成果】
    ?ボワソナード著「日本の旧慣習と新民法典(Les Anciennes Coutumes du Japon et Le Nouveau Code Civil)」の一部翻訳・電子データ化。
    ?栗塚省吾「学位請求論文(パリ大学法学部、1879年)」の一部翻訳・電子データ化。
  • 件名
    専任助手(研究者養成型)
    年月日(From)
    2006/04/01
    年月日(To)
    2007/03/31
    概要
    【期間】1年間
    【職務内容】 ?学部留学生およびスポーツ推薦入学者を対象とするカウンセリング・授業内容に関する質問の受付等の学習支援業務。 ?定期試験の監督業務。
    【担当科目】 ?英書講読、?フランス語講読、?民法(総則、物権、債権、親族、相続)、?英米法(法理学、契約法、不法行為法)。