研究者業績

坂本 薫

サカモト カオル  (Kaoru Sakamoto)

基本情報

所属
兵庫県立大学 環境人間学部 教授
学位
学術博士(神戸大学)
master of home economics(Nara Women's University)

J-GLOBAL ID
200901005049713797
researchmap会員ID
1000135387

研究キーワード

 4

主要な委員歴

 19

主要な論文

 108
  • 坂本 薫, 森井 沙衣子, 加藤 舞子, 山本 絢子, 由井 可奈子, 柴 美佐紀
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 34 126 2023年  
    【目的】グラニュ糖は,スクロース結晶でありその純度は高いにもかかわらず,加熱熔融特性の異なるものが存在する。また,粉砕によってもその加熱熔融特性は変化する。これまで,加熱熔融特性の異なるグラニュ糖や双目糖およびそれらを粉砕したものを用いてカラメルソースやキャンディを調製し,味や色などに差異が認められることを明らかにした。これらの特性はクッキーなどの焼き菓子にも影響を及ぼしていることが推察される。そこで粉糖が使用されることの多いクッキーを調製し,グラニュ糖の粉砕がクッキーの品質にどのような影響を及ぼすかについて実験を行った。 【方法】市販グラニュ糖W(粒度0.50±0.06 mm)を用い,ボールミルにより粉砕糖WP(平均粒度40 µm)を調製した。示差走査熱量分析計(DSC, Thermo plus EVO2, (株)Rigaku)によりそれぞれの砂糖の熔融状況を観察した。これらの砂糖を用いてクッキーを調製し,偏光顕微鏡観察,走査電子顕微鏡観察,色差測定,破断強度測定,官能評価を行った。 【結果】W糖とWP糖ではDSCの吸熱カーブが異なり,加熱熔融特性が異なった。官能評価の結果,WクッキーとWPクッキーは色や外観,苦味,硬さなどで有意差が認められ,色差測定においても感知できる程度に異なることがわかった。これらの差異は,グラニュ糖を単独で焼成してキャンディを調製して行った実験結果とは異なる差異であった。顕微鏡観察では,焼成前のクッキードウにはグラニュ糖の溶け残りが認められたが,焼成後には溶けたグラニュ糖が小麦粉澱粉の粒構造を包み込むように固まっている様子が観察された。これらのことから,クッキーでは,温度の上昇とともに融け残っていた砂糖が砂糖の融点に達する前に少量の水分に溶解したことが推察された。
  • 湯浅 正洋, 竹内 昌平, 山下 絵美, 澤村 弘美, 島田 良子, 坂本 薫, 冨永 美穂子
    日本家政学会誌 73(11) 665-673 2022年  
    本研究では, 岩牡蠣を地域ブランド食品としてPRするための基礎資料を得ることを目的に, 牡蠣生産地の若年者における牡蠣類とその特徴の認知度や, 一般的な牡蠣類とその特徴の認知度について, 質問紙調査により明らかにした. 調査はわが国における主要な牡蠣類の生産地である長崎県, 兵庫県, 宮城県および広島県において, 将来的な岩牡蠣の購買層になり得る学生 (若年者) を対象に実施した. 岩牡蠣の認知度は, 若年回答者の約4割で, その食経験がある者の割合は2割未満であり, 岩牡蠣を知らない, あるいは食べたことがない者が多いことが明らかとなった. また, 真牡蠣と比べると岩牡蠣の旬は正しく認識されておらず, その生産地もほとんど認知されていなかった. 一般に牡蠣類の栄養素等はミネラル, 牡蠣料理はフライと焼きのイメージが強いことが示された. これらの情報は, 岩牡蠣を地域ブランド食品としてPRするための方法を提案する上で, 有用な基礎資料になり得ると考える.
  • 森井 沙衣子, 坂本 薫, 白杉(片岡) 直子
    日本調理科学会誌 52(3) 159-168 2019年6月  査読有り
    <p> 3品種のジャポニカ米(キヌヒカリ,ササニシキ,ハツシモ)を用いて,前報で改良した吸水率算出法により,米の吸水率に与える浸漬温度の影響について検討した。搗精度は,それぞれ93%搗精米(7分つき米)および91%搗精米(精白米)とした。米の浸漬温度は5℃,20℃,40℃とし,浸漬時間は10分から吸水率が平衡になるまでの最長24時間までとした。吸水曲線を比較したところ,3品種のすべての精白米と7分つき米において,平衡状態に達するまでに,5℃,20℃浸漬の吸水曲線が40℃浸漬の吸水曲線を超える現象が観察された。この「逆転現象」は米が粒状であることに起因することがわかった。本研究で用いた系の異なる3品種に起こった吸水率の逆転は従来の通説に反する現象と言える。ジャポニカ米の多くの品種で,この現象が起こる可能性が示唆された。</p>
  • SAKAMOTO Kaoru, KISHIHARA Shiro, KATAOKA‐SHIRASUGI Naoko
    Food Science and Technology Research 24(1) 111‐118-118 2018年1月  査読有り
  • 坂本 薫, 森井 沙衣子, 上田 眞理子
    日本調理科学会誌 48(3) 193-199 2015年  査読有り筆頭著者
    温水浸漬と低温浸漬が米の吸水率に与える影響について,浸漬水中の固形分を考慮して経時的に検討した。5~50&deg;Cの温度で5~240分間米を浸漬し,米の吸水率を測定したところ,温水浸漬と低温浸漬では,吸水曲線が交差する現象が観察され,平衡状態まで吸水させた場合では,温水浸漬よりも低温浸漬の米の吸水率が高かった。浸漬水中の固形分の量を経時的に測定したところ,40&deg;C,50&deg;Cの温水浸漬では固形分は多く浸漬液中に懸濁していた。そこで固形分を加えた補正吸水率を算出したが,吸水曲線が交差する現象が同様に観察され,平衡状態では温水浸漬よりも低温浸漬の米の吸水率が高かった。
  • 坂本 薫, 森井 沙衣子, 作田 はるみ
    精糖技術研究会誌 59 1-5 2013年6月  査読有り筆頭著者
  • 坂本 薫, 森井 沙衣子, 作田 はるみ, 岸原 士郎
    日本味と匂学会誌 = The Japanese journal of taste and smell research 18(3) 413-416 2011年12月1日  

MISC

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  • 中谷梢, 中谷梢, 吉村美紀, 吉村美紀, 坂本薫, 坂本薫
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 2023 2023年  
  • 坂本薫
    日本調理科学会誌 56(2) 2023年  
  • 小野 くに子, 坂本 薫, 郡 俊之, 内田 勇人
    日本食育学会誌 = Journal of Japanese Society of Shokuiku / 日本食育学会 編 17(1) 21-30 2023年1月  査読有り
  • Saeko Morii, Kaoru Sakamoto
    22nd IUNS-International Congress of Nutrition 2022年12月  査読有り最終著者
  • Kaoru Sakamoto, Saeko Morii, Kaoru Kitayama, Yuriko Ishii, Nami Arakaki, Soma Takeda, Yui Sueyoshi, Wakana Tada
    22nd IUNS-International Congress of Nutrition 2022年12月  筆頭著者責任著者
  • 菅 尚子, 額 惠理香, 内田 はるか, 川畑 球一, 坂本 薫
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 33 8 2022年9月  
    【目的】玄米は、食物繊維を多く含むことから、プレバイオティクス作用が期待されている食品の一つである。しかし、玄米の食物繊維の多くは不溶性であり、善玉菌に対する資化性を高めるには、それらを水溶化させる必要がある。そこで本研究では、玄米のプレバイオティクス性を高める調理加工方法を明らかにすることを目的として、加工による機能性成分の変動と食物繊維の一つであるアラビノキシランの水溶化について検討した。 【方法】玄米を原料として、穀物膨張機によりパフ加工したサンプルを二種、また焙煎機により焙煎したサンプルを二種作製した。機能性成分量の評価として、抗酸化性はDPPHラジカル消去活性で評価するとともに、フォーリンチオカルト法により総ポリフェノール含量を測定した。また、フロログルシノール法を用いて総アラビノキシラン及び水溶性アラビノキシランの定量を行った。さらに、糠層ではアラビノキシランがポリフェノールの一種であるフェルラ酸と結合して存在していることから、高速液体クロマトグラフを用いて総フェルラ酸及び遊離フェルラ酸量について測定した。 【結果・考察】未加工の玄米と比較して、パフ加工および焙煎加工したものは抗酸化活性および総ポリフェノール量が増加することを確認した。興味深いことに、水溶性アラビノキシラン量と遊離フェルラ酸量は、焙煎加工したサンプルにおいては減少したが、パフ加工したサンプルにおいては顕著な増加が認められた。高い圧力下でパフ加工したサンプルにおいては、総アラビノキシランと総フェルラ酸がともに減少したが、アラビノキシランを顕著に水溶化したことから、パフ加工はプレバイオティクス効果を高めるのに適した加工方法であることが示唆された。
  • 巴山 澪, 坂本 薫
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 33 26 2022年9月  責任著者
    【目的】酒粕は、タンパク質、食物繊維やビタミンなど豊富な栄養素があると知られている。先行研究で、ACE阻害活性を有するペプチドやS-アデノシルメチオニンなど多くの機能成分を含み、さまざまな生理機能を持つことが明らかになっている。しかしながら、粕漬けや粕汁などの伝統的な食品に従来活用されていた酒粕は、食生活の変化により需要が減少している。本研究では、酒粕を有効利用できる調理方法について検討するために、保存や加熱による成分の変化について検討した。 【方法】試料は、2021年兵庫県産山田錦の酒粕と、それを約1時間踏み込み、常温で約2ヶ月保存した踏み込み粕とした。また、3年保存の踏み込み粕を3年粕として実験に供した。加熱試料については、酒粕を送風定温乾燥機にて焼成し、調製した。保存による色調変化を観察するため、色差を測定した。酒粕と踏み込み粕について、フォ-リンチオカルト法によりポリフェノール量、DPPHラジカル活性消去能にて抗酸化能測定を行った。 【結果・考察】保存によりL*値が低下、b*値が上昇し、3年粕は茶褐色に呈色した。また、ポリフェノールの検出量および抗酸化能の増加が認められ、両者に強い正の相関が見られた(r=0.98)。酒粕の着色は、アミノカルボニル反応によるメラノイジン色素の生成が寄与していると考えられた。抗酸化能を有するメラノイジンの増加に加えて、酒粕の自己消化により、ポリフェノールが配糖体からアグリコンに変化し、抗酸化能の増加に影響したと推察した。さらに焼成後において抗酸化性物質検出量は増加した。これらの結果は、酒粕の成分を活かした調理方法を検討する上で役立つと考えられた。
  • 津村 恵莉, 内藤 柚子香, 坂本 薫, 菅 尚子
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 33 173 2022年9月  
    【目的】昆虫食を普及するためには、嗜好性の向上や高付加価値化に寄与する知見を増やす必要がある。そこで、本研究では、食用コウロギパウダー(以下、CP)をライスクラッカーに添加した際の物性や色と抗酸化性に与える影響ついて検証した。 【方法】CPはTAKEO社のものを使用した。初めに、CPのみを140、160、180℃で30分間加熱し、DPPHラジカル捕捉活性およびSOD様活性を測定することで、CPが有する抗酸化力の熱安定性について評価した。続いて、米粉にCPをそれぞれ0、10、20、30 wt%添加したライスクラッカーを作成した。ライスクラッカーの物性評価として破断荷重を、外観評価として明度(L*)と色度(a*,b*)をそれぞれ測定した。またライスクラッカーの抗酸化力についてもCPと同様にして評価した。 【結果・考察】加熱したCPのDPPHラジカル捕捉活性は、未加熱のものと比較して減少したが、その減少率は大きくなかった。一方で、SOD様活性については加熱により高くなる傾向を示した。また、CPを添加したライスクラッカーにおいては、添加なしのものと比較して破断荷重が低下し、暗く赤みが増すことが確認された。さらに、CPを添加したライスクラッカーでは、DPPHラジカル捕捉活性及びSOD様活性がともに高くなった。
  • 中島 奈々花, 谷澤 容子, 坂本 薫, 秋永 優子
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 33 139 2022年9月  
    【目的】せんべいには、米を主原料としたせんべいと小麦粉を主原料としたせんべいがあり、兵庫県の代表的な小麦粉せんべいには瓦せんべいや炭酸せんべいがある。小麦粉せんべいは湿ったものも好まれることがあり、青森県には汁に入れて食べるせんべい汁がある。筆者らは、「小麦粉せんべいの調理科学的側面からの食文化研究」を全国規模で行っている。今回は、小麦粉せんべいの嗜好に及ぼす食味特性、吸湿との関係について、予備調査的に行った兵庫県内の大学での調査結果を報告する。 【方法】試料として市販の小麦粉せんべい25種類を用いた。水分、糖量、破断強度等の測定を行い、合わせて官能評価、嗜好に関するアンケート調査を行った。官能評価の試料は、瓦せんべい2種類、炭酸せんべい1種類とし、湿度75%(湿)と湿度25%(乾)に保管したものを提供した。調査対象は兵庫県立大学の学生とし、研究倫理委員会の承認を得て行った。 【結果・考察】ピーナッツなどの副材料が入ったものや2枚重ねのものなどを除き、大きく瓦せんべい系と炭酸せんべい系に分類して比較すると、瓦せんべい系の方が硬く、糖、水分が有意に多い結果となった。官能評価では、せんべい(乾)ではせんべい間の好みの差が小さいが、せんべい(湿)では、瓦せんべいの方が炭酸せんべいより好まれる結果となり、アンケート結果とのクロス集計により、食経験が嗜好に影響している可能性が示唆された。以上より、兵庫県内の学生における小麦粉せんべいの嗜好には、破断特性、水分量、糖量などの食味特性や食経験が関連していると考えられ、今後の全国調査の解析における基礎資料とすることができた。
  • 作田 はるみ, 片寄 眞木子, 坂本 薫, 田中 紀子, 富永 しのぶ, 中谷 梢, 原 知子, 本多 佐知子
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 33 199 2022年9月  
    【目的】平成24~25年度に全国規模で行われた「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」聞き書き調査では,兵庫県においても多くの家庭料理があり,県内各地域の個性豊かな食文化の特徴が示された。本研究では,地域の産物を使用した家庭料理が学校給食の献立に取り入れられ伝承されているか、その現状を把握することにより地域の特徴を示す。 【方法】調査地域は,神戸市,明石市,加古川市,小野市,姫路市,宍粟市(千種町),美方郡(香美町),丹波市,淡路市の9地域である。聞き書き調査で得られた家庭料理を中心に、地域の産物を使用した料理が各地域の学校給食の献立に取り入れられているかを調べた。献立は自治体のウェブサイトに掲載されている献立表を確認した。 【結果】2021年度の学校給食の献立に取り入れられていた家庭料理は,神戸市の「すき焼き」,明石市の「いかなごくぎ煮」,「たこのからあげ」,加古川市の「かつめし」, 「はりはり汁」,小野市の「かしわ」の料理,「ちらしずし」,「高野豆腐の含め煮」,姫路市の「姫路おでん」,「ばち汁」,「くきわかめ佃煮」,千種町の「たけのこご飯」,香美町の「ゆでかに」,「ドギ」や「ニギス」の料理,丹波市の「栗ごはん」,「黒豆料理」,淡路市の「ちょぼ汁」,「たこ飯」,「鯛そうめん」などがあった。「姫路おでん」や「かつめし」などは,複数の地域で給食献立に取り入れられ,兵庫県の味として紹介されていた。学校給食実施基準には,給食には地場産物を積極的に使用することや食文化の継承につながるよう,郷土に伝わる料理を取り入れることが示されている。各地域の給食には地場産物が用いられた家庭料理が定期的に取り入れられ,郷土料理として給食だよりなどで紹介されていた。
  • 内田 はるか, 山岡 萌奈, 森井 沙衣子, 坂本 薫
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 33 6 2022年9月  最終著者責任著者
    【目的】大麦には水溶性食物繊維β-グルカンやポリフェノールの1種であるプロアントシアニジンが豊富に含まれており、これらの健康効果に注目が集まっている。近年穀物加工品としてパフ加工を行ったシリアルの人気が高まっていることを踏まえ、申請者らがパフ加工した大麦のポリフェノール量と抗酸化能を調べたところ、ポリフェノール量はパフ加工により有意に多く検出され、ポリフェノール量と抗酸化能に相関関係が認められた。そこで、大麦でんぷんについて示差走査熱量分析(DSC分析)や破断測定を行い、でんぷんの状態を評価し、関連を考察することを目的として実験を行った。 【方法】うるち性大麦であるシュンライ(S)、もち性大麦であるフクミファイバー(F)を穀類膨化機、焙煎機を用いてそれぞれ膨化パフ、焙煎パフを調製した。これらの試料について、DSC分析を行なった。また、破断測定ではS, Fの膨化パフ、焙煎パフを試料としてクリープメーターを使用し、くさび型のプランジャーで破断測定を行った。 【結果・考察】DSC測定において、精麦Sの糊化ピーク温度は、精麦Fより有意に低く、糊化エネルギーは大きいという結果が得られた。また、焙煎パフでも同様の結果が得られたが、膨化パフではS, F共にピークが認められなかった。さらに破断測定では最大荷重においてS, Fともに焙煎パフの方が大きな値を示し、膨化パフよりも焙煎パフが有意に硬いことが明らかとなった。焙煎パフには吸熱ピークが見られ、膨化パフには見られなかったこと、膨化パフと焙煎パフでは焙煎パフの方が有意に硬いことから、パフ加工の違いによりでんぷん構造の崩壊の程度が異なることが示唆された。
  • 柴 美佐紀, 坂本 薫, 森井 沙衣子, 木村 敏文, 村松 康司, 平松 佳恵
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 33 24 2022年9月  責任著者
    【目的】グラニュ糖やザラメ糖はスクロース結晶であり、その純度は99.9%以上と非常に高い。しかし、その融点には大きく差があるものが存在する。本研究室において自動融点測定装置により多種類の試料を測定したところ、融点に40℃程度差があるものも観察され、示差走査熱量分析(DSC分析)においても、吸熱カーブにおける差が認められた。これらの差異は、砂糖を使った調理品の品質に大きく影響している。しかし、DSCにおいて多種類のスクロース結晶の分析を行っている報告はない。そこでDSC分析により、グラニュ糖とザラメ糖の熔融状況を詳細に検討することを目的として実験を行った。 【方法】スクロース結晶試料として、メーカーやロットの異なるグラニュ糖22種類、ザラメ糖13種類を用いた。DSC分析は、Thermo plus EVO2試料観察DSC(RIGAKU)を用いて温度範囲20℃~203℃、昇温速度は10℃/minで測定した。また、試料観察ユニットにより試料の熔融状況を観察し、Image-Jを用いて、得られた観察画像の時間経過に伴う変化を解析した。 【結果・考察】試料観察ユニットによる観察画像の変化の様子と吸熱カーブの形状は一致し、この吸熱ピークは熔融に伴う融解熱によるものであると考えられた。画像の変化は肉眼では確認が困難であるが、画像解析により明確にすることができた。DSC分析の結果、熔融開始温度は約140℃~180℃と試料ごとに大きな幅があり、吸熱カーブの形状も大きく異なった。しかし、熔融に必要な総エネルギーは一定であり、35種類のスクロース結晶のうち1種類を除いて有意差は認められなかった。
  • 作田 はるみ, 橘 ゆかり, 白杉(片岡) 直子, 堀内 美和, 坂本 薫, 森井 沙衣子, 三浦 加代子, 井奥 加奈, 中谷 梢, 升井 洋至, 岸田 恵津, 片平 理子
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 33 154 2022年9月  
    【目的】小学校教員を志望する大学生に,2社の教科書(AまたはB)の記載に従ってガラス鍋による炊飯実習を行わせた。実習後に実施した質問紙調査の結果からは,炊飯の加熱過程全体を通して「火加減の調節」,「加熱時間の調整」が難しく,「炊飯の状態」の判断に困ることがわかった1)。本研究では,炊飯実習中の学生の気づきや疑問,戸惑いなどを抽出し,教科書の記載だけでは学生が判断しがたい場面を整理しそれらの要因を検討した。 【方法】2018年1月に,大学生54 名を調理頻度や炊飯の経験で差がないように教科書A,Bの2群に分け(A群:8班,B群:8班),各教科書の記載に従い炊飯実習を行った。炊飯の加熱過程(「温度上昇期」,「沸騰期」,「蒸し煮期」,「蒸らし期」)を班毎に録画した。学生は各過程の加熱時間と火加減をワークシート(WS)に記録した。炊飯の状態や,困ったことについても自由に記述した。WSから加熱時間の傾向を把握し,録画された鍋や米の状態,学生の発語や行動を参考に,「火加減の調節」,「加熱時間の調整」,「炊飯の状態」のとらえ方について整理した。 【結果・考察】WSの記録から,A群の加熱時間は各過程でほぼ教科書の記載どおりであった。B群は記載よりも「温度上昇期」は短く「沸騰期」は長くなる傾向にあった。各過程で困ったことの記述件数は,A群よりもB群のほうが多かった。両群のいずれの班も温度上昇期から沸騰期にかけて鍋がふきこぼれていた。教科書の記載にある「湯気」や「ふたの音」,「水が引く」という「炊飯の状態」に関する学生の発語や記述がみられた。教科書の記載が学生にとって分かりにくい、もしくは異なる現象が起きた場面で判断に困っていた。 1)作田ほか,日本調理科学会平成30年度大会
  • 森井 沙衣子, 坂本 薫
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 33 76 2022年9月  
    【目的】米飯は日本人の主食であり、米飯のおいしさは食事の質を左右する。しかし、申請者らのアンケート調査に回答した給食施設(127施設)では同じ食形態の米飯の提供が難しいこと挙げられ、また半数以上の施設にはスチームコンベクションオーブン(以下、スチコン)が設置されていた。そこで、スチコンにて多様な米飯を調理するための炊飯の標準化を行うことを目的とし、炊飯条件とその米飯特性を検討した。 【方法】スチコンの設定温度、水蒸気量、庫内ホテルパン枚数を変え、炊飯容器内部の水温度履歴を測定し、炊飯条件を検討した。そして、スチコンで他の調理と炊飯を同時に行うことを想定し、1枚あたり750 gの水を入れたホテルパン9枚と同時に炊飯(加水比1.4倍、1.5倍)を行い、米飯のテクスチャ−測定および官能評価を行った。 【結果】水蒸気量100%では水温が98℃に到達する時間は8.1±1.0分であり、水蒸気量0%の場合は40分の間に98℃に到達しなかった。このことから、スチコンでの炊飯には過熱水蒸気加熱が必須であることが確かめられた。庫内ホテルパン枚数が5枚の場合、98℃到達時間は7.1±0.1分であるのに対し、9枚挿入した場合は14.7±2.9分であった。また、米飯の官能評価の結果、加水比1.5倍の米飯は加水比1.4倍の米飯よりも、やややわらかいと評価され、テクスチャ−測定の結果と一致した。さらに、加水比1.4倍の米飯は加水比1.5倍の米飯と比較して有意に弾力があると評価された。これらの結果から、スチコンでの炊飯においては、設定温度・湿度・時間・モードだけではなく、同時調理の量などに影響を受けることから、加水比などの炊飯条件の調節が必要になると考えられた。
  • 村松康司, 平松佳恵, 下垣郁弥, 坂本薫
    分析化学討論会講演要旨集(Web) 82nd 2022年  
  • 谷澤容子, 坂本薫, 秋永優子
    飯島藤十郎記念食品科学振興財団年報 37 2022年  
  • 村松康司, 平松佳恵, 前江杏香, 坂本薫
    日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム(Web) 35th 2022年  
  • 平松佳恵, 前江杏香, 坂本薫, 村松康司
    日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム(Web) 35th 2022年  
  • 柴 美佐紀, 小川 麻衣, 根谷 優美香, 物延 緋奈, 廣脇 里咲, 森井 沙衣子, 坂本 薫
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 32 36 2021年9月  最終著者責任著者
    【目的】練りこしあんは、あずきを煮熟して得た生こしあんに砂糖を加えて練りながら加熱し、調製する。すなわち、あずきと砂糖だけで作られるが、練りあんの品質に影響を及ぼす因子として、あずきの処理方法や加熱方法などについての報告はあるものの、加える砂糖の違いに焦点を当てた報告はほとんど見当たらない。そこで、砂糖の粒度の違いがあんの食味に及ぼす影響について検討するため、ザラメ糖とグラニュ糖を用いて練りこしあんを調製し、実験を行った。 【方法】粒度の異なる砂糖としてザラメ糖(φ3.5~3.9)とグラニュ糖(φ0.2~0.7)を用い、練りこしあんを調製した。あん粒子内部の全糖量、還元糖量の測定はそれぞれフェノール硫酸法、ジニトロサリチル酸法を用いて行い、また、大学生42名を対象とし、強度(色、つや、香り、甘味、後味)および嗜好性(香り、甘味、後味、舌触り、全体的なおいしさ)についてVAS法で官能評価を行った。さらに、練りこしあん調製時の加熱操作の影響を検討するため、加熱して調製したあんと加熱せずに調製したあんの比較を行った。 【結果および考察】あん内部に糖が浸透しているか否かを確認するために、あん表面、内部の糖量について測定を行った結果、あん粒子内部の還元糖量は加熱したあんで有意に多くなった。また官能評価を行った結果、ザラメ糖あんとグラニュ糖あんにおいて、色および甘味の強度に有意差が認められた。これらの結果より、練りこしあんの加熱操作により、あん内部に糖は浸透すると考えられ、粒度の異なる砂糖をあんに使用することにより、あんの食味に質的差異をもたらすことが示唆された。
  • 巴山 澪, 森井 沙衣子, 坂本 薫
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 32 18 2021年9月  責任著者
    【目的】酒造好適米(酒米)は、食用米と比較して米粒の中心にデンプンからなる心白(しんぱく)という白色不透明の構造がある。心白は、雑味の原因とされる脂質やタンパク質の含量が少なく、菌が入り込みやすく麹を作りやすいため酒造りに適しているといわれている。山田錦とコシヒカリは同等の良食味性を有するという報告もあるものの、酒米は米飯としては活用されていない。そこで本研究では、兵庫県産酒米「山田錦」の食用としての用途を探ることを目的として実験を行った。 【方法】酒米として2019年産兵庫県産山田錦、食用米として2019年産兵庫県産きぬむすめを用いた。炊飯は、酒米、食用米ともに精白米の1.5倍量の水を加え、家庭用IH炊飯器にて行った。また、炊飯以外の米の加熱加工として、穀類膨化機を使用した米膨化試料も調製した。還元糖はソモギ-ネルソン法、全糖はフェノール-硫酸法にて測定し、アミロース割合の測定はヨウ素呈色法を用いた。テクスチャーはクリープメーター(RE-3305S(株)山電)を使用して測定を行った。 【結果】米飯の炊き増し比は、山田錦2.40倍±0.01、きぬむすめ2.34倍±0.01となった。米飯試料の全糖量、還元糖量は山田錦が有意に多かった。アミロース割合に有意差はなかった。硬さは炊飯直後の山田錦米飯がきぬむすめ米飯よりも有意に硬い結果となったが、付着性、凝集性には差はなかった。米膨化試料は精白米の約10倍の大きさに膨化し、山田錦の全糖量が有意に多かった。これらの結果から酒米と食用米では異なる加工特性があると考えられ、酒米の炊飯や膨化の加熱加工特性を検討しその特性を生かすことにより、適した加工条件を見出すことができると考えられた。
  • 谷澤 容子, 坂本 薫, 秋永 優子
    年報 / 飯島藤十郎記念食品科学振興財団 編 = Annual report / The Tojuro Iijima Foundation for Food Science and Technology 37 475-480 2021年  
  • 前江杏香, 村松康司, 柴美佐紀, 坂本薫, 森井沙衣子
    日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム(Web) 34th 2021年  
  • 中谷 梢, 片寄 眞木子, 坂本 薫, 作田 はるみ, 田中 紀子, 富永 しのぶ, 原 知子, 本多 佐知子
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 32 170 2021年  
    【目的】兵庫県は中央部の東西に山地が横たわり,南部の河川下流には肥沃な平野が開け,北は日本海,南は瀬戸内海に面し,淡路島を擁する。各地域の気候風土の違いは個性豊かで伝統的な食文化を形成してきた。平成24〜25年度「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」聞き書き調査より兵庫県の行事食の特徴を示す。 【方法】調査した香美町香住,宍粟市千種町,丹波市,小野市,姫路市,加古川市,明石市,神戸市,淡路島の9地域の行事食の特徴をまとめた。 【結果】各地域とも年末に丸餅や鏡餅を作った。元旦の雑煮は白味噌や自家製味噌仕立てだが,千種では蛤入りのすまし仕立てで,淡路では三が日は餅を食べない所があった。お節料理は香住では鰈の煮付け,瀬戸内海沿岸では睨み鯛(鯛の塩焼),姫路や加古川と丹波では焼き穴子,明石では蛸の煮付け,淡路では男はほうぼうを女はたもりを焼くか,するめを一人一枚ずつ供することもあり,舌平目入りのなますやなまこの酢の物があった。雛祭りは千種では扇形の押し寿司と,糯米と玄米と豆を炒ったおいり,瀬戸内海沿岸では餡入りの蓬餅,淡路ではベラと海老のおぼろをのせたこけら寿司がみられた。端午の節句の柏餅は,ばたこ,ひょっとで,いびつ餅など地域により多様な名称があり,山帰来の葉が使われた。さなぼりやかまあげは千種では兎や鶏をすき焼きに入れ,すずこを煮付けた。盆は淡路ではいぎすを炊いて固めた。秋祭りは鯖の姿寿司を各地域で,特に千種では約50本作り,姫路では正月より祭りの桟敷料理に力を注いだ。神戸ではクリスマスケーキを購入した。日常は地域の産物中心の食事だが,ハレの日は日本海から運ばれる鯖や蛤を使う地域があり,神戸では外国文化も取り入れる特徴があった。
  • 森井 沙衣子, 白杉(片岡) 直子, 佐藤 春実, 坂本 薫
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 32 15 2021年  
    【目的】米の吸水率は浸漬温度が上昇するとともに増加する吸水曲線が一般的である。しかし、筆者らは米を短時間浸漬させた場合では温水浸漬が低温浸漬よりも米の吸水率は高くなるが、長時間浸漬させると、低温浸漬が温水浸漬よりも吸水率が高くなることを明らかとした。また、この現象が米粉には見られず米粒に特有であったことから、浸漬温度の異なる米粒は表面部のでんぷんの状態に差異があることが推察される。そこで、浸漬温度の異なる米の吸水メカニズムを明らかにするため、米の吸水率に影響を与えると推察される米粒表面部のでんぷんの変化について検討することとした。 【方法】5°C、40°Cの水で0分(洗米後)、20分、90分、4時間浸漬させた試料米(兵庫県産ヒノヒカリ)から、米粒表面部試料、表面部以外(中心部)試料を調製した。測定はX線回折(XRD)、BAP法、フーリエ変換型赤外分光光度計(FT-IR)、示差走査熱量分析計(DSC)を用いて行った。 【結果】米粒中心部のでんぷんの結晶性に大きな変化はみられなかったが,40°C浸漬の米粒表面部のXRD回折強度がわずかに高くなっていた。BAP法ではそれぞれの試料間に差はみられなかった。FT-IR の結果、40°C浸漬米の表面部試料では5°C浸漬米のそれより会合型のOH基が増えたことを示した。DSC測定では、40°C浸漬米の表面部の糊化ピーク温度は生米より低温に移行していたが、糊化開始温度は高い傾向がみられた。また、40°C浸漬米のDSC曲線は生米と5°C浸漬米より吸熱ピークが鋭くなっており、40°C浸漬米のDSC曲線は生米と5°C浸漬米の表面部のそれとは異なっていることが明らかとなった。
  • 前江杏香, 村松康司, 今津有稀, 坂本薫, 森井沙衣子
    日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム(Web) 33rd 2020年  
  • 前江杏香, 村松康司, 今津有稀, 坂本薫, 森井沙衣子
    X線分析討論会講演要旨集 56th (CD-ROM) 2020年  
  • 前江杏香, 村松康司, 今津有稀, 坂本薫, 森井沙衣子
    分析化学討論会講演要旨集(Web) 80th 2020年  
  • 森井沙衣子, 森井沙衣子, 坂本薫, 坂本薫
    日本給食経営管理学会学術総会プログラム・講演要旨集 15th 2019年  
  • 作田 はるみ, 片寄 眞木子, 坂本 薫, 田中 紀子, 富永 しのぶ, 中谷 梢, 原 知子, 本多 佐知子
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 31 219-219 2019年  
    <p>【目的】兵庫県は中央部の東西に山地が横たわり,南部の河川下流には肥沃な平野が開け,北は日本海,南は瀬戸内海に面し,淡路島を擁する。各地域の気候風土の違いは,個性豊かで伝統的な食文化を形成してきた。本研究では,平成24〜25年度「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」聞き書き調査より,副菜として食べられてきた家庭料理の特徴を示す。</p><p>【方法】調査地域は,神戸市,明石市,加古川市,小野市,姫路市,宍粟市,美方郡,丹波市,淡路市の9地域である。聞き書き調査で得られた家庭料理の中から,主材料が野菜やいも,山菜,海草を用いた副菜について調べた。</p><p>【結果および考察】日常的に副菜として食べられていたのは,各地域で収穫される野菜等を用いた料理であった。「丸大根のたいたん」や「とうがらしのたいたん」,「蓮根の煮物」,「しょうがの煮物」等の煮物料理が多かった。「わけぎのぬた」等のあえ物や,みそ汁やすまし汁,とろろ汁,粕汁等の汁物があった。沿岸では「茎わかめの煮物」のような海藻の料理があった。保存できる常備菜として,沿岸では「じんば」という海藻の佃煮,内陸では「木の芽」や「山椒」等の山菜の佃煮があった。漬物は自家製の「たくわん」や「白菜」,「梅干し」,「らっきょう」等が多くみられ,西播磨には野菜を季節ごとに段階的に仕込んでいく「やたら漬」があった。大根やずいきを「切干大根」や「干ずいき」にして保存し,煮物やあえ物に用いた。自家製みそで「菜味噌」を作り,「ゆず味噌」や「とうがらし味噌」は麹から手作りしていた。こんにゃくいもを栽培してこんにゃくに加工し,煮物や「白和え」にした。神戸には「ポテトサラダ」のようにハイカラな料理があった。</p>
  • 中谷 梢, 吉村 美紀, 坂本 薫
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 31 131-131 2019年  
    <p>【目的】米粉は加水・加熱によって米粉ゲルまたは米粉ゾルを形成し,新規食品や離乳食,えん下困難者用食品としての利用が期待できる。米粉利用のための基礎的知見を得るために,米粉ゲル・ゾルの物性へ及ぼす加水量と貯蔵の影響を検討した。</p><p>【方法】配合比率は米粉(以下RF):水(以下 W ) =1:2,1:3,1:4,1:5,1:6,1:7,1:8とし,それぞれ耐熱袋に入れ,スチームコンベクションオーブン(温度100℃, 湿度100%,時間50分間)で加熱した。直径3cm×高さ2cmのガラスリングを並べたステンレス製容器に流し込み,10℃で貯蔵した。調製1・3・5日後のものを試料とし,テクスチャー,動的粘弾性,離水量を測定した。</p><p>【結果および考察】加水量の影響では,加水量の増加に伴いかたさ,凝集性,付着性は小さくなる傾向を示した。動的粘弾性ではRF:W=1:2〜1:8の全てで貯蔵弾性率(以下G')>損失弾性率(以下G'')を示した。1:2はG' が大きく弾性的要素が高くゲルの挙動を示した。貯蔵の影響では,かたさは貯蔵3日後に増加,5日後に減少し,凝集性は5日後に高くなり,付着性は3日後にRF:W=1:2は高くなったが1:8は低くなった。RF:W=1:2と1:5においてG' 及びG''は貯蔵3日後に増加,5日後に減少した。RF:W=1:6〜1:8は,貯蔵日数が長くなるとG' 及びG'' が低くなり粘性的要素を示した。離水量ではRF:W=1:4以上で観察され,加水量の増加と貯蔵日数の経過に伴い増加した。RF:W=1:2〜1:4はゲル,1:6以上ではゾル,1:8は粥状となり,「えん下困難者用食品たる表示の許可基準」に該当し様々な食品への応用が期待できる。</p>
  • 坂本薫, 坂本薫, 高山裕貴, 今津有稀, 赤田樹, 青井雄幹, 森井沙衣子, 岸原士郎
    精糖技術研究会講演要旨 117th 10‐15 2019年  
  • 坂本 薫, 井上 友見, 長谷川 逸美, 一宮 悠香, 西川 亜惟子, 中野 志保, 長尾 歩実, 森井 沙衣子
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 30 143-143 2018年  
    【目的】水加減を多くするだけでは、米飯はやわらかくなるが食べやすくなるとは限らない。そこで、高齢者の食生活におけるQOLを高めることを目的とし、食べやすくおいしい米飯の炊飯方法を研究し、新炊飯器を開発した。その米飯は、炊き増し比を同じにした対象米飯に比べ、軟らかくべたべた感がなく、口の中やのどに残りにくく飲み込みやすくておいしいと評価された。今回はテクスチャー測定方法と炊飯途中で除去する炊飯液(おねば)の成分について検討し、通常の米飯との栄養的比較等を行った。<br><br>【方法】タイガー魔法瓶(株)製新規開発炊飯器を用い、おねば回収トレイ付き「さらっとご飯」モードで炊飯した米飯と通常の炊飯モードを使用して炊飯した米飯とを水加減を変えて比較した。また、新規開発炊飯器では、炊飯途中で一部の炊飯液(おねば)を除去する。そのおねばについて、一般栄養成分およびアミロースアミロペクチン比等を測定した。テクスチャー測定は、クリープメーターRE2-3305(山電)を用い、測定用サンプル調製法を改良し測定した。<br><br>【結果】テクスチャー測定は、プレートを用いて一定の重さで押して測定用サンプルを調製することにより、均一な測定用サンプルが得られた。その結果、さらっとご飯は、炊き増し比が同じ軟飯と比べて軟らかく付着性も小さいことが確認できた。また、成分分析の結果、おねば回収により減少する炭水化物は0.35%程度であり、栄養的な損失はほぼないと考えられた。
  • 作田 はるみ, 三浦 加代子, 川西 正子, 升井 洋至, 岩城 啓子, 岸田 恵津, 橘 ゆかり, 白杉 直子, 片平 理子, 坂本 薫, 堀内 美和, 森井 沙衣子, 中谷 梢, 井奥 加奈
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 30 127-127 2018年  
    【目的】小学校教員を志望する大学生に,2社の教科書(A・B)記載に従って鍋炊飯実習をさせ,鍋炊飯を難しく感じる理由を検討した。<br>【方法】平成30年1月に,大学生54名を調理頻度や炊飯経験を基に2群(A・B)に分け,A・Bの記載に従い,ガラス鍋を用いた炊飯実習を行った。加熱器具はガスコンロを用いた。実習内容は,加熱過程(「温度上昇期」,「沸騰期」,「蒸し煮期」,「蒸らし期」の4段階)に限定した。実習前後に質問紙調査を行い,鍋炊飯の加熱過程の記載内容に対する理解や炊飯の難易の感じ方について,前後の回答を比較した。<br>【結果と考察】炊飯の加熱過程全体を通して「火加減の調節」,「加熱時間の調整」を実習前よりも実習後に難しいと思う学生がA,Bともに増えた。「火加減の調節」を難しく感じた理由に,「火(炎の先端)が見えにくい」,「同じ火加減でも範囲が広く戸惑った」,「炊飯の状態を見ながら火加減を調節する必要があった」などがあった。「加熱時間の調整」が難しい理由は,記載された時間通りに炊飯の状態変化が起こるとは限らないことが挙げられた。4つの加熱過程では,「沸騰期」が実習後に難しいと感じた学生が増えた。「沸騰期」から「蒸し煮期」に移行する状態を「ふたがコトコト」という音で判断できるから簡単だと考えていたが,実習ではガラス鍋の「ふたがコトコト」することは,ほとんど無かった。また「蒸し煮期」の弱火に移行するタイミングの「水が引いた」状態を判断できない学生が多かった。実習してみると,「炊飯の状態」の判断が難しく,「自分自身が鍋炊飯を行うこと」を難しく感じる学生が増えた。「児童に実習指導を行うこと」の難易度は実習前後で変わらず高かった。
  • 奥谷 香, 坂本 薫
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 30 120-120 2018年  
    【目的】寿司は元来、郷土料理として地域に密着し発展してきたと考えられるが、現在では回転寿司などの台頭から、郷土料理としての寿司の位置づけや寿司と郷土料理のイメージは世代や地域の違いによって乖離がみられる可能性がある。そこで、世代や地域の違いが寿司の位置づけや寿司と郷土料理のイメージにどのように関連するかを比較、検討することを目的として調査を行った。対象は、兵庫県出身者である若い世代と中高年世代とし、中高年世代については兵庫県播磨地域の2地区(南西部と北西部)に居住する者とした。<br>【方法】調査は、無記名式の自記式質問紙法にて平成28年9月~11月に実施した。対象は、若い世代は兵庫県姫路市のA大学学生(10~20歳代)とし、中高年世代は50~70歳代とし、播磨南西部は姫路市とその近郊に居住する者、播磨北西部は宍粟市千種町に居住する者とした。<br>【結果と考察】世代や地域の違いによって、寿司の位置づけや寿司と郷土料理のイメージは異なる傾向がみられた。若い世代と播磨南西部の中高年世代は、郷土料理は寿司ほど良好なイメージでなく、味のイメージも特になかった。一方で播磨北西部の中高年世代は、郷土料理の食体験割合が高く、郷土料理に対して親しみやすく好きでおいしそうというイメージを持ち、寿司にも同様のイメージを持っていた。これらのイメージ比較から、若い世代と播磨南西部では、寿司と郷土料理とは異なった位置づけで、郷土の寿司の認識は薄らいできていると考えられた。それに対し播磨北西部の中高年世代は、寿司と郷土料理に似た位置づけを感じていた。これらの結果より、世代や地域の違いが寿司と郷土料理のイメージ構成に関連していることが明らかになった。
  • 白杉 直子, 三浦 加代子, 川西 正子, 升井 洋至, 岩城 啓子, 岸田 恵津, 片平 理子, 橘 ゆかり, 作田 はるみ, 坂本 薫, 堀内 美和, 森井 沙衣子, 中谷 梢, 井奥 加奈
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 30 126-126 2018年  
    【目的】小学校家庭科で学習する米飯の調理では,教科書に鍋炊飯の手順が記載されている。近畿と関東の小学校を対象に行った調査によると,炊飯実習にガラス鍋を使用している学校が多かった。教員が炊飯実習の加熱過程で困ることは,「火加減の指導」と「焦げること」であった1)。本研究では,小学校教員を志望する大学生を対象に,2社の教科書(A・B)における鍋炊飯の加熱過程の記載への理解や炊飯の難易の感じ方について検討した。<br>【方法】平成29年12月に,大学生54名を調理頻度や炊飯の経験を基に2群(A・B)に分けた。鍋炊飯の4段階の加熱過程(「温度上昇期」,「沸騰期」,「蒸し煮期」,「蒸らし期」)に関する記載を読ませた後,質問紙調査を行った。<br>【結果と考察】加熱過程全体の「火加減の調節」は,A,Bとも「簡単」と答えた学生が多かった。「加熱時間の調整」は,Bは「簡単」,Aは「難しい」と感じた学生が多かった。加熱時間の記載に幅があることが影響していた。文化鍋の写真が併記されたAでは,「中が見えない」ことも難しい理由の一つであった。「炊飯の状態の判断」は,「ふっとう」という表現を用いた「温度上昇期」が最も易しく,「水が引く」という表現を用いた「蒸し煮期」を最も難しく感じていた。学生の大半は「炊飯の状態」を基準に,火加減の調節をすると答えたが,教科書の記載で最も判断に困ったものも,「炊飯の状態」であった。鍋炊飯を自分で行うことは約7割の学生が簡単だと回答したが,「児童に実習指導を行うこと」は,「児童の経験不足」,「授業運営の難しさ」,「学生の経験不足」の因子が加わり,約9割の学生が難しいと考えていた。<br>1) 三浦ら(2015),日本調理科学会平成27年度大会
  • 今津 有稀, 坂本 薫, 森井 沙衣子
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 30 17-17 2018年  
    【目的】グラニュ糖は、結晶性の物質であり純度が99.9%以上と高いが、熔融温度が異なるものがあることを報告してきた。すでに、日本薬局方の融点測定法に基づき、昇温速度を1°C/minとしたときのグラニュ糖の熔融過程を自動融点測定装置を用いて観察し、熔融開始温度や熔融終了温度に大きな差があることや、温度による透過率の推移が異なることを確認した。しかし、実際の調理加工における昇温速度は、1°C/minよりも速いと考えられる。そこで本研究では、実際の調理を想定した昇温速度で加熱した際の砂糖の熔融状況や試料による差異について検討を行った。<br><br>【方法】自動融点測定装置(MP-70、メトラー・トレド製)を用い、昇温速度は調理を想定し10°C/min、加熱温度を130°Cから230°Cまでとして透過率を測定した。試料には精糖会社や工場、ロットが異なるグラニュ糖39種類を用いた。<br><br>【結果】1°C/min昇温のときに153.3°Cで融けはじめたグラニュ糖が、10°C/min昇温のときには174.8°Cで融けはじめ、昇温速度が速くなると熔融開始温度が上昇する現象が観察された。熔融終了温度も同様に、昇温速度を上げることで上昇した。これらの現象は、全ての試料において確認されたが、その温度の差は、グラニュ糖の種類により多様であった。<br> 砂糖の加熱熔融特性は、調理品の品質に質的影響を与える。しかし、砂糖に加熱熔融特性の異なるものがあることはあまり知られていない。砂糖には熔融温度が大きく異なるものがあり、昇温速度によってその温度が異なることが明らかとなった。調理における砂糖の選択は、調理品の品質を左右すると考えられた。
  • 中谷 梢, 片寄 眞木子, 坂本 薫, 作田 はるみ, 田中 紀子, 富永 しのぶ, 原 知子, 本多 佐知子
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 30 231-231 2018年  
    【目的】日本調理科学会平成24~25年度特別研究の「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」において実施した「昭和30~40年代に食べられていた兵庫県の家庭料理」の聞き書きで得られた報告に基づいて兵庫県の主菜の特徴を9つの地域ごとに調べた。<br>【方法】美方郡香美町(但馬・日本海沿岸),丹波市氷上町(丹波・山間部),宍粟市千種町(西播磨・播磨山地),姫路市(中播磨・播州平野),小野市(北播磨・平野部),加古川市(東播磨・平野部),明石市(東播磨・瀬戸内沿岸),神戸市(都市部),淡路市(淡路島)の9地域を選定し,聞き書き調査は平成25~26年に行った。収集した料理の中から主菜について地域の特徴を検討した。<br>【結果】香美町では多く獲れる魚介類を使い「さばのじゃう」(すきやき)や「かれいの煮物」,干物などにした。丹波は鶏を飼い「すきやき」にした。千種では山鳥や山うさぎを捕まえて骨ごと青石で叩いて肉団子にした。姫路では生姜づくりが盛んであり「おでん」を生姜醤油につけて食べた。小野では高野豆腐の加工中にできる粉で「高野豆腐粉と野菜の煮物」,また正月には畑で採れた野菜中心の「煮しめ」が作られた。加古川はクジラ肉で「はりはり鍋」を作った。明石ではたこを塩もみし「やわらか煮」などにした。神戸は「ぐっだき」,「牛肉の佃煮」など牛肉料理や洋食を食べていた。淡路はハモをなますや鍋に,卵を産まなくなった鶏を「すきやき」に入れていた。魚介類については,沿岸部は刺身や焼魚,煮魚にした他,干物や小魚は佃煮などに加工したが,山地や内陸部は塩魚や魚の干物を行商などから入手していた。鯖の塩焼きや魚の干物,飼っていた鶏や卵,揚げの煮物などは県内共通して食されていた。
  • 今津有稀, 坂本薫, 坂本薫, 森井沙衣子, 森井沙衣子, 森井沙衣子
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 2018 37 2018年  
  • 坂本薫, 坂本薫, 井上友見, 長谷川逸美, 一宮悠香, 西川亜惟子, 中野志保, 長尾歩実, 森井沙衣子, 森井沙衣子, 森井沙衣子
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 2018 72 2018年  
  • 白杉直子, 片平理子, 橘ゆかり, 作田はるみ, 坂本薫, 堀内美和, 森井沙衣子, 森井沙衣子, 中谷梢, 井奥加奈, 三浦加代子, 川西正子, 升井洋至, 岩城啓子, 岸田恵津
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 2018 67 2018年  
  • 森井 沙衣子, 坂本 薫, 白杉(片岡) 直子
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 29 171-171 2017年  
    【目的】炊飯において、トマトケチャップを調味料として加えたり、トマトジュースや野菜ジュースなどの固形分の多い液体を炊飯液に加えたりすると、通常の炊飯器ではうまく炊けないことがある。また、具材が多い場合も同様である。そこで、本研究室では、これらの炊飯に適した加熱方法を見い出すために、IH炊飯器、ガスコンロ、スチームコンベクションオーブン(スチコン)を用いて炊飯したトマトライスの炊飯特性について調べ、スチコンでの炊飯がトマトライスに適している可能性があることを本学会*にて発表した。本研究では、トマトジュースを添加して炊飯ができない理由を明らかにするため、トマトライスの炊飯温度履歴を測定したので報告する。【方法】米重量は300 gとし、濃縮還元トマトジュースを米重量の1.8倍添加した。また具材は玉ねぎとし、米重量と同等量加え、IH炊飯器、スチコンを用いて炊飯を行い、炊飯温度履歴を測定した。【結果】IH炊飯器を用いて、トマトジュースを炊飯液として炊飯を行ったところ、約20分後(浸漬時間を含める)から温度が上昇したが、炊飯釜内部の温度分布は不均一であり、おいしい米飯の炊飯に必要とされている98℃、20分以上温度の維持ができていない部分があった。具材を添加して炊飯した場合は、さらに温度分布にばらつきが生じた。これらの結果から、炊飯液中に固形分があると対流が起こりにくくなると考えられた。また具材を添加した場合においては、炊飯が完了せず生米のままであったことから、具材の重みでさらに対流が起こりにくくなり、炊飯ができなかったと考えられた。それに対しスチコン炊飯では、容器内での温度分布のばらつきがIH炊飯器よりも小さい傾向が認められた。<br />*坂本薫,森井沙衣子,スチームコンベクションオーブンで炊飯したトマトライスのテクスチャー,日本調理科学会大会研究発表要旨集25, 115, 2013
  • 奥谷 香, 坂本 薫, 山内 千裕
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 29 52-52 2017年  
    【目的】寿司は、最近では回転寿司などの利用が多くなり、気軽に食べられる料理となっており、昔ながらの寿司のイメージや味付けは変化していることが考えられる。そこで、兵庫県西播磨に居住する50~70歳代を対象とし、現在と10~30年前の頃の寿司の摂取状況および寿司の味をどのように評価しているかについて若い世代と比較、検討することを目的として調査を行った。<br />【方法】兵庫県西播磨に居住する50~70歳代を対象とし、平成28年9~11月に無記名式の自記式質問紙法にて現在と40歳代の頃の寿司の摂取状況やイメージについて尋ねた。結果は、兵庫県姫路市の10~20歳代の学生を対象として平成28年10月に同様の内容を調査した結果と比較、検討することとした。さらに、50~70歳代は居住地により都市部と山間部にわけて解析した。<br />【結果】中高年世代と若い世代では、寿司の摂取状況は異なっており、中高年世代は若い世代に比べて、自宅で寿司を「普段の食事」、「年中行事」、「来客時」に食べる割合が高かった。中高年世代を都市部と山間部とで比較したところ、摂取状況と味に対する評価において異なる傾向を示した。都市部の中高年世代は、現在自宅で寿司を「記念日」に食べる割合が高く、山間部の中高年世代は、時代を問わず自宅で寿司を「年中行事」で食べる割合が高かった。寿司の味に対するイメージについては、甘い、塩辛い、すっぱいの3項目を5段階で評価してもらったところ、若い世代は、寿司を甘いと思っていなかったが、山間部の中高年世代は、寿司を甘いと思っていた。世代や居住地の違いによって、寿司を食べる場面、寿司のイメージや味に対するイメージは異なっており、寿司の位置づけが異なっていることが示唆された。
  • 中谷 梢, 片寄 眞木子, 坂本 薫, 作田 はるみ, 田中 紀子, 富永 しのぶ, 原 知子, 本多 佐知子
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 29 232-232 2017年  
    【目的】日本調理科学会平成24~25年度特別研究の「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」では,昭和30~40年代に食べられていた兵庫県の家庭料理の聞き書き調査を実施した。得られた報告を基に,兵庫県のおやつにおける特徴を探ることを目的とした。<br />【方法】調査地域は,神戸市(都市部),明石市(東播磨・瀬戸内沿岸),加古川市(東播磨・平野部),小野市(北播磨・平野部),姫路市(中播磨・播州平野),宍粟市千種町(西播磨・播磨山地),美方郡香美町(但馬・日本海沿岸),丹波市氷上町(丹波・山間部),淡路市(淡路島)の9地域を選定し,聞き書き調査は平成25~26年に行った。収集した料理の中からおやつについて,季節ごとに共通性と多様性などを検討した。<br />【結果】兵庫県内のおやつを季節ごとにみると,春はさくら餅や草餅,よもぎ団子,夏は果物やそら豆,秋はさつま芋,柿,ぼた餅,冬はかき餅やあられ,煎餅などで,各地域で共通して食べられるものが多かった。かしわ餅はサルトリイバラの葉が多く用いられて各地で食べられるが,「いびつ餅」や「ひょっとで」,「ばたこ」など地域によって呼び名が異なり興味深い。山間地域の千種町では,柿の皮を干したものや,未熟米を炒って,湯でふやかして食べる「やっこめ」,小米を炒った「おいり」など素朴なものがある一方で,外国人居留地のあった神戸の一部ではすでに洋菓子が食べられていた。丹波市では,特産物の栗や黒豆もおやつにしていた。都市部ではオーブンを購入し,クッキーやシュークリーム,ケーキなどを焼く家庭もある等,兵庫県のおやつは多様であった。
  • 森井沙衣子, 森井沙衣子, 森井沙衣子, 坂本薫, 坂本薫, 白杉(片岡)直子
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 2017 83 2017年  
  • 森井沙衣子, 森井沙衣子, 坂本薫, 坂本薫, 田畑尚子
    日本給食経営管理学会学術総会プログラム・講演要旨集 12th 50 2016年11月26日  
  • 坂本薫, 森井沙衣子, 井崎栞奈, 村瀬裕実, 岸原士郎
    精糖技術研究会講演要旨 114th 2016年  
  • 森井 沙衣子, 坂本 薫, 白杉(片岡) 直子
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 28 139-139 2016年  
    【目的】浸漬温度が異なる米の吸水率について検討したところ,温水浸漬と低温浸漬では,吸水曲線が交差する現象が観察され,平衡状態まで吸水させた場合では,温水浸漬よりも低温浸漬の米の吸水率が高くなることをすでに明らかにした。本研究では,さらに品種および搗精度が異なる米の吸水率について,同様に吸水曲線が交差する現象が観察されるかどうかを明らかにすることを目的とし,実験を行った。 【方法】試料米はキヌヒカリ,ササニシキ,ハツシモの3品種とし,玄米および93%または91%搗精米を用いた。浸漬温度は5,20,40℃とし,それぞれ10,20,30,40,50,60,90,120,240,480分間,さらに吸水率が平衡にならなかった場合は平衡になるまで各設定温度の水に浸漬させた。浸漬後,小型遠心分離機を用いて3,000 rpmで5分間遠心脱水を行い,米の吸水量から吸水率を求めた。 【結果】91,93%各搗精米の吸水率は品種に関わらず,浸漬30分までは浸漬温度40℃で最も高値を示したが,60分後には20℃での吸水率が高くなった。さらに浸漬時間を長くすると5℃浸漬米の吸水率も40℃浸漬米よりも高くなったことから品種にかかわらず,5,20℃浸漬と40℃浸漬では,吸水曲線が交差することを観察した。また品種によって吸水率に差は見られるものの,91,93%各搗精米を平衡状態まで吸水させた場合,5℃浸漬米の吸水率が高くなる傾向が見られた。玄米においても短時間の浸漬では40℃浸漬米の吸水率が高値を示したが,長時間浸漬させると,5,20℃各浸漬米の吸水率は40℃浸漬米とほぼ同等の吸水率となるか,もしくは搗精米と同様に吸水曲線の交差が起こることが明らかとなった。 &nbsp;
  • 奥谷 香, 坂本 薫, 作田 はるみ
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 28 122-122 2016年  
    【目的】寿司は、人生儀礼や年中行事などのさまざまな「ハレの日」の特別な食べ物、地域の祭礼や行事に密着した郷土料理として親しまれてきたが、最近では、回転寿司や持ち帰り用調理済み食品(中食)の利用が多くなり、気軽に食べられる料理となってきている。昔ながらの寿司の味付けと現在の寿司の味は異なってきていることも考えられるので、若い世代を対象とし、寿司および寿司の味をどのように評価しているかについて調査を行うこととした。<br>【方法】調査は、兵庫県姫路市にある大学生および専門学校生247人を対象として、平成27年7月に実施した。調査用紙を配布し、無記名式の自記式質問紙法にて行った。分析は、10~20歳代の回答のみを対象とし、欠損値のある回答は分析対象から外し、229人のデータを分析対象とした。<br>【結果】寿司を食べる頻度および寿司の食べ方と家族構成については、核家族の方が拡大家族よりも寿司を食べる頻度が高い傾向があり、自宅で寿司を「年中行事」で食べることが多いのは、拡大家族であった。食べることが多い寿司は「回転寿司」であった。寿司のイメージは、好きでおいしそうで、見た目が良く、楽しいイメージで、田舎的とも伝統的とも年配者むけとも思われていないことがわかった。寿司の味に対するイメージについては、甘い、塩辛い、すっぱいの3項目を5段階で評価してもらい、その結果について寿司を作ることができると回答した者97人と作ることができないと回答した者132人に分け検討した。すし飯は酢、砂糖、塩を使用し調味するが、いずれのグループも寿司を甘いとも塩辛いともすっぱいとも思っていないことが明らかとなった。今後は、高い年代区分についても同様の調査を実施し、その差を比較検討する予定である。
  • 坂本 薫, 森井 沙衣子, 村瀬 裕実, 中谷 梢, 鈴木 道隆, 飯村 健次, 岸原 士郎
    日本調理科学会大会研究発表要旨集 28 157-157 2016年  
    【目的】グラニュ糖の融点にはメーカーにより異なるものがあり,融点の異なるグラニュ糖は加熱熔融状況が異なり,示差走査熱量分析(DSC 分析)において異なる波形を示すこと,スクロース結晶を粉砕することにより,その加熱特性が変化することを明らかにしてきた。さらに焼メレンゲにおいて,砂糖の粒度により,焼き上がりの外観,色調やきめ,テクスチャーに大きな差が生じることを明らかにしたが,焼メレンゲ中のスクロース結晶の状態については詳細は明らかでない。そこで,焼メレンゲ中のスクロース結晶の状態を評価することを目的としてX線回折を行った。<br>【方法】グラニュ糖はW社,X社,Z社の3種を使用し,また,それぞれを粉砕した粉砕糖Wp,Xp,Zpを実験に供した。焼きメレンゲについては,乳鉢で磨砕しないように押しつぶし,ふるいでふるって試料とした。X線回折は,筋電圧30kV,管電流15mA,発散スリット0.652&deg;,散乱スリット1.25&deg;,受光スリット0.3mmを回折条件として実験を行った。<br>【結果】まず,試料糖のX線回折を行った。グラニュ糖は純度が99.9%と高いスクロース結晶であるため,X線回折結果に差があるとは予想されなかったが,どのグラニュ糖にも認められるピークもあったが,異なる回折角にピークも認められた。また強度においても大きな差が生じるものがあった。しかし,粉砕糖のX線回折結果では,グラニュ糖のX線回折結果よりも波形が類似し,さらに,ほとんどのピークの回折角が同じであるという結果になった。また強度においてもその差が小さいものとなった。結晶状態の異なるグラニュ糖であったが,粉砕によりその結晶状態が変化し,その性質が類似したものになる可能性があることが考えられた。焼きメレンゲについては,卵白との混合物としての回折となるためかピーク強度等のばらつきは大きかったが,類似した波形となることから再結晶化が示唆された。<br><br>&nbsp;

書籍等出版物

 8

主要な講演・口頭発表等

 48

共同研究・競争的資金等の研究課題

 14

産業財産権

 2

主要な学術貢献活動

 5

社会貢献活動

 2